シンヒカ小説お題:迷い込んだ場所 |
作者: ちびハチ公 2010年12月15日(水) 19時36分00秒公開 ID:MRiX6gH5OZ6 |
真っ黒な雲が空を覆い、雨が降ってきた。 「ああ、もう・・・。雨宿りするところ探そう」 現在は一人旅となったヒカリは雨宿りができそうな所を探し始めた。 こうしてたどり着いたのはある洞穴だ。まだ雷は鳴っていないが、すぐに鳴ると考えたヒカリは仕方なく洞穴に入った。 しかし、そこには先客がいた。それは、一緒に旅をしていたサトシのライバルであったシンジだった。 (うわ・・・。シンジだ。また何か言われる前に行こう・・・とはいってもここしか無いからなあ) ヒカリはどうしようか迷っていた、その時だった。 雷の音が大きく洞穴の中で響く。 ヒカリは反射的に後ろへ下がった。が、足を滑らせて転びそうになった。 「お前、そそっかしいな」ヒカリの耳元で声が聞こえた。 その声の主は、間違いなくシンジ。彼が転びそうになったヒカリを支えたのだ。 「ありがと・・・」 ヒカリはさっさと自分自身だけで立ちたくて体を起こした。 「俺の事は気にせずここで雨宿りしておけ。このままだと今日中はやみそうに無い」 「そうだね。じゃ、遠慮なく」 ヒカリはシンジと距離を置いて雨宿りをした。 距離を置いて雨宿りをしたのは顔が真っ赤になったことを気付かれたくなかったからだ。だがそんな事をシンジに言える訳が無かったので、別の理由を述べた。 顔が真っ赤になったのは体が冷えたからではない。シンジに助けられた事が嬉しく、そばにいることが信じられないのだ。 翌日、ヒカリより早くシンジは洞穴を出た。 |
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