沈黙の心とその笑顔に プロローグ |
作者: 檸檬 2009年11月03日(火) 13時54分17秒公開 ID:xadqGTcF5PQ |
彼女の障害は 「心」? 「静かにしてください」 学級委員長の声が教室にこだまする みんなに好かれている彼女の声に、クラスメートは従った 彼女の 名前は 美人で、それ故に中学生とは思えないスタイルの良さを持っている しかも、優しく、勉強も運動も出来、オールマイティーな生徒だった 幼少の頃から 何をしても 他の子より上手く出来ていて、 何にしても才能がある子だった そして 彼女は 『完璧』と 謳われた 「先生からお話があるそうです。先生、どうぞ」 「ありがとう、黛さん。 ―――今日、この組に転校生が来ました!」 「え――――!?」 「ほんと!?」 「どんな子?」 クラスの子が騒ぎ出す 「はい、静かに! ただ、彼女には、障害があるの」 「え!?」 「そうなの!?」 「どんな障害?」 そして先生は、すぅ、と息を吸い、言った 「彼女には、 心が、無いの」 「えっ・・・?」 希有は、驚かずにはいられなかった 「あのね、彼女は、みんなと同じように、悲しんだり喜んだりすることが出来ないの・・・」 「・・・何、それ・・・」 希有は先生の言葉を反芻する 心が無いなんて、そんなこと―――― 「だから、色々考慮してあげてね。じゃあ、入って」 ガラリ・・・ 「初めまして、 彼女の容姿は 普通の人と何も変わらなかった 「どうぞ、宜しくお願いします」 彼女は ぺこりと頭を下げ そして 微笑みを浮かべた |
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