カミサマの唄
作者: Miki   2008年06月09日(月) 19時32分06秒公開   ID:QGsO1NMPKs.
さぁ 目覚めて

今ならきっとつかめるから、

私の唄を聞いて―・・・・


年をとることは許さない。死ぬことは許さない。

俺はこの世界で最も重い呪いを掛けられた。

まだ、14歳だった、俺にはよくわからなかった。


100年過ぎた。

本当なら114歳。でも、14歳の声、顔を持っていた

両親も死んだ、友達も死んだ。憎い奴も、俺に呪いを掛けたあいつも。

初めて、罪の重さを知った。
俺が殺した奴らの顔を思い出す。

【死にたい】

死のうとしても苦しいだけ、死と言う地点にはたどり着けない。

次第に記憶が消えていく

あの人との思い出もあの人の言葉も。

「か・・・な・・・ん。」


「実験は成功した。」

声が――聞いたことの無い声が聞こえた。

「でも、博士!!」

今度は若い声。

「煩い!なんの為に連れてきたと思ってるんだ!!」

連れてきた―――?

そう言えば、何も来ていない、それにさっきまで寝ていた。

大きな水槽に入れられてる。窒息しないように酸素ポンプまでして。

「こいつはあの呪いに掛かった生き物だ!どうなってもいいんだよ!」

生き物?呪い?

「博士!!」

女の人が博士と呼ばれる人物に急いで近寄る。

「意識が...!シオンが目覚めました!!」

シオン―――――俺の名前?

ガッシャン

何故か俺は力んで水槽を割ってしまった。

「シオン!シオン!!」

「良かった!!」

皆は俺に駆け寄った。

【触るな】

心臓の鼓動が激しくなる。

【殺してやる】

やめてくれよ....。

【消えろ】

「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

男の頭に真っ赤な火がつく。

女は口から血を吐き出した。


【やめてくれ】

【やめてくれ】

「やめてくれ!!!」

言葉を吐き出したとき。
皆死んでいて。俺はそこから抜け出した。

仲間だったのかもしれない。

でも、憶えてない。



唄が聴こえる。

あまり上手くない。

でも、あの人が歌ってた。

「華南。」

聞いたことがある男の声。

俺は・・・

俺は、天使を連れ出した。
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