月乃抄 |
作者: yoi 2008年06月14日(土) 08時13分33秒公開 ID:QGsO1NMPKs. |
部屋の家具で人の性格はわかる。 あながち、嘘ではなかった。 外見のマンションは割と普通で、 彼以外の部屋は兄貴の趣味で囲まれている。 まあ、兄貴の部屋はすごいグチャグチャしてるが 結構、面白い。結構、金には困ってないようだ。 「月臣海斗」 なんとなく、そうなんとなく部屋に入る前に深呼吸をふかーくする。 頬をベチベチとたたく。 扉を開けた。 「どうだ?」 勇人は腕を組んでドアのところによりかかって、俺を見てる。 ありふれた部屋だった。 青空をイメージさせる青い絨毯。 綺麗に教科書が並んでる、机。 家族の写真、友達と一緒に取った写真。 「月臣海斗」は目を細めていっつも笑っていた。 「海斗はなぁ。ロマンチストなんだぜー。俺の趣味とは大違いだな!! まー。どっちかつーと俺の部屋の方がかっこいいけど・・・。」 部屋と言うのはその人の性格がわかる。 実感した。これが「月臣海斗」なんだ。 だけど・・・。俺は・・・。 「海斗。気にくわなかったら移動していいぜ。」 俺の心を見透かされたように勇人は言った。 「まー、粗大ゴミはいろいろ面倒だけどなー」 次の日部屋にチリ一つ残さず捨てた。 捨てたと言っても捨てられなかった。 もしかしたら、元に戻るかもしれないから。 俺は何も無くなった部屋でゴローンと床に寝たフリをした。 そして、考えた 「月臣海斗」について。 どっちかつーとこいつは並の生活を送っている いや、中の上かもしれない。 顔も悪くないし、友達もたくさんいる。 もしかしたら...。 恋人もいるかもしれない。 じゃー、どうして自殺したんだろう。 学校でトラブル?イヤ、普通に見舞いに来てくれた。 「わっかんねー!!」 「月臣海斗」の教科書で頭を殴る。 誰なんだよ、本当に教えてくれよ。 こいつは誰なんだよ!! バコッッ 「深ーく考えちゃ駄目でしょ!!お兄ちゃん!!」 めちゃくちゃ痛い。いくらなんでもごみ箱で叩かなくっても。 「あたしねー、掃除手伝いに着たんだ!!」 「いや、もう終わってるし。お引取り...。」 「えー...。じゃあ人生ゲームしようよ!」 「それも捨てた。」 本当はあるけどね。めんどくさいじゃん...。 「・・・・ケチ。」 可愛い顔で拗ねられると動揺する。理性がぁーーー!! 「いや、でもすっごい捨てちゃったねー。すっごいこの部屋広かったっけ?」 「流来亜って幼馴染とか?女が男の部屋来るのおかしくね?」 「うーん。昔、同棲してたから!」 「ど...どどどど同棲!?」」 「うん!!あたしが兄ちゃんのお世話してねー。」 昔の俺!!辞めろ!!こんな可愛い少女に...。 「なんてね。嘘だよー。あたしがただ押し寄せただけ!!」 「嘘かよ!!」 「期待した?」 「な、なわけないだろ!!」 流来亜って..。恥じらいと言うものがないのか!! 「一緒にお風呂でも入るー??」 「いや、マジでいいです。」 よく絶えられた俺!! ペラッ 「学校いい加減来ないと退学だって知ってた??」 出したのは一枚の紙。そして、退学...。いろいろと言葉が書き綴ってる。 「明日、起こしに行くからね!!バイバイ、お兄ちゃん♪」 どうして、次から次へと...。 |
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