月乃抄
作者: yoi   2008年05月22日(木) 21時06分10秒公開   ID:QGsO1NMPKs.
酷い一日だった。土日、毎日部活があると思うとな...。

「よーし!!あいつより先に起きて!!」

「やる気だな...。」
兄貴はドアの隙間から見ていた。

「兄貴...。顔青いぞ。どうした...?」

「いやぁ...。最近なァ。嫌な生徒が居てな...。」
そう、コイツ。兄貴は教師をやっている。しかも、小学校。

「先生はヅラですか?だってよ!最悪だろぉ...。悩んじゃうよ。。。まだ、25だよ?」

「顔はそこそこ言いのにね...。」

「あと。」

ヒョイと何かを投げつける。MD?

「それ、演劇部で使うらしいぞ。言ってた。」

兄貴は笑いながら部屋を出て行く。
あ、涙の後が...。
「だせぇ...。」
よし、これで明日の準備は...。

「あ、海斗。明日、予定表では休みだから。」

嘆き。


次の日。

よし、9時起床。いいねぇ。夜更かしってのは。
しかも、今日は何も無い!!
流来亜、部活!
飛鳥、家の手伝い!!

俺の敵は何もなーい!!

ヒャホーイ!!

ピンポーン。
迫り寄る影。

「海斗!!おきなさい!!」

騒音問題で訴えたいぐらいの、声。
そして、扉越しからわかる。悪寒。

「千秋??」

「そうよ!!早く出なさい!!」

なんだろう...ね。すごい、あけたくないなぁ...。

チェーン!!

「何よ!これ!!いい加減にしないと!」

あれ?チェーン壊れたんですけど...。

「ここのチェーンもまだまだね。
あたしとのデートすっぽかすなんて大した度胸ねー」

美女が微笑むとすごい興奮する。
けど、何故だろうね。ものっすごい震えてるよー。僕。

「えーっと、その...。」

「行くわよ!!」

またあなたがリードですか...。

「朝、映画館。昼、ショッピング。夜は...。わかってるよね?」

え?夜...?女の子でしょ!?

「ちょい待ってて!!」

俺は必死に振り切った。

「俺はあんたと恋人になった覚えも無いし!記憶も無いし!!」

「じゃあ、記憶が無いから、流来亜ら、飛鳥や...柊とかと付き合うんだ!!」
「悪いかよ!しかも、最後の柊って・・・・・。」

ポロポロ

「・・・なんで...。」

「え?」

「ひどいよ...。やっぱり...。やっぱり....。」

すごい泣いてるんですけど!!

「あ!ごめんって!!ごめん!!」

「月臣は私のこと...。」

「嫌いじゃない!!」

「好き?」

「好きだ!!」

あれ?

ポンッ

「そんな日もあるよ・・・。海斗。」

その手はのっても優しくて涙が出そうだった。
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