危険な香りのSweet heart☆ 〜甘い罠にご用心!〜 | |
作者: なぁび 2009年06月16日(火) 15時00分57秒公開 ID:ErIA4.LxNGM | |
みなさん。今、世間は2月14日。すなわちバレンタインです。 (え?今は梅雨だって…?分かってますけど…そこは見逃して下さい by作者) 俺、日向 陽はれっきとした男子です。と、いうわけでチョコは欲しいです…ね。特に…。 「おーいっ!陽ーっ!!」 などと考えながら学校までの道を歩いていたら後ろから声がした。 あ、きっと叶氣だ。手になんか持ってる?…もしかして俺のチョコ…だったりして。 叶氣がこっちに来るのは分かってるけど、俺はわざと気付かないふりしてまた歩き出す。すると後ろからぐいとカバンをひっぱられた。 「…わ!何すんだよ!」 「気付かない陽が悪いんでしょー?私何回も何回も呼んだんだから!」 寒さで紅潮している頬を膨らませながら叶氣は俺を見上げる。 「ごめん、ごめん、考え事してたんだよ」 「考え事って?」 「え?聞きたい?」 「…うん!」 そうだ。ちょっといじってみようか? 「…叶氣のこと、かな?」 案の定叶氣はさらに頬を赤らめ、うつむいた。素直だなー。 「バカッ!ここ通学路!誰かが聞いてたらどうすんのよ!」 叶氣はそう言って俺の首に巻いてあるマフラーを掴む。そのまま軽く絞められ、俺はつい叫んでしまった。 「こら!俺を絞め殺すつもりか!?く、くるし…」 「へっへ〜んだ!お返しだよ〜♪陽が私を無視するから…会長の言うことはちゃんと聞きなさ〜い?せっかくあげようと思ってたチョコ、やっぱりあげないことにしよっと」 ん?チョコ?…チョコ、だって!? 「待った!ていうか自分で食べるのか?そのチョコ…食べたら太るぞ〜?」 もちろん、俺は冗談で言ったつもりだった。でも、叶氣は。 「な、太る?!あんた最近、生意気なんじゃないの?!」 「え?そうだなぁ〜…反抗期なんだよ」 「じゃやっぱりいらないだ?あ〜あ、せっかく陽のために作ったのに…」 残念そうに俺にくれるはずだったチョコの包みを開ける叶氣。 …待った〜! 「や、やっぱりくださ…」 「なんてね☆」 叶氣は急に顔を近づけ――しかも唇にさっきのチョコをくわえ――俺の口元まで顔を近づけるとそれを俺の口に強引に押し込んだ。 「?!」 「だってこれ、媚薬入ってるもん☆だからこれを食べたらあなたは私のことしか考えられなくなるの…ね?陽?」 「…え?媚薬…って、惚れ薬のことだよな?」 そう言えば…これを食べてから(まだ1分も経ってないけど)なんだか叶氣がいつもより可愛く見える?ような気が。(いや、いつも可愛いけど…) 「どお?効いてきた?」 「ん?そうだなぁ〜…今はもう、数学の公式なんかより、叶氣のことしか考えられないな」 といって俺は叶氣の額に軽いキスを落とす。 可愛い。とにかく叶氣は可愛い…。それしか頭にはない。 「ちょ、陽…!ここ通学路…いくらなんでもここでそんなことしていいの?!」 「ん?だって今人はいないぜ?それに、お前だってこうされるの、嫌いじゃないだろ?」 「…う、まぁ嫌いではないけど」 それに、今日は寒い。抱きついてた方が、あったかくていいだろ。 「でも学校は…」 「んー?いいじゃん、今日くらい。1日くらいでついていけなくなったりしないし…ていうか、俺が叶氣とこうしてたいし」 後ろから抱きついているから叶氣の表情は分からないけど、きっと真っ赤なんじゃないかな? 「で、ででででも!中学までは義務教育!行かなきゃなのよ!have toなのよ!mustなのよ!」 have to, must= 〜しなければならないという意味です 「英語使わなくてもいいだろー?お前の頭の良さは俺がいちばん知ってるさ。お前のことどんだけ見てきたと思ってんだ?」 「分かった分かった!んじゃあ放課後までお預け!」 「俺は犬か?…でも叶氣が飼い主ならいいぜ?一緒にいられるしな」 「と、ととととにかーく!学校行きましょー!」 俺は叶氣の手を引き、渋々ながら学校へと向かった。 ⇒To Be Continued... |
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