オレ×俺、僕×私。 〜N&S。すたーと〜 |
作者: 原田悠浩 2010年09月19日(日) 20時19分20秒公開 ID:rCPKsfrr8dY |
きっと俺は生まれた時から、アイツが嫌いなんだろう。 彼は面白い。彼は僕を嫌っているだろうけど、僕は彼に関わりたい。 今、2つのトキが、交差する。 はぁ…相手にするんじゃなかった。 俺は今物凄く後悔している。 …高校入学3日目。 俺は自分の机で雑誌を広げていた。 ふと雑誌に影が降り、俺は視線をあげた。 「君が、紺野凪紗クン?へぇ、意外とまともな人じゃない。予想外。」 影の犯人は、親しげに俺に話しかけてきた。顔に覚えがない。 また、喧嘩を売りにきたやつか…? 「何か用か。」 とりあえず、きいてみた。 「僕は嘉翔汰。キミ、喧嘩強いって、ホント?」 嫌な目をした奴だ。人を見定めるような目。 …こういう奴は関わらないのが一番なのに、 何故返事をしてしまったんだろう。 今更ながら、俺は後悔の念にかられる。 「知らん。俺は、ただ平穏に生きたいと願っている普通の男子高校生だ。」 「ふぅん、キミ、僕と手を組まないか。」 「何が言いたい。」 「僕は人と人の関わりをたどるのがスキなんだ。それをもとに商売もしてる。」 …コイツ、何をいってやがる…? 「ま、いわゆる情報屋ってやつかな。」 「は?何で俺がお前に協力しなきゃなんねーんだよ。」 そう言い捨てて、俺は手元の本へと視線を戻そうとし、 ヒヤリと冷たいものを首に感じた。 「…何すんだテメエ。」 奴の手には青く鋭く光るナイフが握られていた。 もちろんその先にあるのは、俺の首だ。 「ひっ!」と息をのむ声が周りの女子から聞こえてきた。 「僕に、利益があるから協力してほしいんだ。嫌なら、力ずくでもいいよ?」 …コイツ、教室でヤル気か? こんな目立つとこでやったら、ゼッテー白い目で見られんじゃねぇか! 俺はそんなのもうごめんだ。 俺は人並みに幸せに平穏に生きたいんだけなんだが… 相手をしないわけにはいかないようだな。 「何処か落ち着いてヤれるとこに移動しようぜ。」 「あ、のってくれる気になった?」 「誰がテメエなんかに協力すっかよ。俺は、力で決める場所を指定しただけだ。」 「んー、じゃあ屋上行こうよ。ソコで、交渉。」 「俺はテメエが嫌いだ。全力で拒否ってやるよ。」 「え゛ー酷いなぁ。まだ今知り合ったばっかなのに。 ま、僕は結構前からキミを調べてたけど。」 「実力でぶつかってもこねぇ奴は嫌いなだけだ。」 俺は素早くナイフから体を離し、奴と距離をとった。 「じゃあ、行こうか。」 ニヤリと不適にアイツは笑った。それにつられて、俺も笑った。 |
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