航空母艦飛龍 プロローグ |
作者: るる 2008年07月06日(日) 12時44分17秒公開 ID:wMOpg4oT24M |
航空母艦 飛龍 プロローグ 目の前を見ると、青い世界が広がっていて、そこにはその綺麗な青い世界とは合わない色の物体がぽつんと一つ浮かんでいた。それはとても大きく、煙をだして、浮かんでいた。 青い世界とは、海、大海原である。 『それ』とは、船である。 その船の名前は……飛龍。日本海軍の航空母艦、全長約200メートル、ミッドウェー海戦で急降下爆撃機の爆撃を受け炎上したはずの船『飛龍』がなぜここにあるのか分からない。 「おぉーい、そこの君!」 船の中から出てきた人は海軍のような整った重そうな服装で、その服装で少し走ってきたからかなり鍛えられているように見える。ガチャガチャと金属がぶつかり合うような音がして、その時、走ってきた男の胸についてある右ポケットから銃弾が一つ二つと続いて落ちた。 だんだん近づいてくる男を良く見ると、後ろにマシンガンのようなものがあり、いつでも俺を打てる状況だ。かなりやばい状況にいるようだ、俺は。 1、逃げる 2、そのまま待っている 3、男のところに行く この三つの選択が今の俺にできることだが、さてどうしようか。逃げたら逆に打たれるかもしれないな、という事で2番と3番…、どちらにしよう?別にどちらでも同じだと思っている。 俺は即効で3番を選んだ。男よりはやく走り、なるべくはやめにその男のところにつけるようにした。男と1メートルくらい間をあけ、止まった。ゆっくりと顔をあげて男の顔を見ると、少し目を開いて口を半円あけて驚いた様子だった。 「……い、いや、いきなりですまないな」 ごほんと咳払いをし、手のひらの半分くらいの大きさの名刺を俺に渡した。その名刺は白と黒以外では書いてなく、写真はあったのだが地味である。 ……太陽が雲に隠れた。 プロローグ完 |
|
■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集 |