わたしは孤独主義者です V
作者: 瀬野心亜   2009年10月31日(土) 18時21分29秒公開   ID:AYghYnNlqWU

「小向さん、大丈夫?」


「え・・・」


白い天井、淡いクリーム色のカーテン 
それに包まれて、彼女は目を覚ました


―――また・・・此処に・・・


「小向さん、無理しちゃだめだってばぁ」


―――え?


「・・・舞生まいき、さん?」


彼女は舞生由紀まいきゆき


衣音にいつも話しかけてくる人だ


「・・・また、舞生さんが?」


「うん! 小向さんって軽いよね」


「いいえ、貴女に力があるだけです」


由紀は学年一の怪力

毎回衣音を保健室まで一人で抱えて連れて行くのだ


「・・・そんなことしなくてもいいんですよ」


「いーの! あたしがやりたいだけなんだから」


そうして由紀はまた笑うのだ

流石の小向衣音もこれには和まされてしまう


「・・・ありがと」


「いやいやぁ」


――――――――――――

―――――――
――――



――わたしは彼女に心を動かされつつある

彼女の名は舞生由紀

いつもわたしに笑いかけてくれる唯一の存在

―――でも、

「これでいいのか?」と

わたしの中の「わたし」が訊くのだ

「また、信じてしまうのか?」

わたしは・・・





「教養のみを信じる、



それが正しいと信じているんでしょう?」




何を迷うことがあるのか

それでいい、それが正しい答えだ



なのに



何故



また   迷う?


























■作者からのメッセージ
彼女の心は優しさと信念の狭間で揺れ動く

彼女の人間らしさが
彼女を迷わせる

ソレデイイノ? ホントウニ?

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