意地っ張り子猫シッターさん★Ver5 | |
作者: なぁび 2009年05月17日(日) 21時42分18秒公開 ID:1s42KjqybyM | |
「ちゅうもーく!ありがとうございましたー!」 「ありがとうございましたー」 週番が号令をかける。授業の終わり。 たった10分ほどの休み時間。ちゃんと次の授業の用意はするつもりだけど、後は何して過ごそうか。この貴重な10分間を。 さて。思いだしたくはないが。 あれから、あの1年は…毎日俺の目の前に現れる。 まず朝。ていうか登下校はほとんど一緒。 次に昼休み。俺がいつも飯食ってるのは屋上。どこから嗅ぎ付けたか、どこからともなくあいつは現れる。 前に、俺のことを意地っ張り子猫とか言ってる奴がいたって話をしたが…。 あいつは、例えるなら人懐こい犬。 まったく、俺の居場所も分かるって、あいつはどんな嗅覚してんだ。 それともあれか?俺に発信器でもつけたか?でも制服の首の後ろにはついてないし…?(たいがいここについてたりする) 「おい、咲島ー、ここなんだけどさー」 「んー?」 なんだかんだしてたら、クラスメイトが1人寄ってきた。さっきの授業の数学が分かんないらしいな。 …と、その時だった。 「李玖せんぱーい♪ここなんですけどー、教えてもらえませんか?」 その瞬間、俺の神経という神経が、びりっと嫌な反応を示す。なぜならこの声の主は… 「さっきの授業でやったとこなんですけど、補集号とか和集合とかってどう違うんですか?記号とかもよく分かんなくて…」 さっきのクラスメイトそっちのけで教科書を俺の机の上に広げ、質問してくる月。こいつ、頭はいい方だろうに…。 「だから補集合ってのは…」 一刻もこいつとの会話を終わらせるには、手っ取り早く教えるしかない…。 「そうなんですか!先輩、教え方上手いですね!」 「そりゃどーも。じゃあお前は…どこだっ…」 「あ!じゃあついでにこっちも教えてください!」 …どうやらこいつは…。 俺のことが大好きらしいな!! キーンコーンカーンコーン… 「おーい、授業始めるぞー」 「おい、お前、先生来たからさっさと教室もど…」 いない、と。 …なんだあいつは。 ⇒To Be Continued... |
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