天然天使の奏でる旋律 恋心☆幻想曲 〜澪side〜 |
作者: なぁび 2009年05月13日(水) 19時34分56秒公開 ID:EVYjOHqknDM |
「先生、これでレポート全員です」 「おぉ、ありがとな、神崎。そこの机に置いといてくれ」 「はい」 私は こう見えても私は学級委員なので放課後はクラスの雑事。今日は理科のレポートを集めて来ました。 私は先生に言われたところに集めてきたレポートを置くと、また教室へと戻る。 「今日一緒に帰ろうね!絶対だよ!」 なんて、毎日一緒に帰ってるのに奏は毎日毎日同じことを言ってくる。 でも、断ったりできないの、なんでだろう…。我ながら不思議。 教室。戻ってみると、そこはもうもぬけの殻。 ――奏も幹も教室にいるって…さっき言ったばっかりじゃない…。 でもいないものは仕方ない。きっと奏のことだし、先に帰ったはまずない。 と、なるといるのは裏庭か屋上かしら。 そう思って私はまた歩き出す。最初に向かったのは屋上。 ――…何?なんか…。 突然した嫌な予感。屋上へと進める歩が、1歩1歩踏み出すたび重くなったような気がした。 そんな感じはしつつも、もしいなかったとか言って、私が先帰ったら奏は絶対怒るだろうし…。 そんなことを思いながら屋上のドアに手を掛けた。 「…奏?幹?…ここにい…」 私は、今、きっと開けてはならないパンドラの箱を開けてしまった ドウシテ幹ガ奏ヲ抱キシメテイルノ――……? その時初めて、奏に怒りの感情を覚えた。 ううん、神様に…時の神様に…もしも、願いがひとつだけでいいから叶うなら。 今までこの2人が、何をしていたのか、何があったのか、それが知りたい。 怒りっていう感情は、もともと人間の中にあるはずなのに。 こんなにも体の奥から湧いてくる、どろどろした嫌な感じの怒りは…初めてだった。 ――ナンデコンナニモ、胸ガ痛イノ? |
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