ジュエルプリンセスMiracle 第10話 自分とサラと星空と
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年03月07日(日) 14時04分00秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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「どうして……鳴課なるかさんと日向ひなた先輩が?」

詩羽しうが信じられないという顔で言う。

「妹さんと……しゅう。どうしてココに?」
「ただ二人を探しにきただけ。そして日向くん、姫様プリンセスが心配なさっている…」

とその時。





























「姫様って誰?」







ようは疑問を持った感じで言う。秀と詩羽は驚く

「先輩、ふざけたことは言わないでよっ! 冗談でしょ!!」
「冗談じゃねーよ!!!!」

「え……っ」

 陽は強い口調で言う。詩羽は目をパチパチさせる。パチパチしても変わらない。普通の陽だ。だが宝石の姫様ジュエルプリンセス叶氣かなきの記憶を忘れているというのが不思議だ。

「ふざけても無いし、冗談でも無い。姫様って誰なんだよ。さっぱりわからない」


陽は冷たく言う。詩羽は負けずに、こう言った。

「ええっ!! だってだって、いつも姫様にベタベタくっついてたし、ちょっと……いや、かなりあたし自身で萌えてたけど、でもでも! なんで知らないの?! いつも一緒だったのに」
「詩羽さん、貴方のそのふざけっぷりは変わって無いわね」

鳴課が飽きれたように言う。

「ふざけて無いもん! 萌えまくっていたのは事実だもん!!」
「そこは否定して」

秀が言う。

嫌だ! 否定しない!! そして、なんで姫様のことを忘れているの?! 答えて!!」
「……それはね」

 詩羽が真剣に大きい声で言ったとき、鳴課はポケットをゴソゴソ探る。取り出して詩羽と秀に近くで見せた。


「このこと。ブラックパフュームがパワーアップしたの。それを私の宝石にかけて…」
「技を出した」

鳴課が言いかけたとき、秀が答えた。




「正解。秀にはわかるのね。……さすが元ブラックローズ学園の特別生徒




「ええっ!! お、お兄ちゃんが特別生徒?! そんなの聞いて無いよ!」

鳴課は目を閉じる。秀は、はっとする。

「そう。妹さんが、まだ病気でロスにいる間、秀はブラックローズ学園――ココの窓から見える、この大きな学園に通っていたの」
「で? で?」

詩羽は物語を読んでもらっている幼い子供みたいな瞳になる。

「でもね、ある日…」
「ストップ」

秀の声が響く。

「秀、何かあるの? この状況だと、まだ妹さんに自分のことを話してないのね。妹さんに、知られたくないことでもあるの?」
「別に無い。でもこのことは僕が話す」
「えーーーーーーっ!!!! 今話そうよ。後でだったら聞く気無くなるー!!」

詩羽はムスッとする。鳴課はクスッと笑う。

「ほら、妹さんだって知りたがってるじゃない。それに今。今話さないと妹さん、聞く気無くなるって言うよ? どうする?」
「嫌。それはゆっくり詩羽の部屋で話す。いい?」

秀はそう言うが


「うーーーーっ!!!!!! 嫌だって言ったらヤなのーーーー!!!!」


詩羽は幼い子供みたいに言う。

幼い子供おこちゃまじゃないんだから、ガマンしなさい」
「お兄ちゃん冷たい!! なんで詩羽には話してくれないのさっ!! 酷いよ、お兄ちゃん!!」
「しばらくしたら話すから」
「ヤダッ!! 今、今この場所で話してよ!!」

詩羽と秀の兄妹喧嘩が始まる。

「……鳴課、この状況はどうするんだ?」
「見ているだけでも飽きるわねぇ……。まあどっちも悪いけど」

そう二人は話す。


「もーーーーーーっ!!!!!!! お兄ちゃんが話してくれないなら、鳴課っていう女に聞いてやるっ!! いいよねっ?!」





 その時、紫色……いや、ダークパープルと言ったほうがいいだろうか? それの固そうな破片が五十嵐いがらし兄妹に襲い掛かる。





「危ないっ!!」





とっさに秀は詩羽をお姫様抱っこして、攻撃をよける。流石は兄だ。


「兄妹喧嘩はおしまいにしない? もう見てるだけで飽き飽きよ。そして……妹の詩羽さん?」
「は、はい」

詩羽は秀にお姫様抱っこをさせながらも返事をする。













「貴方があの時の……サラさんね」
















「えっ……?」
「詩羽……?」






「じゃあね♪」




といって2人は消えてしまった。テレポートみたいに。
詩羽は……。






(サラ……サラ……やめて!!!!!! その名前を呼んでいいのは……その名前は――)





「詩羽? どうしたの」

とお姫様抱っこしてた詩羽を下ろす。


「い、いやっっ!!! こないでっ!!!!!!」


 詩羽は秀の手をパチンと叩く。詩羽は涙目になって震えている。精神的に苦しそうだ。

「詩羽! 落ち着いて!!」




「嫌だ……やめて……いやぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!」




詩羽は苦しそうに叫んだ。まるで闇を見ているかのように。そして気絶した。
秀には何故、こんなパニックになったのかがわからない。






秀は詩羽をおんぶして帰った。








⇒To Be Continued...

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