ジュエルプリンセスMiracle 第11話 悲しい再開
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年03月15日(月) 17時50分16秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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「よ……う?」
「?」








思えばコレが再開なのだろうか?















時は遡り、少し前のことだ。




「いってきまーす!!」



 叶氣かなきは元気に家を飛び出していった。すると、黒い髪で見覚えのある後ろ姿。もしかして……叶氣がと思った瞬間、相手は振り向いた。








――それはようだったのだ。






「陽……!!!! 戻ってきたんだね!!」


叶氣は嬉し涙を流す。

「え、ああ」
「今までどうしてたの? 心配したんだよ?!」

叶氣は陽の手を握る。













「心配してくれたのは嬉しいけど……お前は誰なんだ?








「へ?」


叶氣は頭にハテナマークを浮かばせる。

(これは冗談だよね? ドッキリ? 驚かそうとでもしてるの?)

叶氣は思う。

「や、やだーー!! じ、冗談でしょ…」
「冗談じゃない。こっちは真剣なんだ」

陽は少し強めに言う。

「でも、なんか宝石の姫様ジュエルプリンセス……かなさんに似てる。もしかして子供とか?」
「こ、子供?! 違うよ!!」



(え? え? 冗談じゃない……ほ、本当に記憶が無い、の?)


叶氣は焦る。

(本当に記憶が無い=記憶喪失? 今の私みたいな? でも待って。叶さん=昔の私は知っている。今の私と逆パターン? 過去の記憶を知っていて、今という未来は知らない……っていう)


「じゃあ何だよ」
「わ、私は宝石の姫様だよ? 草柳 叶氣くさやなぎ かなきだよ? わからないの? でも叶は私の本名
「え?! 叶さんが子供?! でも叶氣でやってるなんてな。でも叶さんは大切な存在だけど……思い出せない
「え……」

叶氣は呆然とただ立ち尽くすだけだった。


「でも、なんかすごい……大切な人だった気はするんだ。何でだろうな」


陽は叶氣の頭をポンポン叩く。

「陽、忘れちゃったの? 私のこと」
「忘れた、けど大切な人だった気がする。不思議と。とにかく学校遅刻するぞ」

今度は背中を陽にポンッと叩かれた。




(いつもの登校なのに、いつもの朝なのに、陽がいるのに……なんでこんなにも心が苦しいの? どうして泣きたくなるの?)



叶氣は悲しげな顔をして学校へ行ったのだった。






⇒To Be Continued...

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