ジュエルプリンセスMiracle 第8話 始まった闇 | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2010年02月19日(金) 20時26分19秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
「彼が目覚めたら、あの時の彼になっちゃうんだもの」 「そん、な……!!」 「鳴課! アンタ、どれだけ人を傷つければ気が済むの?! もう過去のことなんて終わったことじゃない…」 「由梨さんにはわからない!!」 鳴課は由梨の言葉をかき消すように言う。 「私がどれほど傷ついて、どれほど苦しんだか……由梨さんにはわからない!!」 「わかるわよ」 由梨は、はっきりとおちついた声で言う。その声が暗い密室に響く。 「え……」 「私だって有理が哀瑠さんに殺されて傷ついたり、苦しかった。確かに貴方のコトはそんなに詳しく知らない。でも貴方の気持ちは、わからなくも無いわ!!」 由梨は力強く言う。どうか鳴課にわかってほしかったのだ。 こんなことはしないで と。 その気持ちが通ったのか、鳴課は由梨にうつむいて近寄る。 「……なーんてね。ブラックナイフ」 グサッ……。 と音がした。 「な……に……?」 由梨は自分の胸を見る。胸は赤く染まっていた。そしてふらつき、由梨は倒れる。 「由梨さん、ゴメンね? 貴方には消えてもらわなくちゃね。私の計画に」 「けい……か、く……?」 「そう、計画」 由梨は自分の意識が遠ざかっていくのがよくわかった。冷たくて、周りが、だんだん真っ暗になっていく。由梨が倒れているところの地面は赤に染りつつある。 「それは……まだお楽しみ」 その時の鳴課の笑顔は、本当に怖かった。 ――私は……ココまでかしら……。 由梨は思った。意識は、ほんの少ししかない。目の前は闇のように真っ暗。そして自分の体が冷たく感じる。 そんな中でも由梨は思っていた。 …… そして……有理、ごめんなさい。 私は貴方の約束は果せなかったわ。 「お姉ちゃんだけは、私みたいに死なないでね。お姉ちゃんには生きてもらわないと……私が困るから。約束だよ?」 その言葉は果せなかった。本当にごめんなさい。 そして……あの子たちには 私の分までがんばっ て――……。 由梨は、そう思って意識を無くした。鳴課は ⇒To Be Continued... |
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