ジュエルプリンセスFlash 第12話 不思議な夢の中で
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年12月12日(土) 17時03分01秒公開   ID:I3pQytENAQc
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――ああ。またココか――




 叶氣は「不思議な空間」にいた。こんなことは何度も経験していたので、慣れてきた。最初は、かなり驚いたこともあったが、慣れたので驚くことも無くなった。





――そういや、陽が前に言っていた感じがする。






「今は言わない。また……叶に会う時が来るから」






それが私は気になって仕方が無かった。








予測…出来てたんだ……。何らかの力を使って。








ヒントは、この中にあるの――?































「この空間での、お目覚めかな?」



叶氣は、はっとした。そして少し驚いた。
 自分の真正面に「未来の自分」が立っていたのだ。今の叶氣より、少し背も高くなってスタイルもよく、大人びた感じだ。

「また会ったね。過去の…と言ったらワケ分かんなくなるか☆ ピチピチな10代の私」
「あの、なんて答えたらいいでしょうか……?」
「普通にどうぞ♪」
「は、はい」

と返事した。
 
「ふふっ。ちょっとギャグを入れただけ。暗いことばかりで、心身とともに疲れてるでしょ? やっぱ「過去の私」って言ったほうが、しっくりくるみたい」
「えっ」

 思い返せばそうだ。暗いことばかりだった。いろんなことがあって、ジュエリーチェンジもして、戦って……暗いことばかりな日々が、いつの間にか続いていた。
 「明るい日」なんてそんなに無かった。

でも暗いことが最初でも、最後は必ず明るくなると思うの。わかりやすく言うなら「ハッピーエンド」ってとこかな? 人生って、そんな感じよね。明るくなったら、暗くなる。暗くなったら、また明るくなる。そんな繰り返し。って最近思うようになってきたわ。ただ、気づいただけで」
「ハッピーエンド……」

 叶氣は「ハッピーエンド」という言葉に心が揺れ動いた。何故か自分でもわからないが「ハッピーエンド」という言葉は、この先とても重要な気が叶氣はしたのだ。
 未来の叶氣がにこりと微笑む。まるでそれは、一輪の綺麗な花みたいだった。

「過去の私が求めてる答えじゃないね。そんな余談は置いといて……何か気になって仕方が無いみたいね。どうしたの?

思ってることを見抜かれたように、未来の叶氣は言う。

「えっと、鳴課ちゃんについてで…」
「あの子のことね。その子がどうしたの?」

未来の叶氣は叶氣の言葉を、かき消すように言った。



鳴課ちゃんを最近見かけないの。鳴課ちゃんのクラスでは「行方不明だ」って噂も広まってるほどです。鳴課ちゃん…何処に居るかわかりますか?」



叶氣は、泣きそうな顔で言う。


「いいけど……本当にそれだけ?
「えっ?」

確かに後一つだけある。


「まだ、ものすごく気になってることがあるらしいね。自分が気づいていないだけで。答えられる範囲なら答えるから。早くしないと、時間が来ちゃうわよ」


 まだ気になっていることはある。それは、迷惑かな…と思って叶氣は聞き出す勇気が無かった。むしろ、それを知るのが、自分でも怖かったかもしれない。
 でも、聞かないとわからない。


「……あの……」
「何?」



今、勇気を出して言う。





























「過去では一体、何があったのですか……?」
















――それが私の一番聞きたかったこと――








未来の叶氣は黙り込んだ。そして口を開いた。


















「過去のことは、自分で真実を突き止めて欲しいわ。自分の目で確かめて、触れて欲しいの。でも、ヒントだったら教えることができるわ」



 未来の叶氣は少し、悲しげな顔をして言う。叶氣は驚いた。「未来の自分自身」も答えられないというのは、また嫌なことが起きたりするかも……と思った。
 でも、ヒントでも叶氣は欲しかった。それが聞けて少しほっとした自分もいた。真剣な眼差しで、未来の叶氣を叶氣は見つめた。その時だった。







⇒To Be Continued...

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