パラレル版かぐや姫
作者: 真佐人   2009年05月13日(水) 12時17分50秒公開   ID:LjOpF6jSo/I


これは、ある不思議な物語・・・ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました
お爺さんは、竹藪の中に入り、竹を持ち帰ろうとしていました



「この竹を貰うのじゃ」


お爺さんは、竹を斬りました、すると?


「きゃあ!何をしてるんですか!」


「はい?」


お爺さんはいきなり現れた女性にびっくりしました


「あんた・・・何者じゃ?」


「私は、神夜(かぐや)と申します、貴方」



「はい?」

「私のたいせ〜つな竹に何て事を・・・貴方、責任取って下さい」


「は?」

「この竹は、私の竹です、それを勝手に斬って持ち帰るなんて・・・許せません!」



「ぐ、苦しい・・・解った、責任を取る!一体どうすればいいのじゃ?」

「そうですね・・・私の物を傷つけたので、その弁償のかわりに貴方の家に住み込みます」


「はい?」

「これはもう決定しました、さあ家へ案内してください?じゃないと・・・怒りますよ?」


「う・・・解った、ついてくるのじゃ・・・」


こうして、お爺さんの家に神夜は、行く事になったのでした
家の中には、お婆さんがいました

「お爺さん・・・いつもより帰りが遅いのう・・・何かあったのじゃろうか・・・」

お婆さんは、いつもより帰りが遅いお爺さんを心配していました


「ただいまじゃ〜」


「おかえりなさい・・・って、その子は誰じゃ?」


「あっああこの子は・・・」

「始めましてお婆さん、私は神夜と申します
今日からこの部屋に一緒に住む事になったので、よろしくお願いします」


「どっどういう事じゃ?お爺さん」


「実はじゃな・・・」


お爺さんは、これまでの事を、お婆さんに話しました


「そうじゃったのか・・・お爺さんも災難じゃったな・・・」


「そのようじゃ・・・」


「そこ、災難と言わないの、ところで・・・ここって何かお店をやっているの?」


「わしらは、家具を作って売っている家具屋を経営しているのじゃ」


「そうなの・・・じゃあ私もこのお店、手伝います、それでいいでしょうか?」


「どうする・・・?婆さんや」


「そうじゃの・・・悪い子では無さそうだし、いいんじゃないかの?」


「ありがとうございます、お婆さん、早速お仕事のやり方を教えて下さいませ」


「やる気があってよろしい、さあこっちに来るのじゃ」


「はい、解りました」


「ほんとにこれで良かったのじゃろうか・・・」


お爺さんは、そう呟いていたのでした
神夜が、家具屋に住み込むようになって、一週間が経過しました

「いらっしゃいませ、家具屋にようこそ、この家具屋では
お客様に満足出来るような家具をお売り致しております」


「上出来じゃ、なかなかスジがいいの?」


「それほどでもないですよ、お婆さんの教えがいいだけですよ」

いつのまにか、神夜はお婆さんになついていたのでした


「神夜さん、これからも頑張るのじゃぞ?」


「はい、解りました」


「さて、そろそろ開店じゃ、頑張って売りまくるのじゃ」


「はい、解りました」


こうして、神夜は家具屋の売り子になったのでした
神夜が家具屋の売り子をしていると?


「・・・」

神夜の所に、一人の男がやって来ました



「いらっしゃいませ〜・・・あの、何で私を見ているんですか?」


神夜がそう聞くと


「姫!こんな所にいたのですか!」


「姫?私が?」


「私は月の国のバロンと申す者です、さあ、戻りましょうぞ、姫」


「何を言ってるんですか?私は、ここの看板娘の神夜ですよ?
貴方の国の姫とは、違うと思うのですけど・・・」


「そんな筈ないですぞ?ほら、これを見てくだされ」


バロンは、神夜に写真らしき物を見せたのでした


「あの〜これ、何ですか?」


「あ、間違えました、これはMYワイフの写真でした
本物はこっちですぞ」


「あ、確かに私にそっくりですけど・・・私
やっぱり姫とかじゃないと、思うんですけど」


「まだ言いますか、あ、もうこんな時間ですな
私は一端戻ります、今度の満月の晩、再びやって来ますので
その時に、再びやってきます、では」




「そう言われましても・・・」


神夜は、そう呟いていました


神夜は、この事をお爺さんとお婆さんに相談する事にしました



「って言う事が、あったんですけど・・・」


「そうじゃな・・・その者、なんか怪しいの」



「確かにじゃな、神夜、お前はどうしたいんじゃ?」


「私ですか?私は・・・やっぱりここで暮らすのが好きになってますし」

「そう言って貰えて嬉しいのう〜爺さんや」


「ああ、そうじゃな、神夜はワシらの娘、見たいなものじゃからな・・・」


「ありがとう、お爺さん、お婆さん」


結局、何も相談にもなりませんでしたが
日にちが過ぎていき、満月の晩となったのでした



「さあ、姫、お迎えに参りましたぞ」

「なんと言われましても、私は家具屋の看板娘ですので
行きませんので帰って下さい」


「そう言わんで下され、姫様・・・そう言われると困るですぞ」


「お前が神夜を連れて行こうと言う者じゃな?」


「神夜はわしらの娘みたいなもんじゃ、絶対連れて行かせんのじゃ!」


「お爺さん、お婆さん」


「神夜・・・?姫様、貴方の名前は神夜と申すのですか?」


「え?はい、そうですけど?」

バロンは、それを聞いてこう言いました


「すいません、間違えましたぞ、私の探している姫の名前は
貴方の名前と別の名前であった・・・これで失礼しますぞ」



「・・・結局何だったのでしょう・・・?」


「さあ、わしらにも解らん」


「でも、とりあえず良かったのじゃ、神夜がいなくならなくて」


「そう言ってくれてありがとうございます、お爺さん、お婆さん」


「さ、明日からまた家具屋を続けるのじゃ、神夜、看板娘として頑張るのじゃぞ?」


「はい、解りました」

こうして、神夜は家具屋の看板娘として、人気を集めていたのでした
そんな神夜を人々は、「家具屋の姫」と言っていたのでありましたとさ
めでたし、めでたし〜



■作者からのメッセージ
はい、真佐人です。
昔話シリーズ三作目、かぐや姫を投稿いたします。
感想下さった方、ありがとうございます。
予断ですが300以上この小説掲示板に登校されてる作品の中で私の時の旅人が回覧数1位なのが驚きですw
次、いつ投稿するかは未定ですが、また何か投稿したいと思います。

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