沈黙の心とその笑顔に 3 |
作者: 檸檬 2009年11月21日(土) 21時09分45秒公開 ID:xadqGTcF5PQ |
3 「相楽、何の用?」 「今まで悪かったな」 「は?」 「お前と俺たちは違うって思ってた」 「当たり前でしょ」 「は?」 「倉敷碧には心が存在しないのよ」 「嘘」 「え」 「心が無い奴なんていないんだ」 「・・・えっ?」 「ほら! 今、何で?って、思っただろ!?」 「あ」 「心が黙ってるだけさ。 ちゃんとあるんだよ、お前の心は」 「相楽・・・・・・本当に?」 「ああ、本当だ!」 「そうか・・・案外そうかもな」 「あはは」 「で、これを言いたかったの?」 「それもある。 けどさ、お前っていい奴だなぁ」 「どうして」 「クラスメートを笑わせる奴はいい奴なんだよ」 「そうかしら」 「少なくても、お前は、まっちのレポート手伝ってやっただろ」 「レポート・・・ああ、あのグラフ? で、まっちって?」 「あいつのあだ名さ、知らねえの?」 「希有は真央って呼んでた」 「そっか―――――それでさ、お前は嫌な奴って思われたことはあるだろ?」 「そうね、前ははぶられてたかしらね」 「まじか! ・・・だからさ、 俺がお前を守ってやろうと思って」 「守・・・?」 「イエス! お前がいい奴だってことを分からせる為に」 「相楽」 「何だ?」 「いいのか」 「勿論! 俺は自分の思いに素直に生きるだけだよ」 「まっすぐなのね」 「ああ! じゃあ、そういうことだから。 こんなに引き留めてごめんな。 じゃあな!」 「ああ、また明日」 ―――頬が熱を帯びる。 熱い。 こんな感情、初めてだ・・・ 「・・・何だ、これ?」 |
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