とある会話でおきた小さな出来事
作者: 清嵐青梨   2009年06月16日(火) 01時07分35秒公開   ID:L6pfEASBmTs
「――なぁ…ユウはなんで魔術師をなった契機ってなんだ?」

「――……は?」




行き成り士郎が箸の先を口に咥えたまま何故俺が魔術師になった契機キッカケを問いただしてきた。突然のあまり非常に間抜けた声を出してしまったが、目茶苦茶知りたがっている士郎の眼差しに俺はゴホンと咳き込む。

運良く一成が生徒会の仕事で留守になっているので幸いだったものの、若し本人がその場にいたならば絶対に長い説教が来るだろう。それがなかったのは正しく不幸中の幸いと言っても良い。




「凛と同じだよ。俺も姉貴に尊敬して姉貴の上を目指したかったから魔術師になったんだよ」

「へぇー、それにしては…俺と同じ投影魔術しか使っていない気がするんだけど」
「意外に痛いところ突いてくるなお前は。宝石魔術もたまには使うよ?だけど俺は投影魔術の方が成績がトップだからしょっちゅう使っているんだよ」
「だからあんな刃渡りの長くでかい武器を投影できたんだな」
「といっても俺の想像で出来た架空のものなんだけどね」




桜を救うためにオルタに対抗する唯一の強い武器・打倒する破壊の刃デストラクション・レーヴァティン。柄が長い大鉾を想像するがまま投影したフェイクなのだと思っていたのだが、そうではなかった。

陵牙に拠ると親戚の家に似たようなものが錆びることなく保管されているというのだが、俺が投影した大鉾はかつてその親戚の流派を引き継いでいた先代が生前使っていたものだという。但し保管されているのは投影したものとは別物で、生前使っていたものは壊されてないという。

違いは鍔の色らしく、保管されている大鉾は薄緑色の鍔を持っているのだが俺が投影したものは濃い青色の鍔である。
想像した架空のものなのに実在したものだとは知らなかった。現在いまは手元にも陵牙の元にも投影した大鉾はないのだが、いずれ保管している大鉾を見せてやると彼は言っていた気がする。


でもいずれって言っていたが…一体いつになれば見せて呉れるのやら。カチャ…と箸を置いて空になった弁当箱に蓋をすると、だけど真逆あれが実在してたとは思わなかったよ、と言ったらそれはこっちの台詞だよ、と士郎が箸の先で俺を差して言い返す。




「なんで実在したものだって教えて呉れなかったのさ」
「口止めされたんだよ向こうから。だから士郎に言おうか否か迷って…」

「で、私にも一言言って呉れなかったわけ」
「そうそう………って、なんで凛が此処にいるんだよー!?」




何時の間に赤い悪魔が…もとい、凛がいたんだろうか。気配なんか全く感じられなかったぞ…当然のこと乍ら士郎も俺の後ろにいる凛を見て目を丸くしている。そりゃそうだわな。




「そうねぇ…士郎が「なんで実在したものだって教えて呉れなかったのさ」の件から。だから話の半分は知らないけど…一体何の話してたのかしら〜?」

「えっと………あー、思い出した俺進学のプリントやり残してあるんだったー。凛、話の続き聞きたいなら士郎に聞けば良いよ」




じゃっ、と手早く弁当箱を小脇に抱え脱兎の如く現場を去った。一歩遅く逃げ遅れてしまった士郎…すまん、俺の代わりに頑張れ。
■作者からのメッセージ
突発で書いたものなのでかなり雑…orz 息抜き用として書いた割には話の流れが丸で逆流しているように思える。

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