沈黙の心とその笑顔に 0〜1 |
作者: 檸檬 2009年11月07日(土) 22時09分46秒公開 ID:xadqGTcF5PQ |
0 彼女には 心が 無い 1 「ねぇ、黛さん」 「何?」 学級委員長・黛希有は、にっこり笑って振り向く 「私って、浮いているのかしら」 「へっ」 ――――何で、そんなこと、訊くんだろう? 「・・・浮きたくない?」 「・・・分からない」 「黛さん! これ手伝って・・・ぅあっ」 「え?」 2人が見ると、クラスメートの一人が、データをまとめているところだった 「ご・・・ごめん、邪魔した? いいや、何でもない」 「え・・・」 クラスメートと 碧の 間には 壁があった 「・・・私・・・手伝おうか」 碧は 希有の机から離れて その子の机に 手を付いた 「え? でも、いいの?」 「うん、データを読めばいいんでしょ、貸してくれる?」 「え、はい、どーぞ」 クラスメートが ぎこちなく 彼女に紙を渡す 「これ、間違ってる、本当はこう・・・貸して、全部やる」 「えっ!?」 「得意なの」 言うなり彼女はシャーペンと残りの紙を引ったくり、せっせとデータ分析に勤しんだ 「凄い、あっちゅー間じゃん!」 「わあ・・・真央、碧のこと、嫌い?」 希有が感心しながら、そのクラスメート―――河井真央に訊く 「えっ!?」 「あたしは、好きだよ! たとえ碧が何も感じなくっても、碧と一緒に居たら、あたし達、きっと何かを学べるよ」 「・・・そう、かな」 「碧って堂々としているじゃない! あれが好き」 「・・・・・・希有らしいなぁ」 真央と呼ばれた彼女は 希有に笑いかけた 「うちも嫌いじゃないよ、倉敷さんは。 ただ、どうやって話したらいいか分からなかっただけ。 うちも今度から気軽に話してみるね」 「うん!」 「碧ちゃーん」 「あ、終わってるよ・・・どうぞ」 「ありがとう、助かった! ・・・ね、今度から、色々話そうよ! うち、碧ちゃんともっと仲良くなりたいから」 真央は さっき希有が真央にしたように にっこり笑った 「・・・、私で良ければ」 彼女の その 心を 取り戻すために |
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