ジュエルプリンセスshinig 第9話 生徒会、三角関係?
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年06月28日(日) 11時41分33秒公開   ID:TjDIyMaTPgQ
【PAGE 1/2】 [1] [2]





陽はその場で立っているしかなかった。そして、頭の中で駆け巡る疑問は…





――どうして、秀が叶氣を……?――





ただそれだけだ。もう、この言葉しか思い浮かばない。





「あ、あのー秀くん。もう離してもらってもいいかな……?」


シーンとした、夕焼けで真っ赤に染まった教室に叶氣が言った。秀は腕を離す。



ふ、ふぇーーーー!!!! な、なになに?? 秀くん、一体どうしたの?!




「帰ろう」


秀が言う。叶氣はちいさくうなずいた。



こ、こっちにくる!



陽は生徒会特別室に逃げて行った。




――生徒会特別室にて……



「ほーぅ。日向くんがそんな顔してるということは…ズバリ! 恋のお悩みかしら?


桃奈が言う。なぜ、わかるんだろうか?


「ど、どうしてわかるんだ?」


「いままで私、この学校内の女子に恋のお悩みを聞いてきたんですもの。それに、今でもひそかにこの学校の『キューピット』なーんて呼ばれてたこともあるんですもの!」


というわけらしい。ふーん、ひそかにねぇ……。


姫様プリンセスとなんかあったのでしょうか? 陽さん」


有紀も心配そうに言う。


「さあっ、私に相談するのよ! 日向くんっ!!」


 桃奈は目を輝かせて言う。女の子はこんな話が好きなんだろうか? まあ、いいや。相談しないよりはましだと思うし。


「じ、じつは…」




オレが話し終わった後、空上姉弟は言葉が出なかったらしい。


「あーそれって、三角関係って言うのよねー」


桃奈は深くうなずきながら発言する。三角?


「さ、三角関係?」


「つまり、秀くんも姫様プリンセスが好きということになりますね♪」


お、おい! 有紀、年上相手に笑顔でサラッと言うなよ。


「でも、負けていられませんわね。日向くん」


 桃奈はニヤッとする。こ、この表情をしていることは、何かもう案が思いついたのだろうか。なんだか嫌な予感というか、内心がヒヤヒヤする。


「え」


 オレと有紀は同時に桃奈の後に発言した。


「日向くんから姫様プリンセスに、本当のことを聞いたほうが早いですわね!!」


か、叶氣に本当のことを聞く? そっ、そんなこと…


「でも、恥ずかしいから聞けないということはダメですよ。 もっとちゃんと素直になるべきです!」


「ゆ、有紀まで…」


オレはもう頭が真っ白だった。


「大丈夫ですわ、フォローは私達がしますので。心配する必要はございませんよ」(一筋ではいきませんですわ……!!)←テレパシーを有紀に送っている


「そうです、ボク達を信じてください!」(そうですね、姉さん)←テレパシーを受け取ったらしい


本当に信じていいのか? そ、空上姉弟がなんか怖い。


「わ、わかったから」


「そうと決まれば、今月(6月)の11日に野外学習で2・3年合同だから、そのときに作戦を実行しましょう!」


 桃奈は明るい声で発言する。有紀も笑顔でうなずく。まあ、とりあえず相談してよかったかもな。とオレは思った。




☆   ☆   ☆





「それで、どうなってるの? 秀」


哀梨が言う。


「今度の野外学習でお近づきになると思うので。そのときになったらで」


「ふーん。期待してるわ、秀」


「――はい」







これで……いいのだろうか?






Do I lose an important person again?





                                             つづく



おまけページ キャラプロフィールパート4!


⇒To Be Continued...

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集