小さな僕の初恋 1 | |
作者: 翠 2009年12月19日(土) 13時01分18秒公開 ID:33E/nA6Ip9Y | |
良い夢を見た日は、何か良い事が起こりそうな気がする。 例えば、またあの子に…。 第一話 再会は、学校の屋上で。 「おはよぉ!」 教室のドアを勢いよく開ける。 「……」 しかし、返って来る声は無い。 おかしいなぁと思い久音は教室の掛け時計に目を向けた。 掛け時計の針が指す時間は、7時前。久音の肩から鞄がずるりと下がる。 「…早く来過ぎた…みたい。」 いつも久音が学校に来る時間は、今の時間から約40分くらい遅い。今日はどうしてこんな時間に来てしまったのだろうと久音は首を傾げながら自分の席に座った。 「……」 静寂に包まれた教室はとても退屈だった。 話し相手なんてまだまだ来ないし、冬の教室にはストーブすら付いていない。 そんな久音は不意に窓の外を見ると白いモノがチラチラと地上に落ちて行くのが見えた。 「雪…雪だ!」 久音は目を輝かせながら教室を出て外に向かおうとしたが、どうせなら屋上から見ようと屋上に向かった。 久音が来る前に一人の少女が屋上のフェンスの前に立って雪を見つめていた。 長いストレートの髪は艶めいた黒髪、白い手足は細く、この学校とは違った制服を着ていた。 「…また、逢えるかしらここにいれば…」 少女が誰もいない屋上でポツリと呟き終わると勢いよくドアが開いた。 少女が開いたドアの方を見るとそこには自分より低めの少年が現れた。 「雪だ、雪だ!」 少年はこちらには気づかないのか、白く冷たいモノを嬉しそうに見つめていた。 少女はその少年を見てハッとした。 少年の瞳の色が、左が日本人らしく黒いのに対し、右は小金の輝く金色だったからだ。 (私の探していた…オッドアイのあの子?) 少年はやっと少女に気づいたのか少し顔を赤らめてこちらに歩いてきた。 「…君…転校生?」 少年は自分たちの学校と違う制服を見てからそう聞いてきた。 「ええ。…貴方は?」 「僕は、神崎久音。君は?」 笑顔で聞き返してくる少年はあの時と変わらない笑顔だった。 「…私は 由紀は久音に笑顔で答えた。 ⇒To Be Continued... |
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