初恋 〜さよならは言わないよ〜 |
作者: lie 2010年03月11日(木) 20時31分01秒公開 ID:te6yfYFg2XA |
雪の降る静かな駅のホームで僕の初恋は終わった。 これは、僕の君への最初で最後のわがままかもしれない。 「これが最後じゃないよね」 彼女は下を向きながら僕の袖を軽く掴む。 僕は何も答えない。答えられない。 「…また、逢えるよね」 地面から雫が落ちる音がした。 彼女は泣いている。 でも、もう僕にはその涙を拭うことは出来ない。 二人で最後に決めた、二人の最期だから。 彼女は泣きたいと思う気持ちを押し殺した笑顔で顔を上げ言った。 「私……貴方を好きになって…よかった」 僕は今までの君の笑顔も、泣き顔も、その笑顔も忘れないよ。 忘れない。忘れられないよ。 だって、 まだ、君が好きなのだから。 「ありがとう。僕も君を好きに 君についた初めての“嘘”は全部僕のわがまま。 初恋が君で、初めての相手が全部君で……。 ありがとう。今まで僕と一緒にいてくれて。 ありがとう。僕のわがままに泣いてくれて。 ありがとう。こんな僕を「好き」と言ってくれて。 だから、さよならは言わないよ。 |
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