ミスティックシンフォニー〜セカンド!〜第十一幕〜 |
作者: 零堵 2010年10月23日(土) 03時16分21秒公開 ID:YynBrr2ofCI |
海のフェイクが捕まえられてから、結構な時間が過ぎ 早苗達がいる時代は、秋へと突入していた 「夏も終わったし、これから秋に突入するわけだけど 晶は、なんかやろうとか思ってるのってあるの?」 そう言ったのは、碧川早苗である 早苗は、幼馴染の品川晶にそう聞いていた 「やる事か?う〜ん・・・あまり考えてないな とりあえずいつものどおり、特撮物を見たり、そのイベントが開催されたら 真っ先にむかうとか心がけているぜ?そういう早苗は、どうなんだよ?」 「私?私は・・・そうね・・・」 早苗は、う〜んと考えたが、結局 「何も思いつかないかな、そう言えば私って、趣味らしい事ってないんだよね? 晶は特撮物が好きだし、律子ちゃんは絵本、武人君は科学にはまってるし 美理亜ちゃんはオカルトやってるし・・・私も、何か趣味とか持った方がいいのかな〜?」 「さあ?人に言われて趣味を持とうとかじゃないんじゃないか? これが好きだ!とか楽しいぜとか自分で思わないと、趣味とは言えないと思うし」 「晶、なかなか良い事言うじゃない?じゃあ 私も色々とチャレンジしてみようかな? 一度はやってみたいな〜とか思った事あるし」 「じゃあとりあえず、他の人のを参考にしてみたらどうだ?」 晶がそう言うと、早苗はう〜んと悩んでからこう言った 「そうね、じゃあまず他の人の趣味を一緒にやってみて 楽しかったら私も一緒にやって見る事にしてみるね?」 「そうか・・・ま、頑張れよ」 「うん」 こうして、早苗は他の人の趣味を一緒にやろうと思い 他の人に声を掛けまくる事にしたのであった 次の日、早苗は律子に話しかけた 「律子ちゃん」 「何?早苗ちゃん」 早苗は、まず最初に親友の篠崎律子に話しかけてみた 「律子ちゃんって、絵本書くのが趣味なんでしょ?」 「まあそう言われればそうね、書いてて結構楽しいしね?」 「じゃあ、私もやってみていい?」 「別にいいわよ?そうだわ、今、書いてる絵本を一緒に作るってのはどう?」 「うん、私はOKだよ、ところで律子ちゃんは、今、どんな絵本を書いてるの?」 「今、書いてるのは、これよ」 そう言って、律子は一冊のノートを取り出す 「え〜っと「見習い小人と大きな駄目巨人」?なんか凄そうなタイトルね・・・ 一体どういうお話なの?」 「まあ簡単に言うと、見習いの小人と大きな駄目巨人が、どっちが相手に喜ばれるかというストーリーね 早苗ちゃんはどっちが勝ったらお話が盛り上がると思う?」 「私?う〜ん、大きい巨人は何でもできそうだけど 駄目ってついてるから使えないかもしれないし 見習い小人の方は見習いだから半人前と言う事がもうこの文章から分かってるし・・・う〜ん、どっちかと言われたらと言われると・・・難しいかも・・・」 「そう、そうなのよね、私も早苗ちゃんと同意見よ?確かにこの設定だと、どっちが勝つか?と言われたらどっちも捨て難いと思っちゃうのよね〜そもそも、この設定だと・・・」 と言った話が律子からえんえんと聞かされて、気がつけば 一時間以上も討論をやって、早苗はかなりぐったりしたのであった そんな討論がなんとか決着ついた帰り道 早苗は、晶に話しかけられた 「で、どうだった?早苗」 「なんか疲れた・・・律子ちゃんのやってる絵本は、わたしにはちょっと難しかったかな・・・って思えてきたし・・・」 「そ、そうか・・・じゃあ、俺と一緒に特撮物見に行くか? 丁度、これから近くの公園で、ヒーロー戦隊ガンバルダーと正義戦隊ボウエンジャーのコラボがあるらしいんだ、一緒に見に行くか?」 「う〜ん、どうしようかな・・・」 早苗は、少し悩んだが、結局こう答える事にした 「なんか物凄い内容がきになるから、見に行こうかな?」 「じゃあ、決まりだな、早速行こうぜ?」 「うん、わかった」 こうして、二人はその特撮物イベントが開催されている公園へと行ったのであった 公園 公園の中に特設ステージが設置してあり、子供とその親とカメラを持ったいかにも オタクな感じの人物が今か今かと待ち望んでいるみたいであった 「なんかえらく人種が分かれてるけど、子供とその親と何かにはまってそうだな〜 とか思われる人たちがいるね・・・」 「まあそう言うなよ?誰にも迷惑かけてなきゃ別にいいんじゃないか?」 「そりゃそうだけど・・・」 そう早苗がぶつぶつ言ってると、早苗と晶の装着している腕時計型探査機 フェイクレーダーが鳴り出した 「え?まさか・・・フェイクが現れるって事!?」 「多分そうだと思うな?でもここだとまずくないか?人とかいっぱいいるし ほら、なんかこっちを睨んでる者がいるしな・・・」 確かに言われてみると、五月蠅いから止めろと思われる視線が 早苗達に集中していた (ど、どうする?晶?) (とりあえずここから離れた方がよさそうだな、行くぞ、早苗!) (う、うん) 早苗達は、そう言って人が集まっている場所から遠ざかった 遠ざかる途中、近くに来ていたのか、ミスティとレイに出くわした 「ミスティさん、レイ君!、と言うことは・・・近くにフェイクが?」 「はい、そうなります、早苗さん、この公園のどこかにフェイクが出没していると 情報が入ったので、私達も捜索しているんです、レイ?フェイクの現在位置、わかる?」 「待って、姉さん、今、調べてみるね?」 そう言って、レイは小型機械をいじって調べ物をする 「分かったよ、前方十メートルの方角にいるみたい、真っ直ぐ向かうと見えてくるよ!」 「分かったわ、いきましょう、早苗さん、晶さん」 「うん」 「了解だぜ」 こうして、四人はフェイクのいると思われる場所に向かった 十メートルぐらい進んだ先に、フェイクと思われる物体がふよふよと浮いていた 「あれがフェイクだよ、識別・・・蝶型フェイクみたい」 「蝶というよりなんか、蛾に近い色合いしてるな・・・」 「確かに・・・それに大きさが普通の蝶や蛾に比べたら大きすぎるよ・・・?」 その物体は普通の蝶や蛾に比べて五倍は大きかった、まるで映画とかに出てくる 巨大生物みたいな感じである 「早苗さん、晶さん、弱らせないと上手く捕獲できないので、攻撃お願いします!」 「解ったわ!やるわよ?晶!」 「おう!やってやるぜ!」 そう言って、二人はあの言葉を言う 「ミスティックシンフォニー!」 そう言った瞬間、二人の体が光りだし、早苗の姿は弓を持ったハンターに 晶は剣を持った剣士になっていた 「まず、私が弓で相手の動きを止めるわ!えい!スプラッシュアロー!!」 「なんだ・・・その技・・・」 「マンガに載っててやってみたいと思ってた技よ!」 早苗の放った弓が、蝶型フェイクの羽に命中する しかし、蝶型フェイクは何事もなかったかのように浮いていた 「反撃してこないか・・・じゃあ、こっちも行くぜ!垂直切り!」 晶は、剣を垂直に構え、真正面から振り下ろす が、剣はフェイクがよっぽど堅いのか真っ二つに切り裂くことは出来なかった 「このフェイク、堅さがあって、傷つける事できないのか!?」 「僕も加勢するよ、飛び道具ならどう!」 そう言って、取り出したのは、当たったら風穴が空きそうな銃であった 「行くよ!ファイア!」 そう言って、引き金を引く 銃弾は、普通の軌道とは全く違う動きを見せて、フェイクに向かうが 当たっても穴が開く事はなかった 「これでも無理!?」 「レイ、あのフェイクの弱点、調べてみて!」 「解った、やってみる!」 そう言って、レイは小型機械を動かして、蝶型フェイクの弱点を探す 「・・・・解ったよ!正面からは傷つける事は不可能、背中の部分を攻撃すればいいみたい!だけど攻撃が背中にむけようとするとその攻撃が当たる前に、回転して 正面に向くみたい、だから同時攻撃をしかけて!」 「同時攻撃?早苗!、俺が正面から攻撃を加える、早苗は弓で後ろから攻撃だ!」 「解ったわ!同時だから、ちゃんと合わせてよ?晶!」 「解ってる!行くぞ!1・2・3!」 そう言って、二人は蝶型フェイクに攻撃をしかける 「行くぞ!垂直切り!」 「スプラッシュアロー!」 晶の剣が蝶型フェイクに当たったと同時に背中側に早苗の放った矢が突き刺さる 蝶型フェイクに矢が貫通して、蝶型フェイクは地面に落ちたのであった 「今だよ!姉さん!」 「解ったわ!ミスティックフォーース!」 ミスティの言葉により、蝶型フェイクを中心に空間の歪みが生じて、蝶型フェイクはそれに飲み込まれて、その場から姿を消失したのであった 「これでこのフェイクの捕獲完了です、お疲れ様です、早苗さん、晶さん」 「息ぴったりだったね?晶」 「まあな、俺たち結構相性いいのかもな」 そう言ってると、時間がたったのか、二人の変身がとけた 「じゃあ、私達は次のフェイクの情報を集めますので、これで失礼しますね? 行くわよ、レイ」 「解ったよ、姉さん、じゃあさようなら、二人とも、元気でね」 そう言って、二人は早苗達のそばから離れて言ったのであった 「ねえ、晶」 「なんだよ?早苗」 「私、別に趣味がなくてもいいなって思ってきたわ、今はこういうのやってるの 結構楽しいしね」 「そうか・・・ま、早苗がそう決めたんなら、俺は何も言う事はないな あ、そうだったステージみに行かないと、早苗はどうする?」 「せっかく来たんだし、私も見に行くよ、行こう、晶」 こうして二人はステージがある方へと戻って行った 戻ってみると、もう人がいなく どうやら戦ってる間に、ショーは終わったみたいであった 晶はかなりガッカリした表情で家へと帰って行ったのであった・・・ 続く |
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