舞波学園活動記16
作者: レイド   2009年10月24日(土) 22時30分10秒公開   ID:YynBrr2ofCI
季節は、十二月
あと数日でクリスマスとなる日
雄一は、自由部部室にいました
〜舞波学園活動記第十六回〜雄一のクリスマスデイ〜


「もうすぐクリスマスね?」


「もうそんな季節になったんだな・・・」


「ん?ユウ、クリスマスに何かあったの?」


「ん?あ、ああ・・・ちょっとな」


「気になるわね?とっとと教えなさい!」


「話さなくちゃ駄目か・・・?」


「当たり前よ?気になるじゃない?」


雄一は、はあーとため息ついたあと
こう言いました


「実は、あの頃・・・」

雄一は語りだしました


(過去の話)


中学の頃の十二月に彼女と会った
それは突然の出会いだと今でも思う


「よ、雄一?」


「何だよ?」


「聞いたか?」

「だからなんだよ?」


「このクラスに転校生がやって来るらしいぞ?し・か・もかなりの美人と言う噂だぜ」


「お前嬉しそうだな・・・?」


「当たり前だ!転校生が美少女だぞ?これは、口説くしかあるまい!」


「何で、お前はそう熱血なんだ・・・?」


「はあ・・・どんな子かなあ?すっごい美少女だと嬉しいなあ〜」


そしてチャイムがなり、皆、席に着く
先生がやって来て、挨拶した後、転校生を紹介すると言って
一人の女生徒がやって来た


「山本真希です、よろしくね」


それが真希との初めての出会いだった
その姿は、なんか同級生とは思えず、年上に見えた


「隣になったね?よろしくね?え〜と」


「はいはいはい!俺の名は、三坂誠二っす、俺の事は、誠二とでも呼んでいいっす」


いきなり誠二の奴が、後ろから自己紹介しやがった
ほら見ろ、彼女、ちょっとぎこちない笑顔を浮べているぞ


「あ、え〜と・・・誠二と言うわね・・・私は真希と呼んでいいよ?・・・で、君の名前は?」


「あ・・・俺の名は・・・」


「真希の姉御?こいつの名は、有坂雄一、ただの平凡な奴ですぜ、趣味とか特技とか何も無い普通の奴でっせ〜」


いきなり誠二がそういいやがった
しかもいきなり姉御とか呼んでるし


「おい、んなこと勝手に言うな!え〜と俺も真希さんって呼んでいいかな?」


「真希でいいよ?私も、雄一って呼ぶ事にするね?これからよろしくね?雄一」


「よろしくっす!真希の姉御」


「だからお前が先に言うなって」


「あはは・・・姉御なんだ・・・でも、そう言われるのも新鮮で面白いかも・・・」


こうして、俺と真希とついでに誠二が仲良く?なった瞬間だった
それから俺と真希と誠二は、一緒にいる事が多くなった
一緒に町のイベントにいったり、他校の生徒に喧嘩売られた時に一緒に戦ったり
真希は何か武道とかやってたらしく、結構強かった
そしてクリスマスの一週間前


「ねえ雄一?」


「何だ?」


「一週間後ってクリスマスだね?雄一は何か予定あるの?」


「予定か・・・」


俺はクリスマスの予定を思い出してみた
たしか去年は、誠二の奴が


「雄一?クリスマスと言えば女子と仲良くなる日だぜ?だから一緒にナンパしようぜ〜」


と言って、朝早くから無理矢理起こされたあげく収穫はゼロ
今年もやると思うと憂鬱になる感じだった


「去年と同じになるのはやだな」


「去年って?何やったの?」


「誠二と一緒に女子に声かけまくっていたかな、やるんじゃなかった・・・と後悔してるけど」


「じゃあ今年は何も予定が無いってこと?」


「まあ、そうなるかな」


「じゃあさ・・・今年のクリスマス、一緒にすごさない?」


「え?」

俺はそれを聞いて本当に驚いた
もしかして俺のことを好きなのかと思ってしまったからだ


「もしかして、用事とかある?」


「いや!全然ない!もちOK!」


「良かった、じゃあ色々と遊びたいからクリスマスイブの日舞波駅で待ち合わせね?」


「う、うん」


「じゃあ約束ね?」


こうしてクリスマスイブの約束を取り付ける事になった
もしかしてこれってデートというのか?と俺は思っていた
そう考えてると、誠二が話しかけてきた


「なあ雄一?」


「何だ?」


「さっき姉御と何を話していたんだよ?」


「何でもない」


「嘘つけ!何か話していただろ?親友の俺にも話せない事なのか〜?」


「話せないな」


「うわ素で言いやがった・・・まあいいけどそれより雄一」


「何だ?」


「今年のクリスマス、用事ないよな?いやお前に用事なんかあってたまるか
ましては女の子がらみのな?」


「何で決めつけるんだ!じゃあ俺が女の子と用事あったらどうなんだ?」


「マジで呪ってやるぞ?俺より先に幸せになった罰としてな?」


「おいおい・・・」


「で、予定ないんだろ?」


俺は、どう答えるか迷ったが
真紀との約束があったので、こういった


「言っとくけど、俺は用事あるから」


「何だと?もしかして女か!?」


「そうだが?」


「!・・・・い、いつの間に・・・」


「どうせ、去年と一緒で町でナンパしようとか考えてたんだろ?」


「う・・・」


「どうやら図星みたいだな?俺は参加できないからな?じゃあな」


「あ、おい!」


俺は、誠二の用事を無視する事にした
そしてクリスマス前日
俺は、遅れちゃいけないと思って、待ち合わせ時間の三十分前に待つ事にしたんだ・・・


(現代)

「で?どうなったの?」


「結局、俺は一時間、二時間以上待ったんだが結局真希は来なかったんだ」


「それって・・・だまされたの?」


「いや・・・翌日、先生から聞いたんだ
真希が駅に向かう途中、信号無視してきたトラックに跳ねられたって・・・」


「え・・・?じゃあ・・・死んじゃったの・・・?」


「いや生きてるけど・・・意識が戻らないらしいんだ・・・」


「そうなの・・・」


「だから、この時期になるとちょっと考えるんだ
約束しなければこんな事にならなかったのかなって」


「そう・・・でも落ち込んでたって仕方がないじゃない?
それより今年のクリスマス、どうするの?もしかして誠二君とナンパでもするの?」


「今年はそうなるかもな・・・」


「それはつまらないわね〜?よし決めたわ!」


「は?何を?」


「私もクリスマスに用事ないのよ、だから雄一!付き合いなさい!」


「は?」


「そうね〜まず買い物にゲーセンでしょ?それに遊園地ね
うん、決まり!じゃあ雄一!予定空けとくのよ!
デートしてあげるんだから感謝しなさい?あ、それと料金ユウが用意してね?」


「は!?」


「じゃあ、帰るわ」


そう言って、由奈は帰ったのであった
そしてクリスマスの日、雄一は由奈の提案を断ろうとしたが
あとに何されるか判らないので、結局付き合う事にしたのであった・・・


つづく
■作者からのメッセージ
雄一の過去のお話です。毎回ギャグっぽく書いてみましたが、今回ちょっと切ない感じの話になりました。まあ次からまたギャグっぽくなってるかと

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