夏にここで ::::: |
作者: 佐奈 2010年07月13日(火) 21時49分24秒公開 ID:2EbdM0k4XrU |
私は今、新しい場所にいる。 敷浪中学校。 小学校から中学校になるというだけでもドキドキなのに、まさかの転校。 私は誰も知っている人がいないクラスの机に座っていた。 みんながそれぞれ知っている人と話している。(当たり前) 私だけが部外者のようだった。 教壇にいるのは普通にイケメンな男教師。 女子達はみんなヒソヒソキャーキャー言っている。 私は? 誰と? 一人なの? 「ねぇねぇ、どこの学校の人?」 どこも痛んでいないストレートな髪。 その髪をお下げにした女の子。 「あたしの名前は朝倉 羽衣。よろしくね。・・・どこの学校?」 結局それが知りたいんかい! 「あの・・・私は有野 瑞姫。小学校はここからもっと遠い町にあるの。」 「引越ししてきたの!?」 朝倉さんは目を輝かせた。 溢れんばかりの興味が顔に表れている。 「それで、何で引越しなんか・・・・?」 「親の都合・・・。まいっちゃうよね。」 私は笑って見せた。 それに対しての朝倉さんは暗い表情だった。 「・・・よし決めた!」 朝倉さんは急に私の手を握る。 「・・・はい?」 「あたしっ!あなたのお友達になる!」 「・・・・。」 私の中を異色な風が吹き抜ける。 「お、オトモダチ?」 「そう!あたしはあなたの力になりたいの!話してみればすごく良い人じゃない?だからオトモダチ!」 手を握られたままチャッカリ褒められた私はどうすればいいのかわからない。 そして一番の問題は・・・・・・。 「オトモダチ・・・。」 なんか友達になっちゃった! でもなんでだろ・・・。 ちょっと嬉しい・・・・・・・・・。 「あたしなんかでいいの?」 私は念を入れて言ってみた。 「万事OKよ!もうドンと来なさいよ!」 「・・・・。」 朝倉さんは面白い人だ。 「入学式終わったら、学校の中体験しましょ?」 「うん。」 私は入学式・・・。 ウキウキが止まらなかった。 自然にニヤけかけたが、我慢してみせた。 後から聞いた話だが、朝倉さんはモテるらしい。 (結構可愛いし、明るいからかな?) |
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