意地っ張り子猫シッターさん★Ver9
作者: なぁび   2009年06月08日(月) 16時15分12秒公開   ID:/dxzQ0Wmf36
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 俺が、本当に望む答え。




 それって何?なんて、そんなの、自分しか分かんないよな…。

 とにかく今言えることは落ち着かないというかなんというか…もやもや?ざわざわ?…いい気持ちではない。
 なんで?なんなの?もう、これ以上…。


 「俺を、これ以上悩ませるな…!月のバカ…っ!」


 もうなんて言われてもいいんだ。泣きたいんだ。泣きたいから、今だけ、こうやって泣いて、後はもう…。

 瑠姫じゃないけど、今だけ泣いたら、あとは強くなるから。

 俺はお前を一生許さないと思う。

 人の心の中にずかずか土足で踏み込んで来て、それで平然な顔して俺の心の中にいつまでも居座ってる。ふざけんな。
 そう、今でもそこらじゅうに…。
















 なんでこんな大切なこと、今頃気づくんだろう。
 大切な人は、失ってからじゃ遅いのに…。








 「俺…月のこと…認めたくないけど」




 認めたくないけど?…今さっき認めたばっかりだろ?またこんなところでつまらない意地張ってどうする?




 「月のことが、大好きなんだ――…」




 そんなこと、今、この場で言っても意味ない。
 だってこの場に月はいない。大切な気持ち、大切な人の前で伝えなきゃ。






 やっぱり恋なんてしなければよかった。…かもしれない。





 「…好きだ。好きだ。月のことが…っ!」

 また泣いたら意味ないだろうに。
 今泣いたって、月はいない。もし月がいたら、抱きしめてくれるかな?
 「大丈夫だよ」って優しい声で言って俺の頭撫でてくれる?
 俺が子猫に戻っちゃっても月なら、そう、月だったら…支えてくれた。何も言わず、ただ、俺のしたいことだけを黙ってしてくれた。
 そりゃあ時々?っていうか毎日のことだけど、抱きついてきたり、迫って来たり、嫌なこと上げればスペースがいくらあっても足らない。
 でも…そんなことがなくなった今、俺は誰にも甘えられなくて。






 甘えてばっかじゃいられないけど、でも…月は、いつも俺のわがままを聞いてくれたね。ごめんね、でもありがとう。





 次言う時は、月の目の前で言うから。これは、練習。告白の練習。

 たとえ、失恋してしまってもこれだけ泣いたんだ。後から胸張って自慢できる。





 
俺は、本気の恋をしてました。





 これだけは誰にも負けないから。


 これがきっと、一生で最初で最後の本気の恋。



 「俺、月のこと、大好き…っ!」



 咲島 李玖、高校2年、梅雨入り前の決意でした。






⇒To Be Continued...

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