十字架の誓い V ―真実― | |
作者: 琉華 2009年11月03日(火) 23時46分58秒公開 ID:dKy/4f3JnSk | |
時は過ぎて下校時となった。 紫苑学園は部活動が自由なので入ってない人もごく少数いた。 該当者にあたるのが李兎と愛莉、諒、啓太、潤だった。 十字架の誓い V ―真実― 「ねぇ、李兎は何処に住んでるの?」 李兎達は公園にいた。 なかなか帰ろうとしない愛莉に李兎はいらいらしていた。 「ぼくはあっちのマンションで一人暮らしをしてるよ」 「えー、じゃあ帰りは反対側だね。けど啓太と潤が一緒だねぇ」 ニコリと笑顔を向けた。 その笑顔には少しだけ嫉妬もはいっていると一瞬で分かる、憎しみの笑顔。 李兎はその笑顔に気づかないように知らんぷりをしていた。 「あっ私はこれから塾だから先に行くね?諒いこう。また明日ね」 「バイバイ、愛莉」 「さようなら愛莉さん」 「ばいっちゃ」 順番に李兎、啓太、潤と愛莉に挨拶をした。 「バイバイみんな!」 「……じゃあ」 愛莉は明るく、諒はさり気なく挨拶をした。 「それでは僕達も帰るとしま「ちょっと待って」……」 李兎は啓太の話しているのを邪魔した。 今は啓太について気になることがあるのだ。 「ねえ啓太、きみの付けているブレスレットはどうしたの?」 「どーしたの李兎?」 潤が話しの妨害をするように話しかけてきた。 だって気になる。 あのブレスレットは…――― 林檎も同じのをつけていたから。 大事そうに付けていた。 “ねえ李兎、このブレスレット可愛いでしょ!” “どうしたの?” あの時はまだただのブレスレットしか思ってなかった。 李兎の予測だと二人は啓太と林檎は何かしらの関係があったと考えた。 “大切な人からの誕生日プレゼントなんだ!しかもおそろい。こんど紹介してあげる” 共通している。 たしかにあれは林檎と同じブレスレット。 どんな関係でもいい。 友達だったのならば、それはそれでいい。 間違っていたのならそれで潤と啓太に林檎のことをはかせればいいと考えた。 「ねえ李兎、そのブレスレットがどうかしたの?」 「何か気になることでもあるのですか?」 と聞いてくる二人。 潤はちょっと真っ黒い雰囲気を出し始め、啓太は潤を観察しながら慌て始めた。 李兎はそれでも聞くつもりだった。 「きみたちは知ってる?ぼくの大事は…―――平野林檎を」 「ひら…の……りん…ご」 「なんで李兎が林檎のことを知っているのさ」 一人は、驚いて林檎の名前を言うのがやっとだった。 一人は、完全に黒くなり気になったことをはっきりといっている。 …―――やっぱりきみたちは知っているんだね 「ぼくは林檎の友達なんだ。この紫苑学園に林檎の復讐をしにきたんだ。あの子を苦しめた奴らを絶対に……」 笑顔を作っている筈なのに。憎しみが隠しきれていない。 許したくない。 そんな感情が自分の周りをグルグルと廻る。 「ふーん、やっぱり君が林檎の話に出てくる李兎なんだ」 「…林檎の話に出てくる李兎?」 いまいち話が分からない。 「潤、ちゃんと教えてあげましょう。李兎さんは林檎の真実を知りに来たのですよね? だったら教えましょう」 『真実』この言葉に唾を飲み込む。 これから知るのは自分の知らない、嘘偽りのない真実。 「いいの?きみたちは愛莉側の人間じゃないの?」 「俺があんな奴の?ああ、李兎は知らないんだよねなにも」 「ぼくたちは一緒に居たくて居るわけではないんですよ」 二人は顔を合わせた。 改めてみると二人は本当に仲良しなんだ、と思ってしまう。 「さあ、語りましょう。 平野林檎の本当の真相を、聞いて頂けますね?」 ⇒To Be Continued... |
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