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作者: ルーク 2010年07月27日(火) 09時05分49秒公開 ID:UIAOiqYuVxY |
私の誕生日は、7月7日。昔、父さまが言っていた。 [この日は、ニッポンという国の中では、七夕、と言って、特別な日なんだ] 自分の誕生日が何か特別な日だったら、嬉しくない? だから、私はこの日がとても大好きなんだ。 「ねえレイル、ドレスって、どうしてこんなに裾が長いのかな」 仕立て屋が叔父さまに採寸の報告をしている間、普段着に着替えながら、私の背中側に背中を向けて立っている彼に尋ねた。 「なんでって……。ドレスは女性の正装なわけだろ? 俺には、なんでお前が普段そんなに短いスカートはいてるのかわからないよ」 「え、言ってなかったっけ。私、長いスカートって嫌いなの!」 「……」 返事がないな。どうしたんだろ。 「レイル?どうしたの」 後ろを見てみると、レイルは肩を震わせて笑っていた。 「ちょ…、何笑ってるの?」 「や……、お前って、つくづく変ってるのなぁ」 ひどい。そんな言い方ないじゃない。 着替え終わって、むすっとしながらふわふわのソファに腰かけると、レイルがごめんごめんと謝りながらソファの背もたれに腕と顎を乗せた。 「でもさ、あの黄緑色のドレス、エイクの金髪にすごく似合うと思うよ、俺」 「話がちがーう」 ほっぺたを膨らます。でも、目は笑っていた。 レイルが、母さま譲りの私の長い金髪と緑色の瞳を見てほほ笑む。 「似合うって、ほんと?」 「うん、本当」 なんだか、その笑顔を見てるこっちまで幸せになってくる。 そんな、幸せな時間だった。 [続く] |
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