紅 |
作者: 檸檬 [Home] 2010年02月11日(木) 13時50分06秒公開 ID:xadqGTcF5PQ |
プロローグ 真選組屯所内。 そこでは、今、一つの噂が隊士たちの口から口へと舞っていた。 「なぁ、知ってるか? 明日、局長が17歳の男連れてくるんだと」 「知ってるぜ。 それって俺等の仲間になるってことか?」 「もしそうなら、最年少隊士になるよな」 「局長が認めた実力、見てみたいな」 「かなり強いんじゃない?」 隊士が話しているのを横目でちらりと見た土方は、近藤に訊いた。 「おい、あいつらが話してることってのぁ、本当か?」 すると、彼はにかっと笑って、 「おお、本当だぞトシ! あいつはあの道場からスカウトしたんだ!」 「あの・・・って、俺等がいたボロいとこの・・・?」 「実はな、こないだの非番に其処にこっそり行ったんだよ、懐かしくなってな・・・そしたら、其処で練習してる奴が一人いたんだよ」 「そいつぁそんなに優れてるのか」 「ああ・・・キレのある動きだった。 剣の腕も、あれぁ総悟並といえる」 「そんな奴が・・・」 沖田総悟は、今や真選組随一と謳われる剣の腕を手に入れた一番隊隊長。 彼と並ぶ腕、尚且つ・・・しかも、17歳。 「欲しい人材だな」 土方は呟いた。 ★ 翌日、彼は、腰に二つの短刀を提げてやって来た。 |
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