ミスティックシンフォニー〜セカンド!〜第十幕〜 |
作者: 零堵 2010年10月08日(金) 18時35分17秒公開 ID:LjOpF6jSo/I |
早苗達が海へ行ってから数日後の事 学校の教室の放課後にて、早苗達に話しかけてくる者がいた 「ものは相談なんだが・・・」 「何だよ?武人?」 「武人君、どうしたの?」 話しかけてきたのは、早苗達と同じクラスで 科学研究部に所属している、香川武人である 武人は、よほど困っているのか、顔を少し悩んでいる風に見えた 「実はな、科学研究部が廃部の危機になりそうなのだ・・・」 「廃部?それはどうしてなの?」 早苗がそう聞くと、武人はこう言った 「実は我々科学研究部は、先輩達が受験の為に部活をやらなくなると 丁度人数が4人で、あと一人新入生から勧誘しないと、部は降格 科学同好会と成り下がり、部室を生物部に明け渡さなきゃいけなくなるのだ・・・」 「ふ〜ん、それは大変だな」 「晶・・・なんか淡白だよね?」 「そうか?ま、どうでもいいしな」 「おい!そう言う言い方はないだろ!こっちは困ってるんだ! 頼む!新入部員の勧誘手伝ってくれないか!」 「何で俺達が手伝わなきゃいけないんだよ・・・」 「まあ確かにそうだよね・・・、他に手伝ってくれるように頼んだの?」 「あ、ああ何人かは声かけたんだが・・・「めんどくさい」だの 「興味なっしんぐ〜」だの言われてだな・・・だからお前達に頼んでるんだが・・・駄目か?」 武人はそう言う、早苗達はどうするか二人でヒソヒソと相談する事にした (どうする?晶?) (どうするって言われてもな・・・まあ、本当に困ってるみたいだし、助けてやる事もいいんだけどな?早苗はどう思う?) (私はOkだよ?私、部活とか入ってないから勧誘とかやった事無いしね? これも経験と思って、やって見るのもいいかも知れないしね?晶はどうする?) (早苗がそう言うなら、俺はまあいいかって、感じだな) (じゃ、決まりね) 「なんかヒソヒソ話してたが・・・どうだ?手伝ってくれるのか?」 「私も晶もOKだよ、部員何人集めればいいの?」 「今、四人だから、あと一人集めればいいんだ」 「じゃあ、早速勧誘に必要なのを準備しなくちゃね?」 「おい、早苗、何かいい案とか浮かんだのか?」 「うん、大体は、じゃあ晶と武人君は明日の朝、校門前に集合!いい?」 「俺は構わないんだが・・・武人は?」 「何を浮かんだか凄い気になるのだが・・・協力感謝する 私も朝に集まればいいんだな?」 「うん、じゃあ私は準備する事があるから、先に帰るね?じゃね」 そう言って早苗は、家へと帰っていったのであった 「なあ晶、碧川っていつもあんな感じなのか・・・?」 「俺に聞くな・・・武人」 二人はそう呟いていたのであった そして次の日の朝の校門前 早苗は普通の制服の上に何かを着ていた 「遅いよ?晶に武人君」 「なあ・・・早苗?」 「何?晶?」 「その格好は何なんだ?」 「あ、これ?昨日私が考えた「科学研究部!新入部員募集中」の襷と鉢巻だよ さあ、晶と武人君もこれを着てね?」 「あ、ああ、着るか?武人」 「そ、そうだな」 二人は戸惑いながら、襷と鉢巻をつけたのであった 「さあ、二人とも?生徒がやって来たら、大声で勧誘して!」 「私達が言うのか!?」 「早苗は何すんだよ?」 「私は、入部届けの用紙とかを配るわ、武人君は部員なんだから 興味を持った人に、科学の素晴らしさや楽しい事を教えればいいんじゃない?」 「だそうだぞ?武人」 「と、とりあえずやって見る事にする」 こうして三人の勧誘が始まったのであった 晶は、登校して来る生徒に向かって 「科学研究部親入部員募集中!」とか言って 早苗は「これをど〜ぞ♪」と、無理矢理入部用紙を持たせ 武人は「科学に興味あるか?なら、我々と一緒にやろうではないか、科学は便利だぞ?」とか、ちょっと怪しげな勧誘方法で説明していた それは他の生徒から苦情が来るまで続いたのであった・・・ そして、結果はどうなったのかというと 数日後 「で?どうだった?新入部員は入ったの?武人君」 「あ、それは俺も気になったな、どうなんだ?武人」 「ああ・・・とりあえず一年の後輩が一人入ってくれたんだが その後輩が言うには「あんな勧誘しなくても、自分は科学研究部に入る事にしましたよ?」とか笑顔で言われたんだが・・・」 「あ、ははは・・・よ、よかったじゃない?とりあえず廃部にならずにすんだんでしょ?」 「まあ、そうなんだが、それには感謝してる、ありがとう」 「めずらしいな?武人がお礼言うなんて」 「べ、別に私だってお礼ぐらい言うぞ!」 「ほ〜」 「ふ〜ん?」 「な、なんだそのニヤニヤしてる顔は!、じゃあ私は失礼するぞ!」 そう言って、武人は早苗達から離れていったのであった・・・ 続く |
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