ハードな学園生活!2! |
作者: アルミ缶 2009年10月22日(木) 20時39分12秒公開 ID:ov6RKaAr3rc |
「記念一週間!」 歩は机で背伸びした 「おはよ。歩っ。」 声をかけてくれたのは小雪 入学して一週間が経った 最初の一週間は何かと準備とかで忙しいけど やっとそれから開放される 「ねぇ歩。この学園で有名な桜、見に行かない?」 「桜?」 「うん。あっちの庭に綺麗な桜があるんだって。」 「へぇ〜。お昼休みいかない?」 「いいよ。」 つまらない授業 その数々の試練を乗り越えて 歩たちはお昼休みにたどり着いた(?) 「歩、行こ?」 「うん!」 お弁当を持って歩たちは桜の庭へ向かった 〜桜の庭〜 「うわぁ、綺麗・・・。」 小雪が見とれている ちなみに歩は花にまったく興味なし 「ねぇお弁当食べようよ〜。」 「もうちょっとぉ・・・。」 (見とれすぎだろ・・・。) ガサッ・・・ その辺の草むらで異様な音がした 「ねぇ小雪。あの草むらからガサガサって・・・。」 「えっ!?蛇じゃないの・・・?」 「蛇ぃ?」 歩はその辺にあった木の棒で草むらをちょろまかす にゃぁ!! 歩の顔に猫がへばりついた 歩は倒れる 「わぁ可愛い!猫だったんだぁ!」 「その前に助けて!」 〜10分後〜 「どこの猫だろう・・・?」 小雪は猫に感動しながら呟く 「どーせどっかの野良猫でしょ?」 「そうなのかなぁ・・・?」 そんなことを話していると・・・ 「サクラァー!どこやー!」 先輩らしき男がここにやってきた 「なぁ君等、猫知らな・・・・って、サクラァー!!」 小雪の腕にいた猫は男の胸に飛び込む 「やぁ・・・なんかすまなかったなぁ。僕は塔也(とうや)。一応先輩やな?」 「その猫、塔也先輩のですか?」 小雪が猫を指差す 「まぁ、そうやな。サクラって言うんよ。」 「由来はこの桜ですか?」 「ちゃうちゃう。僕の初恋の人の名前。かわええで〜。」 歩は微妙な顔でそれを塔也を見つめる 「・・・先輩の初恋の人ってこの高校にいるんですか?」 一応敬語で歩は聞いた 「うん。」 「わぁ!それってロマンチックですね〜。まだ好きなんですか?」 「うん・・・まぁ・・。」 少ししどろもどろになった 「もう彼氏いるけどね・・・。」 「まだ引きずってるんですか?」 「わっ!歩、それはひどいって・・・。」 「まぁ、そうやね。僕らぁ、中学のときは付き合っとたんやで。」 「えぇ!?」 小雪がものすごいびっくりした 「何で別れちゃったんですかぁ!?」 「小雪、それも聞きすぎだと思うけど・・・。」 「・・・・・・環境かな?」 そう言った塔也の顔は少し寂しげだった 「環境が人を変えるんや。」 「傷つかないんですか?」 「傷つくよ。・・・でも仕方ないんよ・・・。」 〜数日後〜 塔也は放課後帰り道を歩いていた そして見えるのは・・・ 「ねぇねぇ桜ちゃん、今日もゲーセン寄っていこうよ〜?」 「え、えぇ。」 軽そうな男と初恋の人 仕方のないことだった 当時 塔也はあまりいい評判がなかった しかし塔也と付き合っていた桜はその塔也の良さをわかっていた そして待っていたのは・・・ 「桜ちゃん、俺と付き合ってくんねぇ?」 「・・・うん。」 塔也という彼氏がいたのはみんなには内緒だった だから・・・・ 「まだあの男に付きまとわれてんの?」 「え?」 「だっていつも見てくんじゃん。あの塔也って奴。」 「・・・うん。」 桜はただの返事しかできない 「待ってて。俺ちょっとトイレ行ってくる。」 桜の彼氏は公衆トイレに入った そのとたんに塔也は桜に近づく そして・・・ パシィ!! 桜の頬を塔也は叩いた 「いたっ・・・・。」 「・・・どう捨てられても、お前が好きな自分が悔しいんじゃ。」 塔也はボロボロ涙を流していた 「どんなに罵られても・・・お前を好きなんて・・・自分・・・。」 タッ! 「とことんマヌケやんかぁあ!!!」 塔也は走り出した 桜はそれを追いかける 塔也は一気に道路を横断する 「待って!塔也くん!待って!お願い!!」 前方からバイクが来ていることに桜は気づかない 「来るなぁあ!!!」 ガンッ・・・!!! 「ねぇ・・・塔也くん・・・・。」 桜は血まみれの塔也の手を握る 「死んだら・・・許さへんよ・・・・・?」 ―うち、まだ・・・なぁんにも言うてない・・・・― 〜そのまた数日後〜 「ねぇ見て見て、歩!」 小雪があの桜の庭で草むらを指差す 猫が泥まみれで死んでいた 「・・・塔也先輩は・・・?」 〜帰りのホームルーム〜 お手紙がわたされた それはこの学園で死亡者が出たという知らせだった 名前は 望月 塔也 小雪の顔は青ざめていた 歩もその後は何も言わなかった 〜放課後〜 「桜先輩。」 歩は一人で桜に会った 「何?」 「塔也先輩がお亡くなりになられたの、どう思います?」 「塔也くんと仲良かったの?」 「普通です。でも桜先輩のことは聞いてます。」 「・・・けっこう、つらいわ。私ね、あの彼氏と別れたのよ。あのとき何で塔也くんを選ばなかったのか今ではすごい不思議なの。あのときの自分がこんなに弱いとは思わなかった・・・。塔也くんの方がよほど強かったわ・・・。この大切な物を失う気持ち・・・後輩の君には難しいでしょうね。」 「いいえ・・・。」 ―歩、本を読んであげようか?― 「わかるよ・・・先輩の気持ち・・・。」 |
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