フェアリーテイル 第9話 庭に立っている女の子 |
作者: モモ 2009年09月26日(土) 21時01分17秒公開 ID:.YGsdf.9cjE |
「今日はカラオケに行って出来なかった分と、今週中にやらなきゃいけないポスターを書く仕事をします」 香織はいつもいじょうに厳しい顔で話している。 「仕事多すぎー」 「文句言わないの。遥がカラオケ行こうって言ったんだから。」 「だって今日金曜だよ?今週中なんてムリー!」 遥は香織に向かって文句をつける。 「はるちゃん、がんばってやろう!がんばれば今日中に終わるかもしれないよ?」 「うん…。唯ちゃんが頑張るなら私もがんばる。」 「よしっ!一緒にやろう!」 なにピリピリしてるのかしら。遥ちゃんたちは悪くないのに…。 やっぱり優ちゃんのことが気になるんだわ。 みんなに知られないようにしなきゃ。 それは数日前のこと。 プルルルルル… (あら、電話かしら) 香織が携帯を確認すると夕からのメール。 ―Re:今日の朝 黒い衣装に身を包んだ男の子に連れ去られたの。 安心して、特に何もされてないよ。 連れ去られた場所はよくわからないんだけど、たぶん黒百合学園だと思う。 GGのみんなには教えないでね。 あと、今私はどうやら倉庫にいれられてるみたいで、 外から生徒の話し声が聞こえてきて、「学園長の娘さん、またヤバイらしいよー」とか言ってたの。 優ちゃんになにかあったのかな? 香織ちゃん、こっちに救出はこなくていいから、そっちで出来る限りの情報を集めてみて。 私は私で頑張ってみる。 o(0▽≦o)ゆう(o≧▽0)o (夕ちゃん大丈夫かしら…。) 「そいえば最近、夕ちゃん来てないねー」 「そうだね。香織ちゃん何か知ってる?」 ギクッ 「ななななな何にも知らないわ。」 「なんか香織ちゃんアヤシイよ!」 「そそそんなことないわ。さ、さぁ、早く仕事しないと明日遥ちゃんだけ呼び出すわよっ!」 「はぁーい。」 (私も落ち着かなきゃ…。) その頃の夕。 (あれ…、ここ、どこだっけ……) 「あぁ、そうだ、黒百合学園だっけ。」 夕は昨日から疲れてずっと倉庫で寝ていた。 「そろそろ情報集めなきゃ」 夕はそっと外の様子をのぞいてみる。 (夕方か…。よしっ、そとに出てみよう!) 周りに注意しながら、夕は外に出た。 「ここはどこだろう…」 だれもいなくて、ベットと机しか置いていない殺風景な部屋に入る。 窓の近くによると、窓から続いている庭に女の子が立っていた。 夕がそっと近づくと、女の子は夕の気配に気がついた。 「だれですの…」 振り向いた女の子は、どこか懐かしく、そして大人っぽい子。 そして、こう言った。 「もしかしてあなたは夕さんですか…?」 |
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