僕等の総長=俺!? |
作者: 神田 凪 2008年08月15日(金) 15時46分05秒公開 ID:Fpk3UqE6X6I |
俺の将来の夢はいたって普通だ。 それなりの会社に入って、優しい奥さんと3人の子供に囲まれ十分な広さの家で暮らす。 そして、退職後は年金でのんびりと暮らすんだ!! だから、高校生活もそれなりに楽しければいいんだ・・・。 そうだ、今まではそううまくいってたじゃないか。 なのに!! 神様、俺が何したっていうんだーー! ○ 僕等の総長=俺!? ○ 6時半にセットした目覚まし時計に起こされ、眠い気持ちを抑えながら制服に着替える。冷蔵庫から牛乳と昨日買った菓子パンを出し遅刻するわけにはいかないので早く食べ、今日の授業の教科書を鞄に詰め込む。顔を洗い、少し跳ねた髪が気になったがまぁ女ほど整える必要もないしそのままにしておく。母親が仕事に行く前に作ってくれたであろう机の上にある弁当を持って玄関に向かう。履き慣れた少し汚れが目立つ靴に足をいれ、紐をきつめに結ぶ。 まぁ、ここまでは割と普通の誰でも経験のあるだろう朝の一コマだ。 俺はここでいったん動きを止めた。ドアの取っ手を持って大きく深呼吸。お願いします、お願います今日こそはいませんように。と、毎日の恒例の魔法の呪文。 そして、 がちゃ 「おはようございます!! 総長!!」 「「「「「「「 おはようございます 」」」」」」」 もう、泣いていいですか? もう一度言おう、俺の将来の夢は(以下略〜 俺は普通だ。ちょっと平均身長より高いがそんなのどこにでもいるし。ちょっと目が細いが(あんたそれで見えてるの?とよく聞かれるが)それもまぁこの広い世界のことだ似たような人物はどこにでもいる。 漫画でよくある過去にトラウマなんか持ってる主人公じゃないし、めっちゃ喧嘩が強いわけでもない(体育の成績なんか3だ)、クラスのムードメーカってほどでもない(それどころかあれ来てたんだって言われるほど若干空気だ) そんな俺が、こんな漫画でいじめっ子をしてそうな人相の悪い(それこそ本当に高校生か?と思うほどの奴もいる)皆さんに挨拶なんかされてるかというと・・・ それには深い深い深すぎて先が見えないほどふかーい理由があるのだ。 さて、あれはちょっと昔のことだ。 おんぎゃーー!! 「おめでとうございます。男の子ですよ」 「美奈子、よく頑張った」 「あなたそっくりね。ほら、この目が細い所なんか」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 昔に戻り過ぎた。訂正、あれは3ヶ月ほど前のことだ。 新しい学年になり落ち着いた頃、アルバイトでもするかーとコンビニにさっそく面接に向かった。 コンビニは学校の近くで、交通の面で楽だから決めた。さて、ここからが問題だ。 コンビニの前には素行の悪そうな方が数人たまってましたとさ。何やら真剣そうな顔。やばいやばいとそそくさと端のほうに寄り、中に入ろうとしました。あれ?何かいきなり敬語。まぁいいや。その日俺は運が悪かった。め○ましの占いでは一位とってラッキーパーソンはコンビニって出てたのに運が悪かった。俺はもう二度とめざ○しは見ないと誓ったね。(でも中野アナが好きなんだよな) コンビニの中から出てきた人とぶつかりそうになって、慌てて避けるとバランスが崩れた。もう、何かの陰謀かと思ったね。で、そのまま素行の悪そうな派手な頭の皆さんに向かって・・・倒れました。 その中でリーダーっぽかった人を下敷きにしてしまった。 ああ、もうこれ死んだな。って思った。 母さん、さよなら。戸尾さん・・・あ、父さんだ。とにかくさよなら。 俺、十六年の短い生涯が終わります。 「そーちょー!!」 「てめぇ、何してくれたんだ。ああ?」 「いや、本当にすいません」 「すいませんですむと思ってんのかぁ?」 「待てや」 どす黒い声がした。 下敷きにしてしまった総長らしい強面の方がのっそりと起きあがる。俺の死へのカウントダウンが始まった。どすどす、と実際には聞こえない足音が聞こえるようだ。 あ、やばい。10秒きったなこれ。 どんどん近づいてくる。 3、2、1、 ゼロ 「お前に決めたぜ」 ポン、と何やら可愛らしい音が聞こえた。音の発信源は俺の手に置かれた強面総長の手のようだ。 はて、何が起きたんだ? 「総長、今なんて」 「こいつじゃ、今ビビッと来た。俺の代わりはこいつしかおらん」 「それじゃあ・・・」 何のお話をしているのでしょうか? 代わりって何、生け贄か!? 生け贄なのか!? 「次の総長はこいつだ」 え、 強面総長さんは、留学が決まっていたそうです。しかも菓子職人になる勉強だそうです。その顔でお菓子づくりとかもはや犯罪ですよって言いたくても言えなかったです。怖いから。 あの真剣な顔は、次の総長を決めていたそうです。そんな時、俺が総長を潰した(文字通り下敷きにして)ことにより、何やら運命を感じたそうです。やめてください。運命の馬鹿野郎!!(ちなみに強面総長はめざ○しの占いの大ファンだそうです。やっぱり二度と見るか馬鹿野郎!!) それが経緯でした。ちゃんちゃん♪ じゃねーよ!! 素行の悪い派手頭の皆さんは素直な方ばかりでした。 総長が決めた御方だ。きっとすごい方に違いない、って見事な勘違いをしてくれました。 え?断れば良かったって? え、何言っちゃってるの。無理でしょー。貴方なら言えますか? 俺には無理です。強面の皆さんに逆らうと、ゲームオーバーです。例を挙げると、レベル1なのに魔王に挑むようなもんです。 「総長?」 ハッ!?トリップしてた。 げ、現実に戻ってきてしまった。そのまま逃避したかったのに。 玄関を出ると、皆さん大集合。・・・泣きたい。 「鞄持ちます!!」 「あ、いいですっ。自分で持ちますから!!」 目が鋭くて、緑の髪の強面不良1号サンが頭を下げてくる。 何これ罰ゲーム?勘弁してください。 「馬鹿野郎! きっと総長の鞄の中にはチャカが入ってるんだ。そう簡単に他人に預けるわけ無いだろうが!! 調子のんな!!」 「すいませんでした!」 チャカって何ですか。お茶の銘柄ですか。 すいません。逃避してました。あれですね。ヤクザのドラマで出てくる単語のあれですね。 「さすが総長だ。チャカをすでにお持ちとは」 「しかも、それを常に側に持ってるんですね。いつでも敵と交戦準備満タンですね」 何か夢見ちゃってるけど、持ってないですから。 持ってるのは警察の皆さんだけで十分ですから!! つーか、敵って誰ぇ!? 君たち高校生でしょ!!俺もだけど・・・もっとそれらしい会話してぇーー!! 普通がいいんだ。 皆さん、普通って言葉のすばらしさにゆっくり語り合いましょう!! とりあえず、ここまでで俺が言いたかったのは・・・ めざ○しのばかやろーーーーーー!! でも中野アナ大好き大塚さん癒される。 |
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