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作者: ルーク 2010年08月29日(日) 11時03分59秒公開 ID:UIAOiqYuVxY |
「エイクー!」 部屋で本を読んでいたら、レイルが部屋に駆け込んできた。 しかも満面の笑み付きだ。 「どうしたの、ずいぶん嬉しそうじゃない」 レイルはちょっと長い距離を走ってきたのか、少し息が上がっていた。 その上がった息を整えて、レイルは白い封筒を差し出した。 「さっき、馬の御者がポストを見に行ったときに、入ってたって。エイクのお父上からだって」 「え、父さまから?」 あわてて封筒を開ける。ちょっと手が震えていて、なかなか手紙を封筒から出せない。 やっとの思いで封筒から手紙を取り出すと、カサリと手紙が音を立てた。 【親愛なるエイクへ 元気でやっているかい?こっちは、まだ半分も家が出来上がっていないんだ。まだまだそっちの別荘にいなければならないけど、叔父さまのもとでいい子にしているんだよ。 じゃあ、また何かあったら報告する。 遅くなってしまったけど、誕生日おめでとう。 そばで祝ってやれなくてごめんな。 父さまより 追伸:もうじき一度そちらを訪れることができそうだよ。楽しみにしていてほしい】 父さま……。 心がほわあっとあったかくなった。 「なに、なんて書いてあったんだ?」 後ろからレイルが手紙の内容を尋ねてきた。 「ん?父さまが、もうすぐこっちを尋ねてこれそうだって!!やったぁ!!」 「おぉ!ほんとか!よかったじゃんっ」 レイルがにっと笑った。 いつかな、いつ来るのかな。 カラカラカラカラカラカラ……。 馬車の車の音がした。 「「え?」」 ぱかっ、ぱかっ、カラ。 馬が止まった。 「誰だろぉ?」 ソファから窓の外をのぞくと、ちょっと高級そうな馬車が止まっていた。 「まさかさぁ……」 レイルが窓の外を指さす。 「エイクのお父上じゃないのかな」 ちょうどその時、ドアがノックされた。 「エイクー!ちょっと来てみろ!」 叔父さまだった。ちょっと嬉しそうな声だ。 「あ、はぁい!行こ、レイル」 ちょっと注意深く階段を下りて、正面玄関をバタンとあける。 「と、とと、父さま……っ!!」 今さっき、手紙を読んだばっかりなのに!? 「久しぶりだな、エイク。元気にしてたか?」 [続く] |
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