ミスティックシンフォニー第四巻
作者: 零堵   2010年04月29日(木) 17時42分31秒公開   ID:LjOpF6jSo/I
お正月が終わって、何日かが過ぎていき
学校が始まったのであった・・・
学校の教室内にて

「早いな〜もう、冬休み終わりだぜ・・・」

「確かにね?でも、結構楽しかったわよ?まあ・・・今年もお守り貰えなかったけど」

「そうなのか?俺は今年も貰ったぜ?」

「馬鹿!」

早苗は、晶をひっぱたく

「痛ってぇ・・・・なんで怒ってるんだよ?」

「だってずるいよ!?私・・・一個も持ってないんだよ?」


「はあ?ずるいか?それはお前が・・・」

晶はその先を言おうとしたが、言うのをやめる
それは何故かと言うと、早苗が顔に出るほど怒っているのが見えたからである


「お前がって何?晶」

「いや・・・別に・・・」

「ん〜?何を言おうとし・て・た・の・か・な?」

「そんな怖い声で言われてもな・・・教えないぞ?てか忘れろ」

「む〜!」

早苗達が話していると、律子が話しかけてきた

「一体どうしたの?早苗ちゃん?」

「聞いてよ〜律子ちゃん、晶ったらね?酷いんだよ?」

「なんで俺が悪者扱いなんだよ・・・」

「え〜っと・・・事情はよくわからないけど、晶君が悪いの?」

「そうなの」

「もう好きにしろよ・・・」

晶は、どうやら諦めたみたいである
予鈴がなって、先生が入ってきて、話は中断されたのであった


「は〜っはっはっは!皆、おはよう〜、冬休みも終わった事だが・・・
皆、まだ休み気分じゃ駄目だぞ?
ところで、皆に問う、この冬休みの間に何か変わった出来事はおきたか?」


先生は、そんな質問をした
クラスの皆は、何処へ行ったとか色々な出来事を述べている
先生はそれを聞いた後


「まあ、怪我とか無くてよかったと思う、それでは授業を始めるぞ」

そう言って、授業が始まったのであった
そして、給食の時間


「さ〜って、お昼〜」

「早苗ちゃん、嬉しそうね?」

「今日から給食が始まるでしょ?ここの給食結構おいしいから楽しみなの〜」

「まあ、確かにね〜」

「う・・・」

「どうしたの?晶」


「い、いや・・・何でもない、気にするな」

晶の挙動不審な行動を、早苗と律子は見逃さなかった

「もしかして、今日の給食に嫌い物が入ってるとか〜?」


「!な、ち、違うぞ!」

「判り易い性格ね?晶君」

「そ、そうか?」

「へ〜晶、これ嫌いでしょ?」

早苗は、給食のメニューの納豆をつきつける

「ば、馬鹿、近づけるな・・・見ただけで吐き気が・・・うう・・・」

「ほんとに駄目みたいね・・・?早苗ちゃん、もうそのぐらいにしといたら?」

「そうだね?このぐらいにしといてあげるね〜?」

「なんかむかつくな?その言い方、くそ・・・覚えてろよ」

そんな会話をしながら給食時間が終わり、昼休み
早苗達は、廊下を歩いている、晶は何かを見つけたみたいである


「おい、なんかあそこでおこってないか?」

「ほんとだ?何だろ?」

「何?」

晶に言われて早苗と律子が見てみると、喧嘩をしていた
それも男と女で、喧嘩している人達は、早苗達のよく知っている人物であった


「その人形、どうなってるんだ?」

「だから何度言わせる気だ?俺は人形じゃねえ〜!ジョニーだ!」

喧嘩しているのは、武人と美梨亜、正確には美梨亜の持っている熊の人形ジョニーとであった

「ミリー、こいつ・・・呪ってやろうか?」

「駄目よ・・・仮にもクラスメイトだし・・・」

「でも、こいつむかつくもん?やっちまおうよ?」

「でも・・・」


「一人芝居やってるように見えるんだけどな?私を呪うだって?馬鹿馬鹿しい!
呪いなんて物は存在しない!」


「ほ〜?呪いが存在しないね〜?それはオカルトを否定するってことか?」

「当たり前だ、UFOだって嘘が多いし、魔術なんて物は見た事ないからな?
もちろん、超常現象も信じていないぞ」


「オカルトはちゃんとあります・・・超常現象だって魔術だって・・・」

「そのとおりだ、呪いだってちゃんと出来るんだぞ?本とかにも載ってるだろうが?」

「私はそういう本は、見てないから知らん」

「俺だって、科学とか胡散臭いとか思ってるしな〜」

「何だと?科学を馬鹿にするのか?科学は偉大なんだぞ?」

「じゃあ勝負するか?科学とオカルト、どっちが信じられるか」

「いいだろう、場所と時間はこっちで知らせる、科学の素晴らしさ、お前に解らせてやる」

「俺も、オカルトの凄さっていうのを、お前に解らせてやるよ?やってやろうぜ?ミリー」

「そうですね・・・」

早苗達は、そのやりとりを聞いていた、そして

「なんかえらい展開になってるね?」

「そうだな・・・でも」

「何か面白そうね?これって、科学研究部とオカルトクラブが戦うって事よね?」

「確かにそうだな?」

「一体、どっちが勝つんだろう?」

「さあ?」

早苗達は、そう呟いていたのであった・・・
それから時間がたって教室
早苗は、美梨亜に声をかけた


「ねえ美梨亜ちゃん、武人君と話しているの聞いたんだけど、戦うの?」

「え・・・?まあ、そういう事になってます」

「へ〜、じゃあ何所で戦うの?」


「明日の放課後、屋上でって言ってたけど・・・」

「そう、ありがとね?美梨亜ちゃん♪」


早苗は、そう言って美梨亜から離れた


「一体、何だったんだ?ミリー」


「さあ・・・」

美梨亜は、不思議な顔をしていたのであった
そして、次の日の放課後の屋上
屋上には、数人の男女がいた


「オカルトクラブ部長の、蔵野院真琴です、あなたが科学研究部の部長さん?」

彼女の恰好は、黒帽子にマントにぐるぐる眼鏡
あきらかに黒魔術をやっていそうな恰好をしている


「そうです、僕が科学研究部の部長、中岡雅治です」

彼は眼鏡に白衣
ポケットの中に薬品のビンみたいな物がニュッと外に露出している


「そうですか、科学研究部の部員が、オカルトを完全に馬鹿したと部員から聞きましてね?」

「そうですか?オカルトクラブって何やってるか、解らないから馬鹿したんじゃないんですか?」


「なんですって?科学研究部こそ、何を発明してるか解らないじゃないですか?それに役に立たなさそうですしね?」

「科学を馬鹿にしない方がいいですよ?科学は凄いんですから
だったら勝負しましょう、科学とオカルト
どっちが優れているか」

「いいわ、やってやるわよ」


「そうこなくては、言っとおきますけど、科学の力、とくとご覧に見せましょう」


「私もオカルトクラブ部長として、貴方にオカルトの全てを見せてあげるわ?」

二人ともそう言っていた
そこに、早苗と晶がやって来る
やって来て、こう言ったのであった

「さ〜あ、実況はこの俺、品川晶と」


「碧川早苗でお送りします〜」


「何でおまえら実況してるんだ・・・?」


「だって、楽しそうだから♪」

「面白そうだしな?」


「・・・・あ、そう・・・」


武人は、呆れていたのであった


「戦い方は、どうします?ちょうど四人いますし?」

「そうね・・・こっちも二人、貴方達も二人
勝ち抜き戦と言うのはどう?」

「いいですね、武人君、頼めるかな?」


「はい、判りました、部長」


「美梨亜さん?こいつらにオカルトの凄さを判らせてあげなさい?」


「了解だぜ、俺とミリーの力、見せ付けてやろうぜ?」


「そうね、やってみましょう」


四人は、そう言った
早苗と晶はそれを聞いて、戦い方を考えてこう言う


「それでは、一回戦は武人と美梨亜〜、戦い方は相手が参ったと言わせればOK
勝ち抜き戦でやりたいと思います」

「それでいいぜ、どうせ俺達の勝ちだからな?」


「そうね・・・」

「私を甘く見ない方がいいぞ?こい!カムヒーヤ!」

武人は腕時計にそう言葉を言う
すると扉から一体のロボットが現れた

「これが科学の結晶、戦闘用メカロボットタイプ1だ!」

タイプ1は、美梨亜とジョニーを睨むように見ている

「お〜っと武人君、いきなり訳の判らないロボットを出しました、晶〜どう思う?」

「そうだな・・・あれ・・・どう見ても不細工なロボットだ」


「だよね〜私もそう思った♪」


「お前ら、顔は何だっていいだろ!動けばいいのだからな?」

「そうかな〜?」

「やっぱロボット言うからには、デザインもちゃんとした方がよいと思うぞ・・・」


「まあ、それはそうなんだが・・・悪かったな、私は絵はあまり得意では無いのだよ!」


「あ、そうなんだ・・・」


早苗と晶は、とりあえず納得した


「これに対して、美梨亜ちゃんはどう出るのかな?」


「俺の・・・そのロボットとか言う奴にぶちかませてやる!」


「行きます・・・」

美梨亜は、何か呪文らしき言葉を言う
そして、ジョニーが何故か光りだす

「な、それはどういう原理で光ってんだ!?」

「確かに・・・俺もそう思う」

「たぶん、オカルトの力何じゃない?」


「そうか・・・?」


晶は不思議そうな顔をしていた


「行くぜ〜お前の作ったポンコツロボット、俺の敵ではないわ!」


「行きます」


美梨亜はロボットに向かって走り出す


「お〜っと伊藤美梨亜、ジョニーを持ってロボットに突っ込んだ〜!」


「美梨亜ちゃんは、一体何をするのでしょう!」


早苗と晶は司会者風に行く末を見ている


「な、そう来るか、ならば行け!タイプ1!」

そう言うと、ロボットが動き出す

「甘いな?とりゃあ〜!」

「お〜っと!ジョニーがいきなりロボットに向かって
ラリアットだ〜そしてアイアンクローをかけている!
一体何処にそんな力があると言うんだあ!
これはロボットは大ピンチかあ!?」


「いや、よく見てみると寸前で避けて、相手の出方を伺っているように見えるわ?
これはどっちが勝つか解らないわね?」

「ぐ・・・」

「貰った!ロボットパーンチ!」

ロボットは、ジョニー目掛けてパンチを繰り出す
ジョニーはギリギリで避けて、拳の連打を浴びせるのであった

「な、やば・・・」


「貰った!正拳突き連打!」


「お〜っとジョニーの攻撃により、ロボットダウン〜」

「ここでカウント入ります〜、1〜2〜」

「立て!立つんだタイプ1!」

武人の叫びも空しく

「3〜、勝負あり!この勝負、美梨亜ちゃんの勝ち〜」

「当然の結果だったな」

「ちょっと疲れたわ・・・」

「く・・・私の作ったタイプ1がやぶれるとは・・・ここは、負けを素直に認めてやる・・・」

あきらかに武人は、残念そうであった

「これでオカルトクラブが先取点を取ったから有利か?」

「ちょっと」

晶が話していると、真琴が話しかけてきた

「はい?」

「私、そろそろ儀式があるの、だから勝負は明日にしてほしいのだけど」

「そういえば、僕もやる事があります、だから明日にしましょう」

「どうする?早苗」

「いいんじゃない?二日間続けてやるのって、なんか盛り上がりそうだしね?」

「じゃあ、決まりだな、では次の対決は明日の放課後、この場所で行いたいと思います!」

晶の一言で、屋上には誰もいなくなった、ただ一人を除いて・・・

「次は、もっと頑丈に作ってやるからな・・・」

そう武人は、呟いていたのであった・・・

〜五巻へ続く〜

■作者からのメッセージ
零堵です。
四巻目を投稿します。
ここに晶の嫌いな物は納豆と書いてありますが、作者自身も納豆は食べられないです
まあそれ以外だったらショートケーキぐらいですけど
五巻も長めで投稿したいと思っております

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集