黒冥館 |
作者: 真佐人 2009年05月19日(火) 16時57分43秒公開 ID:LjOpF6jSo/I |
ある場所にある古い屋敷、この屋敷に住んでいた者が次々に奇妙な死を遂げてい た・・それを解明しようとする者達がいたのであった・・・ ここは、とある学校のミステリー研究会部室、ここに数人の男女が集まっていた 「部長、今日やるのはこの屋敷の調査ですか?」 部長と呼ばれた男、初澤雅司は部員の白岩まことに一枚の写真を渡した 「そうだ、これが我々が行こうとしている建物だ、名前は黒冥館 今日行こうと思っている場所だ」 初澤は部員の皆に言う、まことの他にいたのは副部長の大原雅とマネージャーの 神宮あすみである 「部長・・・」 「何だ?雅」 「どうしてもいかなくちゃ駄目なわけ?ミステリーを探すんだったら他でもいいじゃない?」 「雅の言う事も解っている、しかし!私にはこの建物に何か隠されてると感じるのだ だからここに行こうと決めたのだ、お解りかな?雅君」 「部長・・・言い方が変ですよ?部長がそう言ってるんですから、行きましょうよ〜?雅ちゃん」 「あすみちゃん・・・何でもかんでも部長の言ってる事が正しいとは限らないわよ?」 「う・・・」 「雅さんがそう言うから、部長、ちょっと傷ついてますよ?」 まことの言うとおり、初澤は少し傷ついていた 「まっまあとにかく、これからこの黒冥館に行こうと思う 一晩泊まってみて何もおきなかったらすっぱりあきらめる、これでいいな?」 「了解、部長」 「は〜い、解りました〜」 「結局、やるのね・・・?はあ・・・」 こうして、彼らは黒冥館へと行く事になった、まだ彼らは知らなかったのである これからおこる恐怖の一夜を・・・ (黒冥館) 「さあついたぞ?」 「近くで見ると、結構大きな建物だね」 「なんか不気味な屋敷ね・・・」 「あっところで、部長?勝手に入っていいの?」 「それなら問題ない、この屋敷は今、所有者はいないのだ、何故だかわからんがな?」 「じゃあこの屋敷の中には、誰もいないって事?」 「そう言う事になる、誰かいるとしたら、それこそミステリーって事だ、さっ中に入るぞ」 「了解、部長」 こうして、四人は黒冥館の中に入った (黒冥館内部) 中に入ると、真っ暗だった 「な、何も見えない〜」 「誰もいないんだから、当たり前じゃない」 「とにかく明かりを探すぞ」 初澤は、そう言って携帯の明かりで、電気のスイッチを探す 「おっこれみたいだな」 スイッチを押して、部屋の明かりをつけた 「改めて見ると、何にも無いわね?」 「そうですね?テーブルや椅子すらありませんし?」 雅やあすみがそう呟くと、まことはこう言った 「きっとここは大広間だから家具とか一切置いてないのでは?小部屋に置いてあると思う」 「そうかもね?部長、これからどうする?」 「そうだな、とりあえず小部屋の方に行ってみよう」 「了解、部長」 四人は、とりあえず奥にある小部屋に向かった (一階、鏡の部屋) 「部屋の名前が、鏡の部屋になってたけど・・・」 「確かに鏡の部屋にふさわしいかもね?だって部屋中に鏡が置いてあるしね?」 「101号室は、鏡の部屋か・・・よし次の部屋に行くぞ」 そう言って、隣の部屋へと移動した (人形の部屋) 「ここは人形の部屋らしいわね?」 「凄いですね〜?日本産と外国産の人形、両方飾ってあります〜」 「確かにそうだな」 「ここに住んでいた前の持ち主が残していったんじゃない?なんかこういっぱいあると・・・ちょっと不気味ね?」 「そうかなあ?私は可愛いと思うんだけど?雅ちゃんはそう思ってないの?」 「少なくとも私はそう思っていないわ?部長、他の部屋覗いて見ましょう?」 「そうだな」 そう言って、人形の部屋から出ていった 隣の103号室と104号室は、普通の部屋であった 「一階の部屋はこれで全部か・・・二階にも行ってみようか?」 「でも部長?」 「何だ?雅君」 「移動している途中で階段見つけたけど、ぼろぼろで危険そうだったわよ?」 「移動しようとして、壊れたら怪我するから、上には上がらない方が良いと思うんですけど・・・」 「あすみ君の言う通りかもな・・・よし、一通り調べたし あとは泊まる場所を決めるだけだが・・・どうする?」 「どうするって・・・部長が先に決めてよ?」 「何でだ?」 「何でって・・・部長!あたしたちと一緒に寝る気だったの!?」 「ふえ、そうなんですか!?そんな事になったら私 部長の事軽蔑しますぅ〜!」 「ぐ・・・解った解った、私は103号室に泊まる、それでいいだろう?」 「ならあたしとあすみちゃんは104号室ね?それでいいわよね?」 「はい〜それでOKです〜」 「じゃあそれで決まりだな、とりあえず部屋に・・・ん?」 「どうしたの?部長?」 「何かおかしくないか?」 「そう言えば・・・あっまこと先輩がいません!」 「あっホントね!?どこ行ったのかしら?」 「まさかもうミステリーが始まってるのか?今来た道を戻ってまことを探しに行くぞ!」 そう言って、三人は戻ってまことを探す事にした (人形の部屋) 人形の部屋は、さっき電気を消したので中は暗く、人形の目だけが光ってて、不気味な感じを漂わせていた 「きゃあ!目が光ってますぅ〜!」 「落ち着いてあすみちゃん!部長、早く明かりをつけて!」 「解った!」 部長は、部屋の明かりをつける、明かりがついて現れたのは、数々の人形と 「まっまこと・・・!!」 笑顔のまま、倒れているまことの姿であった 「まっまこと先輩・・・?」 「まこと君、どうしたの・・・体の具合いでも悪いの?」 まことは、呼び掛けても返事をする事なく、倒れているままであった 「おい・・・まこと?・・・!!」 部長は、まことを触って青ざめていた 「ぶっ部長・・・?」 「どうしたの?まっまさか・・・」 「死んでるぞ・・・」 「ええ!?しょ、消防車呼ばないと!」 「落ち着いて!あすみちゃん!消防車じゃなくて救急車よ!」 「はっはいぃ!」 あすみは、携帯で救急車を呼ぼうとする、しかし 「つ、繋がりませ〜ん!」 「えっ?何でよ!?ここ圏外なの?」 「そうじゃなくて・・・電池切れてました・・・」 「・・・じゃああたしが呼ぶわ?」 雅は、自分の携帯で救急車を呼ぼうとする、だが 「何これ・・・何で119番押したのに、繋がらないのよ!?」 「そうなの?雅ちゃん」 「何故繋がらないか、私には解るぞ?」 「どうして解るのよ?部長」 「よく携帯を見て見ろ、この場所はどうやら電波障害が発生しているらしいな?圏外と出ているぞ」 確かに初澤の言う通り、携帯の画面には圏外マークがあった 「じゃあ、どうすれば良いのよ?」 「部長、こんな所さっさとでましょうよ?私、何だか怖いですぅ・・・」 「そうだな・・・とりあえず、この館から出る事にしよう、外に出て、救急車を呼ぶぞ」 「解ったわ」 三人は、人形の部屋から出て、玄関へと向かった 「な・・・開かないぞ!?」 「え!?嘘でしょ!?部長」 「本当だ!こんな時に、冗談言ってる場合じゃない、本当に開かないんだ」 その時、何処からか声が聞こえた 「逃がすものか・・・」 「!、いっ今、喋ったか・・・?」 「あたしじゃ無いわよ・・・」 「今のって・・・聞いたことないような声だったよ・・・?」 「とっとりあえずミステリーは始まってるみたいだな?早速調査を開始するぞ」 「そうしないと、ここから出られないかも知れないから、やるしか無いわね・・・」 「こっ怖いけど、やってみますぅ」 「よし、まずまことのいる部屋から、調査するぞ」 こうして、三人はこの奇妙な出来事を調査する事にした (人形の部屋) 人形の部屋に向かった三人は、まず辺りにある人形を調べてみた 「これといって普通の人形だな」 「そうね?でも普通、こんなに沢山の人形をそのまま放置するなんて、何かありそうなのよね?」 「そうだな・・・確かに何かありそうなんだが?」 「そう思うよね?あすみちゃん?」 しかし、返事が無かった、唯の屍のようだったとはいかなくて良かったが あすみは人形の部屋にいなかったのである 「おい!あすみ君はどうした?」 「知らないわよ!てっきり後ろからついてくると思って・・・まさかあすみちゃんまで!?」 「探しに行くぞ!」 二人は、人形の部屋から出ていく 「あすみ君!何処にいるんだ?」 「あすみちゃん〜!返事して〜?」 二人がそう叫けぶと、遠くから声が聞こえた 「部長〜雅ちゃん〜私はここです〜」 二人は、声が聞こえた方に移動すると、壁の中から声が聞こえた 「もしかして、壁の中にいるのか?」 「そうなんですよぅ、変なでっぱりを見つけて、押してみたら隠し通路になってて、閉じ込められたんですぅ〜」 「そうだったの、急にいなくなるから心配したじゃない」 「すいませーん」 「とりあえずあすみ君の無事は解ったな?ここのでっぱりを押せばいいんだな?」 「はい、そうですぅ」 初澤は、あすみに言われた通りに、でっぱりを押した、すると壁が動き出して、 隠し通路が出現した 「やっと会えました〜部長、ありがとうございます」 「あすみちゃん、この通路の奥、行ったの?」 「いえ、閉じ込められてから、その場所にいましたから、奥に行ってません〜」 「て、事は奥に何があるか解らないって事か・・・」 「どうする部長?」 「それは勿論、奥に行って見ようではないか、ここにいても、何も解決しないからな?」 「それはそうかもね?じゃあ行きましょう?」 「ちょっと待ってくださいよぅ?」 「何?あすみちゃん」 「この中に全員で入ると、また閉じ込められてしまいます〜」 「確かにそうかもな?」 初澤はでっぱりを押してみる、すると壁が動いて、通路が出来る、でっぱりを押し続けないと中に入ったら閉じ込められる作りになっているみたいである 「で、どうする?誰かがここに残らなくてはならないぞ?」 「そうよね・・・じゃあじゃんけんで決めましょう? その方がてっとりばやいし」 「そうだな、行くぞ、ジャンケンポン!」 初澤達は、ジャンケンをする そして、負けたのは 「私か・・・雅君とあすみ君と二人で行って来てくれ 私は、ここで待っているからな?」 「解ったわ、じゃあ行きましょう?あすみちゃん」 「はい〜解りました・・・ちょっと怖いですけど・・・頑張ります」 「なるべく早く戻って来いよ?私は、ここで待ってるからな?」 「解ったわ、何かあったら知らせるわね」 雅はそう言って、奥の部屋にと入って行く それを追うように、あすみはついて行くのであった あすみ達が行った後、初澤はあすみ達が戻って来るまで ずっとでっぱりを抑えていたのであった (あすみ達) 「この奥に何があるのかしら?あすみちゃん? 何があると思う?」 「そうですね・・・こんな屋敷に隠し通路ですから お宝か・・・それか、出口だと思うんですけど・・・」 「そうよね・・・でも何があるか解らないから、気をつける事よね」 「はい」 あすみ達はそう行って、前へと進んでいく 進んでいくうちに、外の風景が見え始めた 「もしかして、出口?」 「そうかもですw早速部長に知らせましょ?雅先輩」 「そうね」 あすみ達は、出口を見つけたので、戻る事にしたのであった 「お、戻ってきたか、何か見つけたか?」 ずっとでっぱりを抑えていた初澤は、戻って来たあすみ達にそう尋ねる 「部長、出口を見つけました、だから早くここから抜け出しましょう?」 「そうです〜こんな怖い所、一刻も早く抜け出したいです〜」 「そうだな、まことの事は・・・悲しいが、今はここを抜け出すのが先決だ よし、行くぞ!」 「了解」 三人は、隠し通路の奥へと行く事にした 隠し通路を歩いていると、目の前に誰か立っていた 「何処に行く気・・・逃がさない」 それは、さっき死んだはずだった、まことの姿であった 「ま、まこと!?お前・・・死んだ筈じゃ!?」 「まこと先輩・・・なんか様子がおかしいです〜」 「まこと君?どうしたの!?」 三人の言うとおり、まことは少しおかしかった 手に何やら包丁みたいな刃物を持っているし、目の集点が定まっていなかったからである 「この屋敷から生きては返さない・・・これは私の恨み・・・」 そう言って、まことは包丁を持って初澤達に突っ込んでいく 「きゃあ!まこと先輩!やめて下さい!」 「部長!このままじゃまことに刺されるわよ!」 「・・・」 「部長?」 「まこと〜〜〜〜!!!」 初澤はそう言って、まことの腕を掴み投げ飛ばす その反動で、手に持った包丁は壁に突き刺さる まことはその一撃で、気絶したのであった 「ふう・・・まだまだ技が甘いな、これでは私は倒せん これでも自己流武術を会得している私だからな」 「部長・・・何者?」 「さあ・・・部長は、部長だと思います・・・」 雅とあすみはそう呟いていた 「それより・・・まこと、大丈夫か?」 初澤は、まことを叩いてみる すると目を開けたのであった 「う・・・・あれ?部長、どうしたんですか?」 「も、元に戻ったか、一体お前の身に何がおきたんだ?」 「えっと・・・覚えてるのは、人形の部屋で、急に頭が痛くなって そしたら気を失って・・・気がついたらここにいたんですけど? ここ・・・何所ですか?」 「何も覚えていないのか・・・?てことは・・・ ここに悪霊がいるって事だよな?」 「そうなるわね・・・部長」 「そんな事より、ここから早く脱出しましょうよ〜」 「そうだな、皆、行くぞ!」 こうして、四人は隠し通路から黒盟館を出たのであった そして、どうなったのかと言うと (ミステリー研究会部室) 「部長、あの屋敷がテレビで言ってましたよ?」 「む?なんと言ってたんだ?」 「何でも恨みを持った少女があの屋敷に住み着いて それで何人も呪い殺していたけど、今日、お祓いの人が祓ってくれたから もう何も超常現象は起こらなくなったんだって、でも数日のうちに取り壊されるらしいです」 「そうか、でも誰も死ななくて良かったな」 「でも僕・・・操られたんですけど・・・」 「き、気にするな!さあ、次のミステリーだが 何でもこの近くに流れている川に謎の生物が住み着いていると言う噂だ 早速調査開始に行くぞ!」 こうして、再びミステリー研究会は、活動を始める事になったのであった 黒冥館であった出来事を、忘れるかのように・・・ 〜FIN〜 |
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