My First Kiss
作者: HARUKA   2008年05月08日(木) 23時06分39秒公開   ID:ov6RKaAr3rc



Can't get nosleep tonight
It's all because of you
Even though I was wiht you
And we just said good night

Cheeks are burning red
for you
heart is beating fast
for you
at last at last ohh...

It is my first kiss chu
Kiss with you
I will give you all my love
Why is it I feel this sweet and tender
oh...I don't know why
It is my first kiss chu
Kiss with you
I will give you all my love
yes I know it's strange
for a man to cry
Can't hold back
Be in Love wiht you...












   キスをした。
   いや、正確にはキスをされた。
   表現を変えよう――唇を奪われた。

   突然の事だった。
   晴天の霹靂とは、まさにこの事か。

   ファーストキスの味は「レモンの味」
   そんな言葉を聞いた事はあったが、味なんか分かるはずもない。
   正直、感触すらよく分からなかったのだから。
   
   相手はキスをするなり、

  「じゃあね」

   と一言だけ言って去っていった。

   おい、ちょっと待ってくれ。
   どういう意味のキスだ、これは。
   好きって意味なのか。それともからかっているだけなのか。
   もしかして罰ゲームとか。
   あぁ、もうサッパリだ。
   誰かに相談したいけど。

  「女の子に唇を奪われました」

   格好悪すぎて言えない。   
   そう。
   俺のファーストキスを奪った(この表現は非常に乙女チックだが気にしない事)相手は。

   佐藤 岬(さとう みさき)

   昔からの腐れ縁――幼馴染ってやつだ。
   まっすぐな黒髪で、ショートヘアーがよく似合っている女の子。
   性格はさっぱりとしていて、男女隔たりなく付き合うタイプ。
   クラスのムードメーカー的存在。
   どこかボーイッシュという表現が当てはまる。
   ボーイッシュと言っても、男勝りとかそういうわけではない。
   昔からテニスをやっているから日焼けしてて、どこか男の子っぽく見える。
   それだけではなく、テニスをしている時もそうだが岬の行動は、男の俺から見ても格好良いのだ。
   彼女の身長がもっと高くなれば、宝塚の男役にもなれそうな感じだ。
   顔が女の子女の子しているから無理とは思うが……。

   そんな事は置いといて。
   まずは俺がこれからどうすべきか、を考えなくては。

   んーやっぱり男らしく聞くべきか。

  「なんで俺にキスしたの?」

   いや……これは聞きにくい。

  「あのキスって、好きって俺の事が好きってこと?」

   これはこれでもっと聞きにくい。
   だって万が一。

  「え、違うよ。罰ゲームだから。ごめんね」

   なんて言われた日には、僕もう立ち直れない。
   まあその可能性は低いにせよ、何か変だよなぁ。
   まてよ。
   そもそもキスした理由を聞いたところで、俺はその先どうするんだ。

  「あなたが好きだから」

   と、告白された場合。
   俺は岬と付き合う気はあるのだろうか。

   ……。
   …………。
   ………………。

   どうなんだろう。
   顔は可愛いと思うし、性格だって良い。
   ただ彼女を「異性」とか「女」という眼で見たことはない。
   それは、小さい頃から一緒に遊んだりしていたし、近くにいる事が当たり前になっていた。
   兄弟? 姉妹? 家族みたいな感じでいたから、恋愛感情は持った事がないわけだ。
   んーどうしたら良いんだろう。
   このまま無言でいればいいのか。
   なかった事にしてしまえば良いのだろうか。
   案外、岬は岬でこの事に関しては触れてほしくない……かもしれない。
   んーどうしたら良いんだろうか。

   悩める年頃15歳、青春街道一直線の夏。

   ……。   
   …………。
   …………………。

   なんか違うな。
   こういうのも青春って言うのだろうか。
   んーまた悩みが増えてしまった――中田圭祐(なかた けいすけ)15の夏。



   世間はもう夏休み。



   ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



   キスをした――もとい、キスをされてから1週間。
   何の音沙汰もなく、ただただ時間だけが過ぎていた。
   あのキスは夢だったんじゃないだろうか。
   実は、頭がおかしくなって、あれは俺の妄想だったんじゃないだろうか。

  「あぢぃ……」

   ソファに身を預け、アイスを食べながら今日も今日とて無駄な時間を過ごしていると。


   ピリリリィィ。ピリリリィィ。ピリリリィィ。


   けたたましい音が部屋に鳴り響く。
   音の出処は携帯電話。
   言うまでもないが、着信音ってやつだ。
   初期設定のままだから、今時の曲じゃない。
   これが一番五月蝿くてどんな場所でも気づくから、この設定なのだ。

   携帯電話を手にとって、サブディスプレイから電話の主の名前を見る。

  「ぶっ」

   俺は口に入れていたアイスを、漫画の如く噴出し床に落とした。
   相手からのコールで携帯電話が震える。
   そこには――

   佐藤 岬。

   と表示されている。
   間違いない。俺は両目の視力が2.0あるから。
   うん、み、み、み、見間違い……じゃ、じゃ、じゃない。
   明らかに動揺してしまった。

   怖い。

   これが今の素直な気持ち。
   だが、ここは覚悟を決めよう。
   通話ボタンを押す指が震えてしまっている。

   落ち着け。良いから落ち着け。落ち着くんだ、俺の右手。

   3コール……4コール……5コール……で、俺は通話のボタンを押した。

  「も、もしもし?」

   第一声。
   緊張しまくりで、声が裏返った。
   だせぇ……。
   携帯を持つ手が震えて出す。
   乾いた喉を少しでも潤そうとして生つばを飲み込み、もう一度言葉を吐き出す。

  「み、み、み、岬か?」
  「ぷっ、なにそれ〜何で緊張してるの〜?」

   う、うるせぇ。
   そりゃ動揺しますわ。
   むしろ何でお前はそんなに普段通りでいられるんだよ。

  「いや、そんな事は全然ないぞ、うん。で、どうしたんだ?」
  「ほんとぉ〜? まあいいや。圭祐、明後日の夜って暇?」
  「明後日? おう、全然暇だぞ。むしろ毎日が暇だな。気分的には森のプーさん……もとい森のニートって感じだな」

   わけの分からない事を言いつつ、何とか平然を装う。

  「なら、お祭り行こうよ。ほら、花火大会のある」
  「あの祭りか。んまぁ……良いけど」
  「良かった、決まりね。場所は神社の入り口で良い?」
  「え、あ、う、うん」
  「あ、そうそう」
  「ん?」

   岬は思い出したように付け加える。

  「ちゃんと浴衣で来るんだぞ〜? 年に一回着れるか着れないか分からないんだから」
  「うん……」
  「じゃ、また明後日ね」
  「えっ、あ、ちょ、ちょっと、待って――」

   俺の言葉も空しく、耳にはツーツーと寂しい電子音が流れていた。
   な、何なんだ一体。
   キスの事なんて一切聞けなかったし、まるで無かったかのような口ぶりだったぞ。
   キスって実はたいした事ない出来事なのか?
   
   いやいや、そんなはずはない。

   じゃあ、やっぱりあのキスは俺の妄想だったのか。
   頭がおかしくなったのか、この暑さで。
   んーどうしたら良いんだろうか。
   と言っても祭りには行かなくちゃいけないわけだし。
   明後日、ちゃんと聞かないとダメだよな。

   でも。

   やっぱりわかんねぇよ。
   付き合ってるわけでもないのにキスしてきて、何であそこまで平然としていられるんだ。
   女の子ってそういうもんなのか。
   むしろ、俺が子供過ぎるのか。
   悩めば悩むほど、わからん。




   あーもう、どうしたら良いんだよ!




   つづく。



■作者からのメッセージ
初めに、ここまで読んでくださった方に感謝いたします^^

始めましての皆様、始めましてHARUKAと申します。
以前は遥(はるか)と名乗っておりましたが、改名いたしまして、HARUKAとなりました。
これからよろしくお願いいたします。
お久しぶりの皆様、お久しぶりです、HARUKAでございます。

以前、途中で投稿できなくなってしまったモノを再び投稿し、連載していこうと思いました。
男の子の目線で、何かこうベタベタな感じのモノが書いていきます。

余談ですが、最初に書いてある英語の歌は、Hi-STANDARDというバンドが、はじめてのチュウという曲をカバーした時の歌詞です(たまにCMで流れてます。最近ですと、ガガガSPが歌ってました)
それでは、今後とも皆様、よろしくお願いいたします。

読んでくださった皆様の時間が無駄にならなかったことを祈りつつ……。

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