木漏れ日の神話=少女への興味=6
作者: 月詠   2009年10月11日(日) 23時07分27秒公開   ID:ov6RKaAr3rc


鴉「父上。」



―何だ?―


鴉「一度この国を出てカナリアへ見物に行く許可を下さい。」



―なぜだ?―



鴉「・・・カナリアがどのような対処を行っているか見るためです。」



―そうか・・・よかろう、好きにするが良い―




鴉「ありがとうございます。・・・あぁ、後父上、お願いが・・・。」




―・・・?―




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雀「わーい!外出許可が出たよ〜!」



燕「海や!海に真っ先に行くでぇ!」



鷹「久々の休暇だあ!!」



雉「・・・・・・。」









鴉「貴様等!あくまで俺の付き添いとしてだぞ!」



燕「鴉様、見直してもうたわ!」



雀「僕らのために頼んでくれたんだね!」



雀と燕の子供のような視線に押しつぶされそうになる鴉



鴉「とにかく用意しろ!5分後には出発するぞ!」




雀・燕・鷹「はーい!」



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鴉「ここが今のカナリア・・・。」



戦争前と変わらず綺麗なままだった


鴉「戦争の用意はしないのか・・・?」




鴉は歩いた




「沙羅!」



鴉「!」


鴉のいる場所から200mくらい先の場所に二人の少女がいた



鴉(戦争中だってのにノンキだな・・・。)














「柳さん、今日は柳さんの世界の遊び方を教えてください。」



「いいよ!こうやってね〜。」







鴉(あいつの世界・・・・?)








「こうして、こうして、こうやるの!」



少女は笹で笹舟を器用に作った



「わぁ!すごいです!」







鴉(草が船になった!?)







「でね、川に乗せると・・・。」


「浮きました!」





鴉(浮いた!)









「てか、あんた誰?」



鴉は気づかれてしまった



鴉「俺は通りすがりの者だが?」



鴉が相手国だと気づかれてはならない



「ふぅん。」


柳は冷たい目で鴉を見下ろす



鴉「なんだ。」



「何でも。」



鴉(いらっ!)




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「あ!ごめんなさい、柳さん!私、もう城に戻らなきゃ・・・!」


「いいよ。私はもう少し種をここに植えてから行くから。」


「ごめんなさい!失礼します!」



沙羅は行ってしまう



鴉「あいつって城の権力者か?」



「あなたまだいたんですか?」


鴉「悪いか?」



「悪いです。」


鴉「・・・・・。」



「沙羅のことを知らないってことは・・・あなた、どこの人ですか?」



鴉「(ぎくっ!)どこでもいいだろ!」



「ははーん。もしかしてスパイ?」



鴉「そんな姑息な手を俺が使うかぁ!」



「ふぅん・・・。沙羅はね、この国のお姫様なの。」



鴉「姫?貴様はなぜ、そのような地位の者を呼び捨てなのだ?」



「友達だから。」





鴉「・・・貴様もこの国の住人ではないのか?」



「そうよ。」



鴉「さっき、あの姫と自分の世界の話をしていたな。異世界人か?」













「うん。」




鴉「戦争が起きたのは知っているのか?」


「知ってるよ。」





鴉「ならばなぜ逃げない?」


「逃げる理由もないし、沙羅と一緒にいたいし。」




鴉「そこまで人のことを思う気持ちがわからんな。」


「あんた友達いる?」

鴉「余計なお世話だ!」










「私は沙羅が友達だからここに一緒にいる。」




鴉「・・・頭がおかしいのか?お前。」

「・・・・。」



鴉「もし戦争に巻き込まれてお前が死ぬことになっても共にいるのか!?」



















































































「・・・うん。」





















































鴉「・・・どうかしている。」



「友達を作ってみればわかるよ。」



鴉「友達など必要ない。」


「だったら私の気持ちなんて一生わかんないね〜・・・。」






鴉「・・・少し貴様に興味が湧いた。」


「気持ち悪・・・。女の子に嫌われるよ。」




鴉「興味だ。あっちの方じゃない。」



「何を言っているんだ、何を。」





鴉「とにかく、俺の名前は鴉。以後よろしく。」



「柳。もう会えないだろうけどよろしく。」





鴉はくるっと柳に背を向けた

































鴉(まさかあんな一介の少女に興味を抱くとはな・・・。)







■作者からのメッセージ
〜キャラクター紹介〜

少女らしい外見の美少年。鴉の側近の一人。毒の魔法のスペシャリスト。

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