これCry Lovers 第4楽章 夏祭りでsing a song
作者: なぁび   2009年08月02日(日) 16時49分34秒公開   ID:sw0xlSukK4E
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 咲島家、午後6時12分。


 「それにしても遅いじゃないの」

 時計とにらめっこしながら、咲島母が呟いた。
 他にも、咲島家にいる人がリビングに勢ぞろいしている。

 先程から、何をしているかと言えば咲島家ではとある人をただひたすらに待っていた。

 しばらくして、玄関の開く音が聞こえる。

 「…あ、来たんじゃない?」

 瑠姫がそう言うと、全員がドアの方に注目した。ちくたくちくたくと小刻みなリズムが部屋に響く。そして。

 「…た、ただいまだよ子供たち、そしてmy・wife(妻)よ…」

 きいぃ…と小さな隙間を開けて、顔をのぞかせたのは、咲島 千里。四つ子の父だ。

 「遅いじゃないの、今何時だと思ってるの? 6時17分よ? 約束は6時、17分も過ぎてるじゃない!」
 「は、はは、それはだね、ちょっと道が混んでいて…」
 「今はゴールデンウィークでもなんでもないのに、混んでたですって?」

 間髪を入れず、詰め寄る母。それを子供たちは何も言わず見守る。

 「人とか車とか…ほ、本当なんだって!」
 「お父さんの言うこと、本当だと思うよ。だって今日、夏祭りじゃん」

 さすがに耐えかねなくなったのか瑠姫がフォローを入れた。

 「だからさ、お父さん帰って来たんだから行っていい?  お父さんもそのために帰って来たんでしょ」
 「そうだ。僕は祭りに行きたくて…それと、瑠姫やハルや李玖やひー(緋月)に会いたくて…」
 「あれ、私にはどうなの?」
 「……も、ちろん会いたかったですよ」

 いわゆるカカア天下。もう慣れっこだ。

 「じゃあ早速行っていい? 一応梗樺とか渚とか待ってるし」
 「俺も早く行きたい。かき氷食いたい」
 「僕もキリちゃん行くって言ってたから行く!」
 「俺も〜。いろいろ食べたい〜」

 四つ子は行く気満々だ。

 「そうだね! 僕もそれがいちばんの目的なわけだし、さぁみんな行こうか!」

 千里はさっさと四つ子を玄関まで導く。妻から逃れられるのなら何でもするだろう、この父は。

 「逃げたな、あの人…」

 その後ろで悔しそうにドアを見つめる、母。

 (さて、俺は部屋に…)
 「あーそうだそうだ♪あの人だけだと頼りないから修ちゃん! 貴方も行ってくれる?」

 こちらも負けてはいない。









⇒To Be Continued...

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