RETURN
作者: 真佐人   2009年07月07日(火) 02時35分29秒公開   ID:YynBrr2ofCI
それは、始まりを告げるシグナル
そんな在り来たりな物語が、今、始まろうとしていた・・・



「はあ、はあ・・・」


林の中を走っている少女が一人、名前は志奈と言う
志奈は一目散に走っている
まるで何かに追われているみたいでもある


「・・・奴が・・・・来る!」


奴とは何?とか言いたいが、彼女にとってはとっても恐ろしい存在だと言う事は、解ったのであった


「おっほっほっほ!さあ私に愛の抱擁を〜♪」


奴の正体が解った
奴の正体は、二十代は超えてる女性でもあった
名を綾香と言う、事も始まりはこうでした



「貴方、働きに来たの?」


「ええ・・・そうじゃないと暮らしていけないので・・・いけませんか・・・?」


志奈は困った風な顔をして言う
どうやらこの少女、どうやら訳ありな感じでもあった
その顔を見た綾香はこう思ったのである


(この子、よく見ると・・・・可愛いw)


どうやら綾香と言う人物は、志奈の事をひと目見て気に入ったようである


「あの・・・そんな見られても困るんですけど・・・?」


志奈は、本当に困った顔をしている


「あ、ああすいませんね・・・では、貴方に仕事を与えましょう」


綾香は、志奈に簡単な仕事を言いつけたのであった



「あの綾香様・・・」


「ん?何?」


志奈は、綾香に質問をする


「どうして、私の事をじろじろ見てるのですか?」


「それはね?貴方が可愛いからよ〜♪」


「それって答えになってないです・・・他の所、掃除しますね」


志奈は、あきれた表情をすると別の部屋に向かった



(あら〜そんなに照れちゃって・・・可愛いw)


勘違いもそこまで来ると、凄い物である


「なんか変な場所に、働きに来ちゃったかなあ・・・」


志奈はそう呟いて、とりあえず今日の仕事を片付ける事にしたのであった
その日の夜


「あの綾香様・・・」


「あら?綾香でいいわよ?」


「じゃ、じゃあ綾香・・・何で私の隣で寝ようとしてるのですか?綾香には自分の部屋があると思うのですけど?」


「え〜?だって私の部屋には、足りない物があるのよ?だからここがいいわ」


「え・・・え〜と足りない物って何ですか?」


志奈が綾香にそう聞くと、綾香はこう答えた


「そ・れ・わ・ね?貴女よ!志奈〜♪」


綾香はそう言うと志奈に抱きつく
志奈はいきなりの事でびっくりしているのであった


「ちょ、ちょっと何するのですか!綾香!」


「あら?いいじゃない?これはあくまでスキンシップなのだから?」


「こんなスキンシップは嫌です!離れて下さい!綾香は自分の部屋で寝て下さい!」


志奈は、綾香を無理矢理部屋から押し出して、扉の鍵を閉めたのであった


「ちょっと志奈・・・・あんまりじゃない・・・」


綾香は、がっくりした表情で自分の部屋へ帰って行った
そして次の日


「あの、綾香?今日はどんな仕事なのですか?」


「今日はね?昨日は掃除だったでしょ?だから今日は・・・私と一日付き合うってどう?」


「え・・・?それって・・・もしかして」


「そう・・・一日デートよ〜〜♪」


「な・・・なんで私が綾香とデートしなくちゃいけないんですか!?」


「これはもう決定なの!そう神様がそう決めるように言ったのよ?」


神様がそんな事言う筈無いのですけどね?


「それって、やらなくちゃ駄目なの・・・?」


「ええ、もちろんw断ったらもっと凄い事を♪」


「う・・・」


その言葉を聞いて想像がついた志奈は、しぶしぶデートする事を
OKしたのであった


(やっぱり私・・・ここで働く事、間違えたかも・・・)


満面の笑みで喜んでいる綾香を見ながら、志奈はそう思ったのであった
こうして一日デートが始まったのでした・・・



「さあ〜ここはどう?気に入った?志奈〜?」


綾香は、広々とした平原に志奈と二人で来ていた


「え?ええ、気持ちいいですよ?風が吹いてるし」


「良かった〜買ったかいがあったような物ね?貴女の為に買ったんだからこの土地を」


「え?あの・・・綾香、それってこの土地いくらしたの・・・?」


「この土地?そうね?たった一億ぐらいかな?」


「い、一億!?」


一億をたっただなんて・・・
さすが金持ち


「何も私の為に、買わなくても良かったんじゃないですか?
それに私は普通の公園でも結構なんですけど?」


「いいのいいの、これは私の気持ちだから♪
私は一億をこれに使うぐらい貴方の事が好きなの♪」


「そう言われましても・・・」


志奈は、どうしようか考えてる
まあ金額を聞かれたら、誰だって驚くような物だ


「さあ、早速♪」


綾香は、持参していたバックから、お弁当箱らしき物を取り出す


「あの・・・これは、何ですか・・・?」


「これはね?私が作った愛のお弁当よ〜♪さあ食べてくれない?」


綾香は、笑顔でお弁当箱を開けた


「え・・・ええ!?」


志奈は、お弁当箱の中身を見て驚いた
何故なら、中身が余りにもグロテクスで異様な雰囲気を漂わせているのであった


「さあ、食べて♪」


「え・・・遠慮します・・・一つ聞きたいんですけど?」


「何?」


「ちゃんと味見はしたんですか・・・?綾香?」


「え・・・?ああ、そういえばしてなかったわね?でも何でそんな事聞くの?」


「聞きますよ!まず自分で食べて味が良かったら私に渡して下さいよ!」


志奈は、その場から逃走したのであった


「あ・・・待ってよ〜志奈〜」


志奈がいなくなった後、綾香はお弁当の中身を食べた
そしたら一瞬で気を失い、その日はずっと寝込んでたのでした
そして今日

「やっぱりここは変な場所だわ・・・帰りますか・・・」


志奈は、こっそり逃げ出す事にしたのでした
そして現在に至るのであった


「私は、元の家に帰るから!綾香、もうお別れよ!」


「何でそんな事言うのよ!私はそんな事望んでないわ!」


「私が望んでるの〜!」


志奈は、逃げながら言っている
綾香も志奈を追いかけている
逃げ回っていると


「はあ・・・もう駄目・・・」


志奈は、走る気力が無くなり、立ち止まった



「はあ、はあ・・・やっと捕まえたわよ?志奈さあ、戻りましょうw」


「そ、そんなの嫌ああああ!」


「問答無用wえいw」


綾香の攻撃により、志奈は気を失った
綾香は、自分の屋敷に志奈を連れて帰るのであった・・・


〜2〜

志奈が、綾香の屋敷に働きに来て、一ヶ月が経過しました
さて志奈はどうなってるのかと言うと・・・


「あの・・・綾香、やっぱり私の事、じろじろ見てるのですか・・・?」


「ええ?そうよ?だって、志奈の雇い主は私、そう私よ?
貴方は私の雇われているの?だから志奈は私のなのよ〜♪」


そう言って、笑顔で志奈に抱きつこうとする
志奈は、寸前で回避したのでした


「あら・・・?」


ダッシュで抱きつこうとしたので、目の前に数十万はする壺があったのでした


「きゃああ!」


どっご〜んと凄い音がして、壺が割れたのでした


「だ、大丈夫ですか?綾香」


綾香はここで何かを思いついたらしく、目を光らせるとこう言ったのでした


「いっったい〜志奈〜」


いかにも演技っぽい口調で言い、痛そうな表情をしました
それを見た志奈は、心配そうに見つめています


(引っかかったわね♪さあ、これで・・・)


綾香は笑顔でこう言っておりました


「志奈〜、痛いから部屋に連れてってくれない〜?それと看病してくれない〜??」


「え?私がですか?どうしてですか!綾香」


「だって、志奈は私が雇っているのだから、思いどおりに動かせるのよ?」


「そうだった・・・解りましたよ・・・綾香、部屋に連れていきますね・・・」


綾香は、志奈に見えない所で小さくガッツポーズを決めていたのでした
こうして綾香は、志奈によって部屋に連れて行かれたのでした
丁度その頃、林の中を何かを探している少女がいました


「う〜ん?お姉ちゃん・・・何所だろう・・・一緒に暮らすって言う約束したのに・・・」


彼女の名前は、茜、志奈の妹です
志奈と茜は大の仲良しで、不況の為、姉の志奈が働きに行ってしまったので残った茜が家族と一緒に暮らしていたのでした

「お父さん達が、私達を置いて何所かに行っちゃったから、私にはお姉ちゃんしかいないのに・・・」


そう彼女達には、こんな理由がありました
彼女達の両親が、何所かに行ってしまったので、家の中には茜しか残ったのでした
そして、茜はたった一人のお姉さん、志奈を探してここまで来たのでした

「地域の目撃情報だと、ここら辺の屋敷にいるって行ってたけど何所だろう・・・」


茜は、林の中を歩き続けていたのでした
しばらくすると、大きいお屋敷が見え始めたのでした

「あれ・・・こんな所にお屋敷が・・・もしかして、ここにお姉ちゃんがいるのかな?」


茜がお屋敷に近づくと、中から聞き覚えのある声が聞こえてきたのでした
それは志奈の大声なのでした


「ちょっと!綾香、何してるのですかあ〜〜〜〜〜!!」


「あ、お姉ちゃんの声!ここにいたんだ!」


茜は、真っ直ぐに声のする方に向かいました
部屋の中


「あの〜綾香?なんで・・・私が綾香の世話しなきゃいけないんですか!」


綾香は、志奈にリンゴを剥いて貰っていて、綾香はベットに休んでいるのでした


「あら、看病というのは、優しく介抱するものよ?だから今日はつきっきりで看病してね?」


「何で私が綾香につきっきりで看病しなくっちゃいけないんですか!今日は、もう出て行きます、さようなら!綾香!」


「何でそんな事言うの・・・?私は、貴方の事を大切に思っているのに・・・
うっうっ・・・」



綾香の目には、涙が浮かんでいました
でも良く見ると、綾香の手には目薬らしき物が見えたりしているのですが
志奈は、気がついていませんでした


「綾香・・・私の事を大切に思ってるんですか・・・?」


「ええそうよ!、志奈は私の物〜、だから一緒に暮らしましょう〜!」


「言ってる事とやってる事が食い違っている風に見えるんですけど・・・」



志奈は、逃げたそうに言っていました
丁度その時、一人の少女が部屋にやって来たのでした


「お姉ちゃん!ここにいたんだ!、さあ帰ろう!」


それは、志奈の妹、茜でした


「あ・・・貴方は誰?ここに何の用!」


「あれ・・・茜?茜じゃない、久しぶりね〜」


「志奈?知り合いなの?」


「知り合いも何も、茜はれっきとした妹ですよ?綾香」


それを聞いた綾香、一瞬で顔つきがかわりました
それは、何かを企んでいるように見えました


「貴方!茜と言うのね?」


「え?は、はい、そうですけど・・・」


(この子も可愛いわね〜、良し!)


綾香は、再び何かを思いつきました


「貴方、私の元で働かない?」


「え?綾香!茜まで束縛するつもりですか?」


「え・・・?働くって・・・、私はお姉ちゃんを連れ戻しに来たのですけど?」


「そうだったんだ、じゃあ帰りましょうか?茜」


「うん、お姉ちゃん!」


「ちょっとそんな事、私は望んでないわ〜」


「私達が望んでいるのです!だから帰ります!」


志奈と茜は、そう言って部屋から出て行きました


「私は、まだ、諦めてないわよ・・・!」


綾香は、そう呟くと、すぐに作戦を練る事にしたのでした・・・


〜3〜

志奈達は、綾香の屋敷から逃げ出す事にしたのでした
それを快く思っていない人物がいました、それは・・・


「逃がさないわよ・・・志奈は、私の物なんだから!」


そう、そう思っているのは、綾香なのでした
綾香は、何か作戦を考えると、早速実行に移す事にしたのでした
一方その頃志奈達はというと?


「お姉ちゃん・・・どうしてあんな場所で働いてたの?」


逃げながら茜は、志奈にそんな事を聞いたのであった


「そうね・・・、あれでもお給金は良かったし、優遇も良かったし・・・でも綾香がああじゃ、逃げたくなっただけだよ・・・」


志奈は、泣きそうになりながらそう話したのでした


「お姉ちゃん・・・苦労したんだね・・・これからは、私と一緒だから安心して?
お姉ちゃん♪」


茜は、笑顔でそう言うのでした


「ありがと・・・茜、さあ家に戻りましょう」

「うん、お姉ちゃん」


志奈達は、自分達の家に戻ろうとしました
林の中を抜けて、平原を突っ切り、街に着きました


「え〜と、ここまで来たら、鉄道に乗って、隣町に家があるのね」


「そうよ、お姉ちゃん、さっさと乗りましょう」


「そうね・・・・って!」


志奈は、駅に向かおうとする茜を引き止めて、物陰に隠れたのでした


「どうしたの?お姉ちゃん?」


「あ、あれ見て?あれは・・・」


志奈は、駅の前に立っている警備員を指差してこう言いました


「いい?茜、あれは綾香の部下の兵隊達だわ・・・まさか綾香がここまで勢力を伸ばしてたとはね・・・」


「どうする?お姉ちゃん?そのまま入ったらすぐ捕まっちゃうわよ?」


「う〜ん・・・そうね・・・」


志奈は、う〜んと考えると、すぐに何かを閃きました


「そうだ!この手なら・・・茜も手伝って」


「?うん・・・解った」


志奈は、茜にも手伝えと言って、直ぐに呉服屋に向かったのでした
そして数十分後、呉服屋から出てきたのは、ばっちり男服を決めた志奈と茜なのでした


「ねえ・・・お姉ちゃん・・・男装は良い手だと思うけど、直ぐにばれると思うんだけど?」


「ふっふっふ、大丈夫だと思うわよ?だって、この格好ならすぐに鉄道に乗れるって、さあ行きましょう」


志奈は、自身あり気に言うのでした


「大丈夫かなあ・・・」


茜は、不安そうな顔をしながら、志奈の後をついて行く事したのでした
こうして、志奈達は、鉄道に乗る事にしたのでした
ちなみに乗る列車の名前は、「綾鉄号」と言うらしいです
志奈達は、上手く警備員を騙して、列車に乗る事に成功したのでした


「ね?大丈夫だったでしょ?」


「そうね〜、お姉ちゃん頭いい♪」


志奈達は、無事に乗れた事を喜んだのでした
そして列車は、発車時刻になって、発車したのでした


「これで綾香からもうお別れね・・・なんか寂しい感じもするかなあ・・・」


「お姉ちゃん?」


「ううん?何でもないわ、さあ後は、一駅乗って帰りましょう」


「うん」


列車は、ガタンゴトンとのどかに走っています
走行中、アナウンスが流れたのでした


「綾鉄道をご利用頂きましてありがとうですのよ〜お〜っほっほっほ」


それは、志奈達にとって、聞いた事のある声なのでした


「お姉ちゃん・・・何かアナウンスが変なんですけど・・・」


「確かにね・・・なんか聞き覚えのある声のような・・・」


志奈達は、何か嫌な予感がするのでした
そしてその嫌な予感は、的中したのでした


「ちなみにこの列車は、止まる筈の駅には止まりません、直行です」


「え?」


志奈は、それを聞いて急いで窓の外を見ました
外の景色は、たった今、降りようとしていた駅を通り過ぎる所なのでした
しかも周りを見てみると、志奈達以外の乗客が一人もいないのでした


「ま、まさか・・・」


「お姉ちゃん・・・」


そして、又、アナウンスが流れたのでした


「え〜この列車は、私の家に止まります
ちなみに私はこの列車のオーナーでもある綾香と申す者よ〜」


「や、やっぱり綾香!」


志奈は、それを聞いてがっかりしていたのでした


「ちなみにこの列車に乗っている志奈?、男装しても私の目は誤魔化せなかったのよ〜だから戻ってきてね〜私は、待ってるから〜じゃあw」


そう言って、綾香のアナウンスは切れたのでした


「お姉ちゃん・・・やっぱり男装・・・ばれてたんじゃん・・・」


こうして志奈達は、綾香の屋敷に戻る事になったのでした


〜最終章〜

RETURN・・・・それは、繰り返す物語・・・そうこの物語には終わりが無い・・・だが・・・、それを早く終わらせたい者が、ここに・・・



「はあ〜・・・」


ここは、綾香のお屋敷の中、結局、脱出に失敗した志奈は、仕事をしながら
ため息をついていたのでした


「どうしたの?お姉ちゃん」


隣には、志奈と同じような服装をした茜が、志奈のお手伝いをしていたのでした



「うん?ちょっとね・・・ここから逃げようかと思うのよ・・・」



「確かに・・・ここって、仕事が無ければかなり優雅な設備だけど、オーナーがああじゃ私達の身の危険を感じるもんね・・・」


オーナーつまり、綾香の事である


「そうなのよ・・・だからここから抜け出す方法を考えてるの
いくつかプランは、上がったけどどれも成功するか解らないようなものよ・・・」


志奈は、茜にこのお屋敷からの脱出方法をいろいろ言っている
しかし、成功するかどうかは、解らないようだった

「お姉ちゃん・・・だったら、試して見て成功したら、家に帰りましょ?」



「そうね・・・まず相談するより実行する方が良いわね、手伝ってくれるよね?茜」



「うん、お姉ちゃん」



こうして、志奈と茜は、作戦を練って、作戦名「綾香の屋敷から大脱出」を計画したのでした
そして、今夜、実行に移すと茜と約束して、仕事に励んでいたのでした
一方その頃


「う〜ん、今日も可愛いわね〜志奈〜w」


ここは、綾香の部屋、部屋中に志奈の写真が張り巡らせてあり、それに向かって
綾香は、何か言ってるのでした



「今日は、志奈とどんな事しようかな〜?」


綾香は、何かの妄想を浮かべながら、笑顔になってるのでした



「さって、今日は志奈の部屋に遊びに行くって事に決定しましょう」



綾香は、早速行動に移すのでした
そして時間が過ぎて、夜になりました
辺りは、薄暗くなり雨が降り始めたのでした



「さあ、茜?約束の時間になったわ?早速行動しましょう?」

「うん、お姉ちゃん、行こう」


志奈と茜は、逃げる準備をして、窓から脱出しようとしたその時
綾香が扉をバンッと!開けたのでした

「さあ〜志奈〜一緒に寝ましょうよ〜って、志奈!何やってるの!?」


綾香が見た光景は、志奈と茜が窓から逃げようとした所だったのでした



「あ、見つかっちゃったわよ!さあ茜!急いで!」


「うん、お姉ちゃん」


茜は、急いで窓から抜け出し、駆け出したのでした
後で落ち会うと約束して、志奈も逃げようとしたのでした、しかし・・・


「ちょっと志奈、何所に行くの!」


綾香は、志奈の足を掴んで引き止めたのでした


「ちょっと綾香!離して!私はここから脱出して家に帰るの!」


「そうはさせないわよ!志奈は私の物なんですからね?だから私と一緒にいなさいわよ!」


「それが嫌だから逃げ出すの!どうして解ってくれないの?綾香!」


「どうして!?そんなに私といるのが嫌?」


「う・・・・そんなに嫌では無いけど・・・束縛されるのが嫌なんです!」


志奈は、綾香を引き剥がして、窓から脱出したのでした
それを見た綾香は、すぐこう言ったのでした



「逃がさないわよ・・・?志奈・・・茜、貴方達は私の物なんだから!」


綾香は、すぐに無線機がある所に行って、連絡をするのでした


「私の志奈と茜が脱走したわ!急いで捕まえて!私も捕まえたら現場に急行するわ!」


無線機から、イエッサーの声が聞こえて、無線が切れたのでした
無線が切れた後、綾香は急いで志奈達の事を探すのでした
林の中
志奈は、待ち合わせの駅に向かっていた


「はあ・・・はあ・・・もっと早く移動しないと、綾香がやって来ちゃうわ・・・」


志奈は全速力で走っている、しかし雨が降っているので、ほんとど視界が見えず
どの方向に向かってるのか、検討がつかないのでした


「う〜ん、困ったわ・・・早く移動しないと綾香に見つかるし、でもこの
雨じゃ視界も悪くて、思うように前に進めないわね・・・」



志奈は、走りながら空を見て、明るい方へと走っているのでした
走っていると、綾香が派遣した部隊に遭遇してしまったのでした
その中心にいるのが、綾香なのでした


「見つけたわよ?志奈!さあ一緒に戻りましょう!」


「あ、見つかっちゃった・・・でも綾香!その頼みは聞けないわ!さようなら!」


志奈は、全速力で逃げ出した、それを見た綾香は


「あ、待って志奈!皆の者!追いかけるわよ!」


綾香は部隊に指示した後、全速力で志奈の事を追いかけるのでした

志奈は、何とか駅に到着しました
その時刻は、うっすらと暗くなっていて街灯が駅を明るく照らしているのでした


「あ、お姉ちゃん!無事だった?」


駅で待っていたのは、手に切符を持っている茜でした


「うん・・・何とか大丈夫だったけど、もうすぐ綾香がやって来るわ!
それが鉄道のチケットね?」


「うん、そうだよ」


「じゃあ、早速乗り込みましょう?ぐずぐずしていられないわ!早速行動開始よ!茜」


「解ったお姉ちゃん!」


志奈と茜は、急いで鉄道に乗り始めたのでした
それからしばらくして、綾香がやって来たのでした


「あ、志奈と茜、何所行く気なの!」


綾香は、鉄道に乗り込もうとした時、丁度扉が閉まって
発車したのでした


「何所って自分の家に帰るんです!だからこれでさようなら綾香!」


「さようなら、綾香さん、お元気で〜」


汽車は、凄いスピードで走ったのでした


「逃げられたわ・・・でも、私は諦めないわよ!」


こうして、駅に残った綾香は、また何か作戦を考えているのでした・・・



その後
どうなったのかと言うと
綾香は、自家製の飛行機械で志奈と茜のいる家に押しかけたのでした
やって来た綾香に志奈と茜は、帰って下さいと言ったけど、聞いて貰えず
結局綾香は、志奈の家に居候になってしまったのでした


「はあ・・・何でこんな事になっちゃったんだろ・・・」


「何か言った?志奈?」


「いや、別に・・・って綾香!何してるんですか!」


「え?何って、それはね〜この部屋を綺麗にして後、私のベットも置くのよ〜」


「何、私の部屋にベットを置こうとしてるんですかあ〜〜〜!!」


RETURN・・・それは、終わりの無い物語・・・


           終





■作者からのメッセージ
真佐人です。久しぶりに来ましたという感じですね、大体一週間ぶりぐらいかな?
今回は連載物ではなく、短編の長編RETURNという物語を投稿いたします。
いや〜長編書くの久しぶりかもです、内容はかなり百合?物ですね、よろしければ見てみてくださいませ〜

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