チビドロ |
作者: 冷夏 2010年03月29日(月) 22時22分34秒公開 ID:m5M8TG0eh.A |
=10= もう一つのクロ <安藤霧哉 目線> まったくもっておもしろい・・・。 そう思ってしまうのはおかしいだろうか? まさか光と麗と綾とも一緒になるとは予想していなかった・・・。 まぁ・・・ 光と麗が一緒になり 俺と綾が一緒になるということは・・・ 少なくとも俺の計画はうまくいってるらしい・・・。 「霧哉〜??」 「・・・!」 しまった・・・机でボーっとしてしまった。 話しかけてきたのは光だった。 「新しいクラスになったから記念にパーティしようって杉下先生が言ってたよ。」 今度も担任は杉下か・・・。 「パーティか・・・。具体的には何をするのやら・・・?」 「えーっと・・・肝試し?」 「肝試し?まぁいいけど・・・。」 俺は机に突っ伏した。 今は夏だ。 しかもとびきり暑い日・・・。 「もう昼休みだよな・・・?」 「うん。」 「ジュース買いに行くか、光。」 「・・・そうだね。後パンも買っていい??」 「いいぜ。」 〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜 「そういや、ヒイラギ元気?」 「いやいや、ドロに元気も何もないから・・・。」 光は口をとがらせる。 「何?いきなり。霧哉。」 「いいや?ただ気になってよ。」 本当は気になっていたわけではない。 会話する内容がなくて 静寂になっているのが耐えがたかった。 「・・・そういえば、僕以外のドロの使い手ってあまり見ないね。」 「・・・そうだな。まぁ、平和ってことじゃねぇか?」 「そうなのかな・・・。どっかに隠れてたりして。(笑)」 まぁ・・・自分から言う奴はいないだろうな・・・・・。 〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜 その日の夜・・・。 俺は夜の街をぶらついた。 理由はない。 ただ暇だからだ。 人の悲鳴がたまに聞こえる。 傍観者の言う名前は・・・ 「『アヘン』だ!!」 「(ピク)・・・。」 アヘン 日本で最凶最悪の軍団。 未だにそのメンバーは捕まっていないという・・・。 こんな所でノコノコやってるってことは・・・。 「おい。」 いきなり俺は肩をつかまれた。 振り返ると大柄な男が3人。 だがまだ学生らしかった。 「一人で出歩くような時間じゃねぇぞ?あん?」 肩にかかる力が強くなる。 「俺達はアヘンだ。一人で出歩くからには、金は持ってんだろ?・・・出せ。」 アヘン・・・ねぇ・・・。 すると辺りに警察が一人来た。 「ちっ。おい、ちょっと来い。」 俺は男達に人のいない場所へ連れて行かれた。 〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜@〜〜〜〜 「よし。・・・じゃあ金出せ。」 男が俺に手を出す。 俺は思わず聞いてしまった。 「あんたらって・・・本当にアヘン?」 妙な静寂が続いた後、一人の男が口を開いた。 「当たり前だろ、名乗ってんだから。」 俺はもう一つ聞いた。 「警察から逃げたのは?」 「「「は?」」」 男達は声をそろえて答えた。 そして笑った。 「何言ってんだ?アヘンはまだ捕まっていない極悪集団。俺達がみすみす捕まるわけがないだろ?馬鹿だろ、お前。」 俺は今の言葉に何かがキレた。 「ああ・・・。馬鹿に馬鹿と言われても説得力がない・・・。」 「ああっ!??」 男達は俺の今の言葉に怒ってしまったようだ。 でも本当のことなんだから・・・。 「あんたらはアヘンじゃない。少なくとも、基本メンバーでないと言ったほうがいいかな?」」 「・・・何言ってんだ?」 男は太く怒った声で言い返した。 「アヘンはあんたらみたくクズな集団じゃないって言ってんだよ。」 がしっ! 「こんの餓鬼!」 俺は胸ぐらをつかまれる。 「そうさ!俺達は正式なアヘンのメンバーではない!しかし今からそうなる!」 「・・・そうなると決めるのはリーダーだろ?」 「そうだ!お前の生意気なツラでも持っていってアヘンのメンバーになってやる!」 男は半分ツバを吐きながら言った。 汚い・・・。 ―仕方ないな・・・。― 俺の影は大きくなり始める。 男達はその光景を見て驚いていた。 もう俺の影はビルくらいはあるだろうか? しかし街中に出ても下を見るものなどいないだろう。 元より、音は出しておらず、他の普通の影もあるのだから・・・。 「・・・オルカ。」 俺は一つの名前をつぶやいた。 とたんに俺の影は具現化する。 男達はもう腰を抜かしていた。 俺はどんな笑い方をしただろうか? 冷たく凍りつくような笑いだろうか? どちらにしてもおもしろかった。 俺の影はサメのようなものに一本太い角が生えている形になった。 「これはね、ドロって言うんだ。こいつは俺のドロの『オルカ』。よろしく。」 俺はオルカに男達を襲わせた。 殺しはしない。 ただ痛めつけるだけだ。 アヘンを冒涜した者へと・・・。 「あんたは誰なんだ!!アヘンの何なんだ!!?」 「さあ?誰でしょう・・・・。」 俺はまた笑ってしまった。 「幹部か!!!??」 幹部? アヘンにそんな地位はなかったと思うが・・・ 仕方ないか・・・何も知らない愚か者だもんな・・・・・。 「俺は・・・・・ アヘン 現リーダー 安藤霧哉・・・・。 あ、オルカ〜♪記憶消しといて〜♪」 |
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