ジュエルプリンセスMiracle 第4話 未来と注意 | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2010年01月17日(日) 20時39分34秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
登校中、 「 という言葉が、叶氣の頭に何度もリピートされる。その時だった。 「 と、後ろから声がした。振り返ってみると 「あ、 「おはようございますですわ」 「おはようございます」 三人で挨拶を交わす。桃奈と有紀は何かに気づいた。 「あら? 姫様、日向くんはどうしたんです?」 「たぶん欠席か遅刻っぽい。インターホン鳴らしても誰も出ないの」 叶氣は数分前、陽がなかなか来ないので家に行き、インターホンを鳴らした。だが、誰も出なかったのだ。 「そういえば、陽くんのご両親って共働きですから出ない可能性もあります。もし陽くんが自分で立てないほど具合悪ければ、出ないのも確実です」 有紀が言う。 「そうなんだ……。陽の両親は共働きなんだね、初耳だよ」 「ええ。あら、姫様はご存じ無くて? 日向くんは……本人から口止めされてるので言えないですわ。ごめんなさい」 桃奈が言う。 (桃奈ちゃんまで口止めされてるってことは、それなりに重要にヒミツなんだなぁ……) と叶氣は思った。 「ですが、正体を知ったら姫様はビックリするでしょうね。日向くんが姫様に好意を抱かれた、本当のヒミツがわかりますし」 「ええっ?! 有紀くん、サラリと言わないで!!」 「とりあえず事実ですわよ」 空上姉弟はくすくす笑う。叶氣は頬を少し赤らめる。 そして、三人は楽しく話をしながら学校へと向かったのだった。 *** 「……くん…… はっ!! 陽は目が覚めた。 「陽くん。ずいぶん夢でうなされてたらしいけど、大丈夫?」 「え……」 陽の目の前には、叶氣が少し大人びた感じの人がいた。それに、大人びた 「アンタ誰? って顔をしてるみたいね。私は未来から来た 「わざわざ……すみません」 大人びた叶氣も、かなり綺麗だ。これには陽も敬語になってしまう。そして未来の叶氣は握っていた手を離す。そして陽のベットに座る。 「気にしないで。あ。未来から持ってきたクッキーだけど、食べる? でも、未来のだから「時間が経ちすぎて食べれない」ってイメージすると思うけど、大丈夫だから」 「ありがとうございます」 陽は未来の叶氣からクッキーをもらって、起き上がって食べる。 「お口に合わなかったらゴメンね。甘さは控えめにしてあるけど」 「いいえ。おいしいです」 「よかったわ」 未来の叶氣からもらったクッキーは、本当においしかった。今の叶氣が作ったクッキーと味は、そんなに変わらない。 「でもビックリした。陽くんの家まで過去の扉で行ったら、ご両親はいないし、陽くんはベットで寝込んでる状態だしね」 「あ……」 陽の両親は共働きだ。だが、学校から帰ってくると母はいる。 「大丈夫よ。少しの時間は私もいるから。話したいこともあるしね。早速だけど本題に入っていい?」 「は、はい」 未来の叶氣は一回、浅く深呼吸する。そして話を始める。 「……私はさっきも言ったように「未来から来た」。つまり、これから起こることも全部、全て知っているの。例えを言うならば、ある物語の全部を知っているかな。それで、貴方に注意して欲しいことがあるの」 「注意?」 「そう。まだ症状が出てないからいいけどね。それは…」 未来の叶氣は陽に囁く。 「えっ?」 未来の叶氣コクリとうなずく。 「ちなみに、ほぼ確実よ。私は「これから起こることも全て知っている」と言ったから。そうなる可能性は高いわ。急にこんなことを聞かされて信じたくないと思うけど、本当のことよ」 「そん、な」 未来の叶氣に、そう言われた陽は心を痛める。信じたくも無かった。 「そろそろ症状は出てくると思う。私が治したいけど、治す方法は……わからないの。辛いと思うけど、なんとか乗り切って。お願い……!!」 未来の叶氣は陽の手をギュッと、また握る。 「……これだけが伝えたかったこと。でも、本当に大事なことだから未来から来たの」 「そう、ですか」 陽が少し悲しげに言った時。 「けどね、そんな状況でも今の時代の私は、陽くんが好きな気持ちは変わっていないと思う。それだけは覚えていて欲しいわ」 未来の叶氣は言った。陽はそう言われて、少し顔が赤くなる。そして未来の叶氣は時計を見て言う。 「お昼にしましょうか。おかゆにしたいけど、食材とか使っていいかしら?」 「いいと思います、よ。たぶん気にしないと思うので」 「そうなの。なんかすごいご両親ね。それじゃあ作ってくるよ」 「はい」 未来の叶氣はドアに行く途中、一枚のメモ用紙を破いた紙みたいなものを落とした。だが、未来の叶氣は気づかずにドアを閉める。陽は気になったので近くで見る。 「なんだろ……紙なのか?」 陽は、その紙を拾う。 「なんて書いてあるんだ……?」 その文章は英語で書かれていた。 『Please take good care of me.』 陽は英語があまり得意ではないので、考えるのをやめた。むしろ考えると余計に具合が悪くなりそうだから。 ⇒To Be Continued... |
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