意地っ張り子猫シッターさん★Ver3 |
作者: なぁび 2009年05月03日(日) 14時52分11秒公開 ID:dR1CU5e8OHo |
恋。それは、ずばり俺の苦手分野。 俺は、古文よりも茄子よりも恋というものが大っ嫌いである。 嫌いって言うのか、苦手っていうのか、とにかくしたいだなんてこれっぽっちも思わない。 まず姉兄からいこう。 姉にも兄にも、恋人がいる。それは、別にどうでもいいことで。 それなりには幸せそう?だと思う。…それなりには! でも、姉にはちょっと暗い過去がある。そこは姉の意思を尊重して?黙っておいてやる。さすがにこれは可哀想だと思うから。同じ探偵やってて。 それで、たまに、っていうかほぼ毎晩と言っていいほど泣いている。彼氏いるくせに、絶対頼らないんだ、姉は。たぶん彼氏も気付いてないだろう。 でもそれは、姉の中に“大切な人には、綺麗な自分だけを知っていて欲しいから”という概念があるからで。…一言でいってしまえばただに強がりになるんだけど。 そうじゃないんだ。俺も同じ探偵やってるからなんとなくだけど、分かる気がする。確かに姉は強がりだ。だけど、たいがい殺人事件とか俺達はよく見て来てて、そういうのって、裏があったりするだろ? 弱いところを見せたら、きっと付け込まれる。 同情なんか、嫌いだ。 しかし同情というものは人を上から見ていることで、人は全て同じなのに、上から見たり、見られたり。なんか、気分悪い。 ―人を上から見ないようにどうやって同情すればいいのか分かんないからただこうしていてやる。 それが、俺に出来るせめてものこと?だと思う。慰めんのは、彼氏の役目。 人は、人を好きになる。思春期になれば、自然なこと。 ただ、好きになるのは必ずしも異性とは限らない。それを、なんだかんだと悪く言うのはどうかと思う。 偉そうに言ってる俺。でも情けないよな…。 でも、俺だっていつかはするかもしれない。 ―心の底から守りたいって思える、大切な人。 そういう人に出会えるから、きっと人って強くなんだよな。 俺も、強くなりたい。 この時点では呑気な俺も、次の瞬間、大変なことになっているとは。俺自身、予想なんてつかない事で。 ―つまりは。 出逢いって、ほんとのほんとに突然なんだった |
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