響き渡る旋律 03 メルト
作者: 李兎   2009年07月04日(土) 20時35分50秒公開   ID:IS6Q0TStVxc


03、メルト


生徒会室で奏は悩んでいた。

「パートが決まったけど………」

教えてくれる人がいないのだ。
自分と湊は軽音楽部に入っている為に楽器が得意だった。


悩んでいると生徒会室に勝手に入ってくる双子がいた。
流音と流依だ。

「奏、明日は家に来ない?」
「いいでしょ?」
「「後の二人も来るから」」

重要な所をハモる双子だった。

「けど、初めてだね。流音と流依の家に行くのは」
「「だって教えたくなかったから」」

そう言って流依と流音は出て行った。
奏はフッと思った。
あの双子の両親の職業は何だったかと。










「私の家よりもでかいな」
「なんだって両親があのnoiseの社長だからな」



…―――noise

バンドやシンガーソングライター等を輩出しているプロダクションだ。
今人気のメルトもそうだ。

兎に角双子の両親は凄い人なのだ。


「「入っていいよ」」

「「「お邪魔します」」」

まず案内されたのがリビングだった。

「何で家にいるのさ」
「友達呼んだんだけど」

なんだか争っていた。




「ねえ響、何で日本刀を流音と流依の家に持ってきてるの?」
「母上が持って行けと言ったのだ。兄上にあったら切れと」

奏は響の母親の怖さを知っている。

こう見えても五人は幼馴染みなのだ。
だからいつも一緒にいる。
これでもいろんな家の事情は知っている方なのだ。



「違う客もいるんだけどいい?」
「来るなって言ったんだけどね」

「別に構わん」

奏と湊は響の意見に賛成だった。
客なのだから文句なんて言えるはずがない。

「流架、なんでこいつらがいるの」
「その前に奏達に自己紹介をしてあげたら」

「お久しぶりね。奏ちゃん、湊ちゃん、響ちゃん。覚えてる?双子の姉の流架だよ!
メルトのボーカルをやっているの」

響の目線がある人物にいっていた。

「俺は伊月 咲夜って言うんだ!メルトでベースをやっているんだよ」

テンションが高い人だった。
このテンションはあの双子しかついていけないだろう。

「君達可愛いね♪私は篠原 愛華です♪メルトでギターをやってるんだよ♪」

こちらもテンションが高い。

「霧原 景都です。メルトで咲夜と一緒にベースやっています」

こちらは眼鏡をかけている。
とても大人しそうに見える。

「皐 冴季といいます。メルトでキーボードをやらせて頂いています」

大和撫子とはこんな人を言うのだろう。
とても上品だ。

そして最後となった。

「俺は赤月 雷だ。メルトでドラムをやっている」

チャラチャラしてそうな人だった。



「兄上!覚悟!」



響が雷に日本刀を向けていた。
他の者は混乱をしているようにも見える。

そんな中で奏は響が言ったことを思い出した。
兄上を切る、と言うことはあれが兄なんだろう。


「うちで暴れないでね響ちゃん」

仕方が無く響は日本刀を仕舞った。



「うちにいるんだからバンドのこと教えてよ!」
「私達もバンドを組むことにしたから」


「邪魔したのはうちらだしいいよ」

流依と流音が説明した。
誰がどのパートなのかいろいろと。




「じゃあ分かれて練習ね、ちゃんと面倒みてあげるのよ!」



こうしてメルトのメンバーと一緒に練習することになった。
■作者からのメッセージ
今回はプロフはありませぬ。

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