BAT〜銀砂の国〜
作者: クリカ   2009年11月14日(土) 21時21分31秒公開   ID:Ee3yYWMigJ6



慶たちはしばらく歩いていた



「ワッチさーん、何か見えますかー?」


慶は空を見上げながら尋ねる



「んー、わかんない。」



ワッチも空を見上げていた



「リアラー、何か見えるかー?」




「・・・おい、何か変じゃないか?」



「あ?」



リアラは顔をしかめる



「いや、なんか砂の踏み応えが違うような・・・・。」



慶は足元を見る


「・・・確かに。なんかザラザラって感じだな。」



ワッチはしゃがむ



そして砂を手に取った



「・・・これ、銀色の砂が混じってるぜ?」



ワッチは細かく銀の砂だけを残す



「ほい。」


ワッチは慶とリアラに砂を渡す


「・・・すげー。」


慶は見惚れる



「・・・ふん。」



リアラはくだらないというように笑う



「・・・次の国が見えてきたな。喉も渇いた。走るぞ。」



リアラは走った


「おい!待てよ!」


慶も追いかける



「いやいや・・・なんで走るの・・・・・?」



ワッチは苦笑いしながら自分だけ歩いた









「・・・平和な国だな。」



「・・・確かに。」



リアラと慶は笑い声の響く町並みを見つめていた




「おっ!平和な国じゃねぇの?」



遅れたワッチが言う



「「・・・もうソレ言った。」」










ある城



「お姉さま、今日はすばらしい陽気です。」


ツインテールの少女は車椅子の女性に向かって微笑みかける


「・・・・・。」


お姉さまと呼ばれる女性は何も答えない




「・・・いい天気ですね・・・・・本当に・・・・・。」



少女は窓の外を眺めながら嘆くように呟いた



■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集