ルーチェ・フィーロ #2♪奏でられる紅の匂い |
作者: 南田 恵理 2009年11月18日(水) 20時57分16秒公開 ID:Ee3yYWMigJ6 |
男「よく着いてきてくれる気になったね。」 シャディ「・・・・暇でしたから。」 男はニコリと笑う 本当に着いてきてよかったのだろうか・・・・? 男「あの小屋が俺の仮宿だ。」 男は林の向こうにある小さな小屋を指差す シャディ「・・・旅でもなさっているんですか?」 私は疑惑の目で男を見つめる 男「一応・・・ね。仕事でいつも、転々としている。」 シャディ「仕事?」 男は私の方を見てまた笑った 男「そう。【殺し屋】っていうね・・・・。」 シャディ「!!?」 私はすぐさま後ろへ下がった 男は笑いながら手を差し伸べる 男「何してんの?」 男の顔が微笑み顔から真剣な顔に変わった 男「逃げなくたって殺しはしないよ。ちなみにここはどこかわからないだろうしね。」 シャディ「・・・・。」 まったく図星だった ここはどこだかわからない ただこの男に着いてきただけだったから・・・ シャディ「じゃあ私をここに連れてきた理由は何ですか?」 私は男を睨んだ それにも動じず男はまたニコリと笑う 男「さあ・・・。お前ならどう使う?」 シャディ「使うって・・・・!」 男は自らの口を塞いだ 男「おっと。お前は中々鋭いね。あまり不用意なことは言わないようにするよ・・・。」 男はまた進んだ 私は服のポケットにある護身用の小刀に手をかけた 後ろからなら・・・・ 私は小刀をポケットの中で抜いた 男「あまり度がすぎると、怒るよ?」 シャディ「!!!」 読まれていた 男はすごく怖い顔でこちらを睨んだ 私は小刀にかけた手を取った 多分こいつは自分に刃を向けた者を何の躊躇もなく殺すだろう・・・ そう思わせるような目だった 男「・・・どうせ戻っても、また退屈〜とかって言うんだろ?」 シャディ「うっ・・・。」 またもや図星 シャディ「・・・わかった。わかりました・・。着いていきます・・・・。」 男「わかれば良し。」 男はまた笑った 私はずっと聞きたかったことがあった シャディ「お名前は?」 私は思い切って聞いてみた 男は笑いながら振り返る 「ゲイル・・・・・。」 男は静かにそう言った そして私は少し感じた 金臭い匂い・・・ 紅い匂い まるで『血』だった・・・・ |
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