彼の声〜4〜
作者:   2009年05月06日(水) 12時30分38秒公開   ID:heA3e64V7ZQ
   
彼が私の家から出て言ってから私は彼にすぐ会いたいと思った。

一人置いて行かれたような初めての感情。

そんなことを考えつつ、月曜日の朝。



ジリリリリ―♪

ジリリリリ―♪

目覚ましの音が鳴った。

パシッ!


「んー・・・朝か・・・」
(あぁ〜今日は学校か。)

私はご飯を食べてすぐに家をでた。


「おはよ〜♪」
私の友達のしおりだ。

「おはよっ!しおり!」
私はいつものようにあいさつをして教室に向かった。

キーンコーンカーンコーン♪

一時間目のチャイムが鳴った。


私はいつものように居眠り中。


「礼!礼?!起きろー」
(礼)とは私の名前。しおりが居眠りをしている私をおこす。

「なにー・・・・?」
寝ぼけながらしおりに聞く。

「放送で呼ばれたよ〜礼の名前!きっとあんただって〜!」
しおりは慌てていたような嬉しそうな顔で言った。


「誰だろう・・・しおり見た?」


「わかんないけど、みんな彼氏って噂してたよー」


「まぁ〜いいや・・・怒鳴り散らしてやる!人の眠りを邪魔しやがってー!」


ズタズタズタズタ


「あぁ〜言っちゃった・・・。大丈夫かな〜礼・・・」


教務室の前。


「失礼しますっ!・・・・じゃなくて・・・たのもーー!」



ポカーン・・・


先生方が口をあけてこっちを見てる・・。


「・・・・・ん?私の客は?」


「・・・・・あぁー!さっきの男性か。帰ったよ・・。」


「なんで?ってか誰なんですか?」


「分からんよ・・・電話すように言っておったよ・・・・」


「あ・・はい・・じゃ。失礼しました。」
(あいつか・・・・勝田か・・)
勝田とは彼。
私は彼に電話をかけることにした。

プルルルルルルルル♪

「もしもし・・」
彼が出た。


「あ・・礼です。・・・学校に来たの〜?」


「あ、あぁ。」


「なんで?何か用があったの?」


「・・・・あ、会いたかった。」


「・・・・・わ、私も。会いたい...」
つい感情が出てしまった。


「じゃ〜土曜日に行く。いい?」


「うん!待ってる・・・・。」


そして電話はきれた。


「礼ーーーー!どうたんだよ?」
しおりが心配そうに言った。


「あ!お客さんにでんわしてた・・」
なんで私は彼氏って言うことができなかったんだろう・・・。


「ほら給食の時間だよ!もどって食べよ!」


二人で教室まで走った。
そして給食がおわって昼休みしおりと二人で話していた。



「ねぇ〜礼は彼氏いないの?」
しおりはたまにその話題をする。


「・・・・いない・・」
本当は彼氏はいるのに・・・、それが言えない。


「私も!好きな人はいるんだけど。一年年上の先輩なんだよね〜」
しおりは今までいろんな人と付き合ってる。先輩を好きになるのは初めての事。


「そうなんだ〜」
私は顔をそらしながら言った。


「でもさ〜先輩だとなんか年はなれてるから変かな〜?」
しおりが言った。


「ねぇ〜しおり。年が四年離れてるカップルって変?」
自分と彼をたとえてみた。


「あー四年は離れすぎじゃない?」


「・・・なんで?」
私はちょっとショックだった。


「なんとなく?」
しおりは予想で言った。


「そっか。私も早く彼氏見つけよう!」
私は勝田の事を忘れる決意をしようとしていた。




つづく。
■作者からのメッセージ
つづき

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