江戸組っ!第一章 #6 温かさ |
作者: ちびハチ公 2010年07月27日(火) 20時37分12秒公開 ID:MRiX6gH5OZ6 |
俺が目を覚ますと、そこは若草城の中だった。いつの間にか、アリアドスの糸も解けていた。 「やっと目を覚ましたな」 目の前にはものすごく豪華な袴を着、まげを結った男がいた。あ、この男が噂の若草城の城主か。 「早速だが、おぬしの力をこの城のために使ってみたいとは思わぬか」 こいつの裏に誘い神がいるのは把握済み。お前のために狼の力を使うなんてまっぴらだね、誘い神! はっきりそう言うのも良いだろう。が、こいつの中には誘い神以外に城主本人がいる。ここは敬語で・・・。 「お断りさせて頂きます」 後々江戸時代の文献に俺の事が残る可能性があると厄介だからね。 そして、俺はこう続けた。 「私はこの力を使うべき所がここだとは思いませぬ。何卒「この女、化け物共と共に閉じ込めておけ!」 俺は近くにいた武士達に両腕を捕まれ、そのまま牢屋らしき場所まで連れて行かれた。 そう言えば化け物って、まさか・・・・。ポケモン達の事か? 俺は牢屋に入れられた。本当の事を言うと、ぶち込まれたのだが。 「おい!ふざけんな!」 アリアドスの糸が再び巻かれて、また動けなくなった。が、足は自由なので牢屋に突進をかけた。江戸時代の牢屋は木造のはず。だから俺の力でなら木の一本ぐらい折れるだろう、と思った。だが、びくともせずに俺ははね返された。しかも、金属のような冷たい感触だ。 「畜生っ!!」 俺は、俺の周りに何かがいて、それが暗い気を放っているのに気づいた。俺の周りにいたのはすっかり怯えきっているポケモン達だった。見た所、かなり傷ついてる。あのライチュウとアリアドスが洗脳されていた事を考えると、こいつらは上手く洗脳出来かった、という理由でここにぶち込まれたのだろう。人間に対しての恐怖と怒りが同時に感じられる。 と、その時だった。ヒノアラシがそばに寄ってきて背中の炎でアリアドスの糸を取り除いてくれた。 「ヒノアラシ、ありがとう。お前は優しいんだな」 俺はヒノアラシの頭を優しくなでた。ヒノアラシは頭をなでた俺の手に擦り寄って来た。それを見た俺は自然と笑みがこぼれた。 ヒノアラシはいつの間にか寝ていた。 すると、ヒノアラシが寝た事で安心したのか、俺の周りにはいつの間にかヒノアラシを含む5匹がいた。 (こいつら、恐怖で眠れなかったのかな・・・・) 俺はポケモン達の温かさでウトウトしてきた。 いつの間にか、俺はポケモン達と一緒に寝ていた。 |
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