沈黙の心とその笑顔に 4
作者: 檸檬   2009年11月28日(土) 21時24分11秒公開   ID:xadqGTcF5PQ



「あんたとは絶交よ」

「どうして!?」

「あんた、自慢ばっかするし、悪口ばっかり言うじゃない。 もう、我慢出来ないのよ!!」

「そんな、しぃ・・・」

「あたし、碧といた方が、ずぅぅっと楽しいから」

「みど・・・っ、倉敷さん?」

「あの子、あんたと違って素直だし、陰口なんか叩かないしね。 あたし、碧みたいな子が、ずっと欲しかったんだ」


「待って! しぃ―――――・・・!!」




椎名阿湖しいなあこは、紅蓮羅々ぐれんららの性格に耐え切れず、ついに彼女を突き放したのだ――――――・・・。




それが、まさか、あのことへの引き鉄になろうとは、誰が思っていただろうか・・・。



「ねぇ、碧!」

「しぃさん、どうかしたの?」

「希有がさ、今度、真央の誕生日パーティー開こうって言ってたの★」

「誕生日、近いの?」

「今月の19日」

「ふぅん、もうすぐね」

「で、さ! 碧が参加してくれたらきっと喜ぶよ、真央!」

「参加しろと」

「うん」

「・・・経験無いわよ」

「構わないよ★」

「ウノしか持って行けないし」

「ウノ!? やりたい!」

「・・・しょうがないわね・・・」

「いいの?」

「分かった、いいわ。 開けておく」

「ぃやった――――! 真央にはまだ秘密ね★」

「了解」




「ねぇ、ゆきさん」

「何・・・?」

「倉敷さんってうざくない?」

「え、倉敷さん?」


「だからさ、思い知らせてやろうよ」




内気な倖彩夏ゆきさいかに、羅々は詰め寄った。

「ねぇ?」

そして、漬け込んだ。


「あ・・・

  うん・・・」


押しの強い彼女の誘いを断ることなど、彩夏には出来なかった・・・。






■作者からのメッセージ
光と影・・・。

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