シンヒカお題:目指すもの
作者: ちびハチ公   2010年12月15日(水) 19時18分01秒公開   ID:MRiX6gH5OZ6
試験で常に学年首位を取っている高校一年生がいる。紫色の髪をした無口な男子高校生、シンジだ。
 人がたくさんいる所が苦手、というシンジは毎朝予鈴が鳴るまで図書室で勉強している。学校の中ではほとんどの生徒が知らないのだが、数少なく知っている人間の一人がシンジの彼女になった、ヒカリだ。シンジとヒカリが付き合っている事はこの学校ではシンジが図書室で勉強している事並に知られていない。

 今朝も、図書室にはシンジの姿があった。いつもは誰も入ってこないまま、予鈴が鳴る。しかし、今朝は違った。
  「おはよう、シンジ。今日も勉強?」
ニッコリとシンジに笑いかけたのはヒカリ。しかし、シンジはまるで聞こえなかったかのようにペンを走らせている。その速度は少し上がっているのだが。
ヒカリは音を立てないようにシンジの前のイスに座った。
 しばらくして、シンジはテーブルにペンを置いた。そしてペンを持っていた手をブラブラと振りながら、ヒカリに尋ねた。
「何で今日は来たんだ?」
「うーん・・・。シンジの様子見に来たのもあるし、話したい事があるし・・・」
 シンジは呆れた様にため息をついた。
「・・・その話したい事って何だ」
腕組みをしてヒカリに尋ねた。
「シンジ、いつだったか『将来の夢がある』って言ってたじゃない」
「ああ」シンジはほとんど覚えていなかったが、とりあえず返事をした。
「あたし、分かったかも。シンジのなりたいもの」
それを聞いた瞬間、シンジは絵にでもなったように静止した。
 「・・・弁護士、でしょ?」
シンジは黙りこくった。
「・・・当たり、ね」ヒカリは満面の笑みを浮かべた。
 「・・・何で分かった」
シンジはヒカリをじっと見つめた。
「この高校、弁護士になる人が多いんだって。それにシンジ、人を助けたいって言う気持ちが人一倍強いから」
 「・・・お前のなりたいものは何なんだよ」
「あ、話逸らした」
「逸らしてない」シンジは体が熱くなるのに気付いた。
 「もう・・。シンジ、虫が良すぎ。自分では教えなかったくせに、人のなりたいものは聞き出そうとする訳?」
 シンジは黙りこくった。
 「シンジの言った事、そのまま返す。自分で当ててみなさい」
 ヒカリはそう言い残すと、図書室から出て行った。
 本日の知恵比べ、ヒカリの勝ち。
■作者からのメッセージ
訳分からない話でごめんなさい。今気づきました。
書いてた時は必死でしたので・・・。(おい)
もっと多くのシンヒカファンに見てもらいたいですな・・・・。

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